－楽曲は誰が中心で作ったのかな？

Kazuki：今サポートしてくれてるTamaさん（ex-NEW BREED／Gt）と僕が一緒に作った曲ですね。

Koie：実は『XENO』（2015年リリースの4thアルバム）のときもそういう曲はあったんですよね。若干Tamaさんっぽさが出てますよね（笑）。

－入りのギターとか邪悪な感じで（笑）。

Kazuki：生粋のメタラーですからね（笑）。メタル・フレージングの組み立て方とか、すごく勉強になるノウハウを持っているので。スケール感だったりとか、そういうところはTamaさんに手伝ってもらって独特なメタリックなフレーズになってます。そこに、さらにシンフォニックなメロディで雰囲気出して。

－なるほど。たしかに今までになかった、エピック・メタル的な感じがしたんだよね。ただそこまで"どメタル"な感じがしないのは、NEW BREEDとは違うよね。

Kazuki：そうですね。全体のアレンジには僕たちらしさがあると思いますね。

－この曲はドラムもかなり激しいよね。聴いててスカッとするというか、頭で考えるんじゃなくて、身体で浴びる感じがめちゃくちゃ気持ちいい。

Tatsuya：この曲に関しては、聴いた瞬間から"詰め込みまくって、スピーディーで激しくしよう！"って思ってたんで、メタリックな方向にだいぶ寄せ切って叩きました。

－歌詞も3曲の中で一番SF的なものに仕上がってるよね。｢Wipeout｣はSFの世界観がありつつも心の内面について歌ってるし、「Inside The Flames」はよりパーソナルな内容の歌詞だし。

Koie：昔から、自分に対して歌ってるような歌詞を書くことが多いんですよ。生きていくなかで、自分自身を変えるっていうのが一番重要なことでありつつ一番難しいことだと思うんですよね。だから「Inside The Flames」は、"自分の殻に閉じこもってる暇はないぞ！"ってことを歌ってるんです。自分の弱い部分もちゃんと向き合って自分の中で整理したうえで前に進んでいかないと。だから、自分の内側にある声を聞いて、それに従えっていう内容になってますね。

－なるほど。

Koie：そして｢Vermillion Gold｣はおっしゃっていただいたように、SF的な曲で。それも『FREEDOM』から続いてる"NEO TOKYO"とかそういう近未来のイメージなんですよね。この楽曲は、その"NEO TOKYO"にある大きな発電所を舞台とした曲で......"ファイナルファンタジーVII"ってやったことあります？

－ごめん、ないです（笑）。

Koie："ファイナルファンタジーVII"は、地球からエネルギーを吸い取ってそれで成り立ってる街が舞台で、そこの発電所の名前が魔晄炉っていうんですけど、その光を浴び続けると目の色が変わるんですよ、その下町に住んでる人とかは。それくらい強いエネルギーなんです。なので、そういう人間がコントロールし切れないような大きなエネルギーみたいなイメージを曲で表現したかったんです。その裏には、そういう大きなパワーは正しく使わないと、例えば"原発みたいにどうなるかわからへんぞ"っていうメッセージも込めているんです。

－SF的な世界観の中に、社会的なメッセージも含んでるんだね。

Koie：そうですね。

－初回生産限定盤Aに付属のDVDにはサプライズ的なものも入ってるってことで......。

Koie：詳しくは言えないんですけど、サプライズ的な映像を入れてるので、楽しみにしていてほしいですね！

－また、初回生産限定盤Bについているリミックスも秀逸ですね。

Koie：全部聴きました？ 良かったですよね（笑）？

－もちろん（笑）。CDに収録されてるものと、デジタル配信のみのものも。国内外問わず、豪華な面々だけど、このリミックスの依頼もメンバーで？

Koie：そうですね。

－みんなはそれぞれどのリミックスが気に入ってるのかな？

Teru：難しいなー（笑）。

Koie：今回は全部良かったよね！ でも個人的にはドラムンベースが好きなんで、前作で「Revolution」をTHE BLOODY BEETROOTSがリミックスしてくれたんですけど、今作では「Rockstar Steady」をやってくれてて。ドラムンベースやし、パンキッシュやし、ロックやし、"これはカッコええな！"って思いましたね。あと、注目してほしいのはLUTEZっていうアーティストで。俺がWOMBにZOMBOYを観に行ったときに、偶然知り合って。なんか"日本語喋ってる外人おる"って思って（笑）、そのときは普通に一緒に酒飲んで仲良くなって。日本を拠点に活動してるんですけど、たしか出身はニューヨークで。ニューヨークと山形のハーフなんですよ（笑）。それで、SoundCloudで彼の音源聴いてたら"めっちゃカッコええやん！"って、それで頼んだら、俺たちが要望を出したものより上回るものを作ってくれて。