INTERVIEW
NUBO × ROTTENGRAFFTY
2016.11.15UPDATE
2016年11月号掲載
NUBO:tommy(Vo) 一成(Vo)
ROTTENGRAFFTY:NOBUYA(Vo) N∀OKI(Vo)
インタビュアー:荒金 良介 Photo by 川村 隼也
-バンドの動き方も共通点はありますよね。
tommy:ロットンを近くて見てましたからね。それで無意識に学んだのかなと。
一成:ロットンはシーンどうこうではなく、どこでもいけるぞ! という気持ちを持っていたので、それにも影響を受けてますね。
NOBUYA:時間かかると思いますよ、ツイン・ヴォーカルは。
N∀OKI:めっちゃ難しい! レコーディングも普通のバンドより時間かかるしね。
tommy:ですね。メインを2回録りますから。
NOBUYA:単純に自分がリスナーとして聴いても、ヴォーカルがふたり入ってくる時点でしんどくなるんですよ。でもそこにチャレンジするバンドの様が俺はかっこいいと思ってて。自分がツイン・ヴォーカルのバンドを選んだ以上、世の中にもっと広めないといけないなと。そういう意味でもNUBOがいることで力になるし、俺らやNUBOを見て、ツイン・ヴォーカル編成でバンドを始める若い人たちが増えたらいいなと。
tommy:その可能性を広げてくれたのはロットンですからね。
NOBUYA:リスキーなことも多いけど、それをゼロに戻してプラスに変えていく。だから、NUBOが背負っているものもわかるし、それを認めさせたら早いと思う。
ふたりの個性が交わる瞬間、強烈なパワーを放つから面白い
-ツイン・ヴォーカルで自分たちのスタイルを完成させるのは、そんなに大変なんですね。
N∀OKI:大変ですよ! リリックも、方向性が違ったらおかしくなるし。お互いに自分の言葉で歌いたいし、その擦り合わせも難しくて。
tommy:制作で言うと、ロットンと僕らは少し違って。僕がメインで歌詞を書いて、それを一成に"この歌詞とメロディで歌ってほしい"とリクエストするんですよ。それをひとつの作品にするのはまた違う難しさがありますね。僕ができないことを一成はできるし、それで曲の中でマジックが起きるから。ただ、時間はかかりますね(笑)。
-なるほど。
NOBUYA:ヴォーカルって、一番性格が悪いと思うんですよ(笑)。
tommy&一成:はははははは(笑)。
NOBUYA:変なプライドがあるし、それがふたりいる時点でだいぶ邪魔ですからね(笑)。でもそれが曲になったときに強烈なパワーを放つから面白いんでしょうね。
tommy:曲作りでもライヴでも、何倍にも膨らむ瞬間がありますよね。
一成:ふたりの個性が交わる瞬間があって、それがどこで出るかはわからないんですよ。お互いに寄り添いすぎたら、ひとりでいいとなるだろうし。
NOBUYA:今回のNUBOのシングル(『インソムニア』)は、ふたりの個性が強烈に出てると思う。ここに来て原点回帰しているというか、それが面白いなって。3曲目(「Shadow and wall」)がすごく好きですね。
-特にどのへんが好きなんですか?
NOBUYA:1、2曲目があるからこそ光ってると思うけど、NUBOらしさと新しさを同時に感じますね。「インソムニア」(Track.1)はKORN、LIMP BIZKIT、特にRAGE AGAINST THE MACHINE(以下:RAGE)が超好きなんやろうなって。
tommy&一成:ははははは(笑)。
-その影響は出てますね。
tommy:仮タイトルが"RAGE"でしたからね(笑)。
NOBUYA:サビはNUBO節になってるから。この時代にRAGE風のグルーヴィなニュアンスをやることに意義を感じますね。もし若い人でRAGEを知らなかったら、知るきっかけにもなるだろうし、それは素晴らしいことだなと思いますね。
tommy:自分たちが好きだったものを、今のお客さんは知らないと思うことがあったんですよ。で、今回は新曲を作るうえでメンバー5人が共通して好きなものを、胸を張って表現してみようと。そうなると、結成前から好きだったRAGEとか、それこそロットン、コーガニズムオーケストラを観ていたシーンの匂いも曲で表現してみたいなと。特に「インソムニア」と「Shadow and wall」はそれが色濃く出てますね。
NOBUYA:「Mirror the world」(Track.2)はEGO-WRAPPIN'を想像して、それもかっこいいなと。キネマ倶楽部でワンマンやってほしいわ。
一同:ははははは(笑)。
tommy:(キネマ倶楽部は)オシャレすぎるけど、それも面白いですね。
-NUBOはなぜ今作のタイミングでルーツ回帰したんですかね?
tommy:もともとミクスチャーの洗礼を受けまくって組んだバンドだし、ギターのWakaiも当時は7弦ギターを使ってましたからね。今まではラウドなミクスチャーではないところに可能性を見いだして、ソウルやファンクの要素を取り入れていたけど、実はまだ形にしてなかったのが「インソムニア」みたいな曲だったんですよ。
一成:RAGEとか、そういうバンドをコピーして青春時代を過ごしましたからね。メンバーで音を合わせたときの迫力も違うんですよ。
tommy:繰り返しになるけど、ロットンのライヴで味わった突き抜け方を、自分たちの曲で表現するにはどんな武器が必要かな? と考えたときに、自分たちの土台にあるものを曲にしなきゃいけないなと。そういう意味でもこの曲を大事にして、5人で勝負を賭けようぜ! と意志統一できましたね。