INTERVIEW
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2013.11.20UPDATE
2013年12月号掲載
Member:上田剛士 (Ba/Vo/Prog)
Interviewer:吉羽 さおり
-「DRONE」から、次に「WARAWRWAR-♯Mix」がくるわけですが、すごく繋がって見えてきますよね。なので、アルバムの為に作った曲だろうなと思っていました。
そうですね。でも、ちょっとちがう自分の意識のときにできた曲だったんです。それがここにこれほど合うとは思わなかったというか。
-続く「WARWARWAR」はデジタル・シングルとなった曲で、思い切り攻めの曲ですね。
割と最初のほうにできた曲というか、『♯』側の方向付けが見えた曲ですね。エレクトロなリズムやトラックをベースに自分なりに構築していった曲で、自分のなかではよくやる手法のひとつだけど、よりそれを強調して見てる。それが今回の『♯』側のひとつの方向になって、自分自身にもそれが見えるようになった曲ですね。
-Track.3「VICIOUSNESS」。これはさまざまな連鎖や狂気を感じる曲ですね。
テーマとしては悪意というか、人のなかにあるネガティヴな部分が社会に及ぼしている影響というか。たぶん多くの問題の根本にあるのは、人間の持っている業みたいなものだったり、欲みたいなものだったり、そういうものが多くの問題を引き起こす引き金になっていると思っていて。今の時代は過去にあった時代よりも進化しているし便利になっているし、よくなっていると思うけど、そこの部分の解決っていうのは、まったくできていないと思うし、それによって問題は多く起きている。世界中でまるっきり違う問題が、日本にはないような大きな問題がほかの場所にはあったりするし、そういうバランスの悪さとか。そこは解決していかなきゃいけない問題の大きなものだと思うので。そういうものを感じて作っている曲ですね。
-曲に込めた願いやその先に見えるものとしては、解決の方法もあるんじゃないかという思いはありますか。
常に自分のなかでは、解決することができると思っていたり、それはムリなんじゃないかと思っていたり、それの繰り返しではあるんだけど。でもそういうふうに繰り返すことで前に進んで行くと思うし、結局自分が解決できるものは自分が存在する間にはほんのちょっとしか進まないと思うけど、それが連続していくことによっていつかは解決できる世界があるんだろうとは信じているし。ただ、そういったことが解決した世界が自分が見られるとは思っていないというかね。前に進んで行くことが大事だっていうだけで。
-次の「WILL」では、まさにその進んで行くことが描かれますね。曲調としても、明るい、希望のあるトーンで。
自分が見たい未来、思いたい未来、そうありたい未来をイメージして作っている曲ですね。
-こういった曲を作っているときの心境、状況というのは、何か後ろ向きになってしまっているときでもあるのか、または外的な影響のあるときなんですかね。
結局、前の曲の「VICIOUSNESS」にしても作っている時の状況や気持ちはたぶんそんなに変わらないですね。この曲ではそれが見たい世界を表しているし、「VICIOUSNESS」は見なきゃいけない世界を表しているということで、そういう意味では両方一緒かもしれない。決して明るい未来とか、明るい気持ちだけで作っているわけではないし、だからと言ってネガティヴさや苦しみだけで作っているわけでもない。最終的にはそこを切り抜けていく、前に進んで行くエネルギーに変えていければというのが、この曲ではメッセージとして入れていることですね。
-サウンドを構築している時点で、そういったモードになっている?
音から影響受けるのが大きいですね。そのサウンドから影響を受けて、自分がそこで受けるテーマだったり言葉だったりというのが、そういうものになっていくというか。自分がそのとき聴きたかったビートとサウンドがこれで、そこから受けた影響で自分のなかにある言葉でチョイスされるのがこういう言葉でという。
-では音が生まれてくる瞬間は、ものすごく純粋な状態でもあるということですよね。
たぶんそうだと思う。できた瞬間って覚えてないんですよね、どれも。いつのまにか、自分の頭の中にあったものを形にしたみたいな感じで。頭のなかにどうやって作ったのかは覚えていないっていう感じなので。
-よくミュージシャンが、作曲は、粘土を夢中でこねている間にいつのまにかオブジェができたり、怪物ができたりするような感覚だと聞くんですね。作っている最中は何を作っているのかわからないという。似た感触でしょうかね。
かもしれないし。パッとあるような気もするしね、完成形が。それをそのまま形に起こしていく作業をしている気もするし。うん、そっちのほうが強いかな。見えないものを練っていていつのまにか形になっていたというよりは、パッと見えていつの間にか作っているというものかもしれない。だから、そこの部分の意識はわかららないけどっていう。