INTERVIEW
AA=
2013.11.20UPDATE
2013年12月号掲載
Member:上田剛士 (Ba/Vo/Prog)
Interviewer:吉羽 さおり
-コンパクトでキャッチーで、でもエモーショナルにいろんな感情が入ってもいて。
だから、自分を古くから知っている人はこの曲をすごくTAKESHIらしいと思ってもらえると思うし、『HUMANITY』(1990年/THE MAD CAPSULE MARKETS)という自分が作った最初のアルバムでそのなかに「HUMANITY」という曲が入っている、その“2”ということになっているんだけど。それもメンバーのひとりが、その頃の雰囲気を未だにこの曲に感じると言ってくれたのがきっかけでタイトルにもってきたんです。
-原点というところなんですね。
いろいろ削ぎ落して自分のなかに残っているものとも言えると思うので。そういう意味ではすごく自分の原点というか、中心というかに近いものかもしれないですね。
-「||:Repeat:||」。これはファストだけれど、途中でスカが入って曲の雰囲気が変わる面白い展開ですね。
これは、スカの部分で世界がガラッと変わるくらい変化するくらいの曲で。スカの部分はTAKAが発してる言葉が重要なポイントですね。それによって、世界がまた自分のなかで変わっているという。『4』は、過去をテーマにしているんだけど、自分の考え方や見え方を、その曲の展開の仕方で表したかったなという感じです。
-スカ部分では、前に進もうぜと発破をかけられるんだけど、このスカ・ビートの陽性感がいいアクセントになっていますよね。
能天気にいきたかったんですよね、バカっぽくいきたいなっていう。
-次の「Jam」は、アンサンブル、バンド・サウンドというのを思い切り出した曲ですね。
そのバンド・サウンドというので、力強さもエモーショナルも表している曲ですね。
-『4』にある曲は、歌詞もよりコンパクトだと思います。
そうですね。自分の歌詞って割とコンパクトで、多くを語るタイプでもないんだけど、そのなかでも『4』はよりエモーショナルかもしれないですね、自分の作っている作品のなかでも。そういう作品だとより言葉が少なくなる傾向があるかもしれない。少ない方が、自分の言いたいことがよりはっきりしてくるというか。
-「Jam」などはセッションにそのまま歌を乗せたような感覚がありますね。
突き抜けたい感じの曲ですね、そういうことでは。
-「Path of the arrow」これは、メロディがブライトですが、歌詞は意味深な。
これは内面的なものを強く表現している曲というか、それはメロディがいちばん最初に前にきているという意味でもそうなんだけど、より肉体的かもしれないし、感情的かもしれない。そういう曲ですね。
-特にライヴが見えるような高揚感のあるメロディ、というのも印象的ですが。
この曲はメロディが自分自身を引っ張った曲ですね。
-続いての「Lasts」。
この曲自体は原型は前からあって、去年「The Klock」というシングルを出した時にこの曲のリミックスバージョンというか、バージョン違いを入れているんですけど。それの元になったのは実はこの曲ですね。自分のなかでは、ストレートというのとも違うんだけど、すごくバンド・サウンドで、いろんな意味で今までのAA=にはないタイプの曲です。すごく攻めている曲ですね。音的なことで攻めているというのとは違うんだけど。
-いわゆるギター・ロック感がありますよね。こういう曲もまたひとつの挑戦でもありますか。
そうですね。こういう曲も入れたかったというか。この曲自体があったのも、『4』をこういう形に持っていくことに重要になった曲ですね。
-今までこういったタイプの曲はなかったという感じですか。
なかったわけではないんですけど、ここまでシンプルな形にしたのは初めてですね。この要素は持ちながらAA=の特徴みたいなものを詰め込んだり、エッジであったり、そういうものを入れていくことは多かったんだけど、よりそういうものを削ぎ落した形でポッと出すのは初めてですね。
-今回はそういった曲も出せる、ということですね。
今回は出せるチャンスというか、挑戦というかね。
-そして、シングルとなった「The Klock」。
今回の『♯』『4』というキャラ違いの作品を作る本当の原点にあったのは、この曲にあるんです。この曲自体が、1曲のなかでそういう形になっていて、静と動だったり、両極端なものが混ざり合うのではなくくっついているというスタイルの曲だったので。この曲を去年作ったことで、今回の『♯』と『4』に繋がっていった第一歩になっていますね。