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INTERVIEW

coldrain

2012.07.06UPDATE

coldrain

Member:Y.K.C (Gt) Katsuma (Dr) Masato (Vo) Sugi (Gt) RxYxO (Ba)

Interviewer:ムラオカ

-以前のインタビューで海外のプロデューサーに頼むならEric ValentineやButch Walkerが第1希望だったと思うのですが、David Bendethに決定した理由を教えてください。

M:(笑) 実はDavidのことはあまり知らなくて、でもずっと“このアルバムの音ヤバいよね!”って話してたのが、Davidだったんですね。誰が一番バランス感だったり、振り幅が大きいんだろっていうのを調べていて、もちろん、さっき挙げたEric Valentineもいいと思うし、Butch Walkerも良いんですけど。David を調べてみると、PARAMOREのアルバム『Riot』や、BREAKING BENJAMIN、最近のOUR LAST NIGHTやKILLSWITCH ENGAGEもやってたりと、この振り幅は間違いないなって感じたのが彼だったんです。

-メンバーからの意見として挙がったプロデューサーが採用されたということですか?

Y:何人かの候補の中からみんな一番バランスが良いんじゃないという話になったのがDavidでしたね。しかも一番最初に話を振ったのがDavidだったんです。

M:絶対に無理だと思ってたよね。最初にレーベルの人に頼んでもらうときも、駄目もとでという感じだったんですが、その季節はニュージャージーは寒いので他のアーティストはあまり録りたがらなくて、たまたまその月のスケジュールが空いてたんです。

-またマスタリングにはTed Jensenを起用していますね。盟友であるHEY-SMITHも前作でマスタリングにTedを起用していましたが、いかがでしたか?

Y:Davidが“俺はTedとしか仕事をしないよ”ぐらいの仲で(笑)。

-その2人はコンビみたいな感じなんですね。

M:実はDavidとTedは同じニューヨーク近辺だし、直接電話して予約してるぐらい仲がいいんですよね。DavidがTedに頼んでない音源なんて多分ないですよ。頼んでなかったとしてもそれはDavidの意向じゃなくて、バンド側の意向なんでしょうね。DavidとTedがタッグで取り組んでくれたことによって最大限に音が良くなったんじゃないかなと思います。TedのことはHEY-SMITHの音源を聴いても良さが出ていましたし、元々好きでしたね。

-メンバーからこういう音に仕上げてくれという希望は出していたんですか?

Y:Davidの中ではTedのマスタリングは完璧だから大丈夫という絶対的な自信があったんですよね(笑)。自分たちとしてはマスタリングってイメージが涌きにくいところではあるんですけど、ミックスで作った曲の抑揚だったりとかを、全部潰さずに更にもう一皮剥けてワイドに聴こえさせるし、深いところは深くなるし、音圧も上がるんですよね。“ただただがむしゃらに迫力だけ出るようにはしないから”とDavidは言ってくれて、僕ら自身もそういった音を希望してましたね。

M:案外Davidがマスタリングに対して言っていることが適当なんですよ(笑)。“とりあえずヤバくなるし、でかくなるし広がるし、Tedはヤベェんだよ!”とかそんな感じなんで(笑)。 ミックスに関しては結構意見を求められたし、メンバーみんな意見を出し合いましたね。もちろん基盤はDavidなんですけど、バランスとかに関してはちゃんとお互い意見を出し合ってサウンドを作っていきました。

-よく聞く話ですが、バンドの技術的なレベルも関係しているかもしれないですが、欧米ではみんな同じような音に仕上げてくるようなプロデューサーもいるじゃないですか。話を聞いているとDavidはある意味、昔ならではのオーソドックスなプロデュース・スタイルなのかもしれませんね。

M:そうですね。CROSSFAITHから聞いてたやり方と違いましたね。でもDavidと同じスタジオの人でもまた録り方は違うらしいですよ。Davidのやり方はどちらかと言うと従来の日本のやり方とあんまり変わらなかったですね。ヴォーカルはまた違うエンジニアがいましたけど、そのほかの基本的な録り方はあんまり変わらなかったですね。

-今までのcoldrainの音源に携わっているエンジニアの方はJ-POPも手掛けていた方でしたので、いい意味で邦楽ロック的なサウンド・プロダクションだったと思いますが、今作は洋楽的な引っ込んだ重厚感を感じました。中でもドラムの音が最も大きく変化していて、とても重厚で広がりがあるサウンドに仕上がっていますね?皆さん自身、ここは変わったなとか、ここの音質は気にして聴いて欲しいというところはありますか?

Y:ドラムを基準に全てのミックスが成り立ってきているので、自分たちでもドラムの音っていうのは今までのアルバムでも課題ではあったし、もっとパンチがあるように聴かせたいってずっと思ってたんです。それが初めて思っていた通りの音で真ん中にドラムの音がドシっとあるサウンドになったので、そうするとミックスでそれ以上に余計な音がいらなくなってきちゃって。それは録る前からしきりにDavidが言っていたことなんです。実際にミックスで入ってる音ってシンプルだったりして、単純に曲の抑揚だったり勢いっていうのはドラムの音が基盤に出来ているので、今までよりもすんなりノレるんじゃないかなと思います。音を探さなくても聴くべき音が自然と前で鳴っていると思います。

M:ドラムを含めアレンジの時に抜き差ししたものによって、最終的なヴォーカルの聴こえ方がすごく変わったんじゃないかなって思います。すごく声がしっかり聴こえるし、歌の表情が分かるというのは、別にヴォーカル・マイクがすごかったとかそういうことではなくて、単純に鳴っている音数だったり、鳴っている位置というところはデカかったですね。機材で言うなら日本で使っているものより全然低かったんです。それでもヴォーカル周りの出来上がった音はもしかしたら日本のものよりいいかもしれないですね。コーラスの当て方とかも一緒に作ってたエンジニアのJohnが今までにはなかった意見を出してくれたので、そういう意味では音にも影響したのかなと思います。