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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY

2017.07.12UPDATE

2017年07月号掲載

G-FREAK FACTORY

Member:Hiroaki Moteki(Vo)

Interviewer:荒金 良介

-そんな経緯があったんですね。「REAL SIGN」の話が出たので、その流れで曲についても聞きたいんですけど、いままでのG-FREAK FACTORYにありそうでなかった曲調で驚きました。ラップでも、ポエトリーでもなく、まさかのお経にトライしてますよね?

そうですね。いつかやってみたいと思っていたアイディアですね。お経っぽいというか、淡々とした涼しい歌い方をしてみたくて。できたら、意外といいじゃん! って。曲調的には一時期、ジャム・バンドにハマッてて。THE STRING CHEESE INCIDENTというバンドがいるんですけど、まだ来るかまだ来るか、もっと来るんだ! という展開が好きで、いつかそういうループ・サウンドをやってみたいなと。日本はアイランドだから、四つ打ちが合うんですよね。まぁ、勝手にそう思ってるだけなんですけど(笑)。

-「REAL SIGN」は曲展開も面白いし、三味線、鍵盤の絡み具合も最高です。

三味線は地元の若い奴で、目の前で弾いてくれたときにいつかやりたいなと。群馬の奴と作るのも筋が通るから、手伝ってくれない? と言って。ただ、僕らはすでに弦楽器もいるので、それに当たらないで入れるのは難しいと思ったけど。

-うまく溶け込んでますよね。三味線が入ることで、一気に和の雰囲気が出てます。

はははは、そうですね。あと、リリックは群馬に上毛カルタというカルタがあって、群馬県民は刷り込みのようにやらされるんですよ。小学校から大会があったりして、"つる舞う形の群馬県"とかカルタの読み句を知らない人がいないんです。そのカルタを引用して、山にちなんだカルタの読み句を少しいただきました。群馬の人が聴いたら、なるほど! と思うかなと(笑)。

-それから「風林花山」に取り掛かったんですね?

ですね。群馬で暮らしているから、群馬の曲を作ろうと思うと、何でも書けるので。材料が多すぎて、絞るのは大変でした。

-「風林花山」はそれこそずっとG-FREAK FACTORYが歌ってきたような内容とも通じますよね。

そうなんですよね、ローカルという意味では。今、一番感じていることを形にしようと。

-"根をはるほどに意地をはれ 愛に変わるまで"の歌詞は深いですね。

群馬県民はコンプレックスのカタマリですからね。ほんとに好きになれるところまで突き詰めなきゃいけないし......グダグダなところも、至らないところも含めて好きにならなきゃいけないなと。それも意地がそうさせてるのかもしれないけど(笑)。それがいつか愛に変わると思うんですよ。

-映画のタイトルに引っ掛けていると思うんですが、"お前はまだお前を知らず"の歌詞にはどんな思いを込めて?

群馬のことを歌っているんだけど、お前はまだ自分の良さもわかってないだろ? って最終的に言いたくて。お前の魅力は、お前が一番知らないんじゃないの? って。

-それはMotekiさん自身がそうだったから?

未だにそうだと思います。永遠のテーマですね。今回は"お前はまだグンマを知らない"のタイトルに寄せる必要はないだろうけど、お前はまだお前を知らないだろ? って、人に喩えたくて。最初の曲名は"風花(かざはな)"だったんですよ。それで"風林火山"はどうだ? ってレーベルの人に言われて。"火"を"花"に変えようと思ったんですよ。風花って、群馬、静岡にしかない現象みたいで。山に積もった雪が、風で飛ぶんですよ。晴れた日に舞うと、一瞬雪が降っているんだと勘違いするんですよね。風花って、なんて美しい言葉だろうと思って。これにしようと思ったら、森山直太朗に「風花」(2005年リリースの9thシングル表題曲)という曲があって。

-先に使われてましたか!

そうなんですよ(笑)。じゃあ、"風林花山"にしようと。