COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第31回
2つ以上のジャンルが交ざり合った音楽を「ミクスチャー」と呼ぶが、実はこの言葉、日本特有であるという事を皆さんはご存じだろうか。
海外では同様のジャンルは主に「クロスオーバー」と呼ばれている。
80年代頃から始まったこのムーヴメントは、ハードコアパンクとヒップホップをクロスオーバーさせたBeastie Boysや、スラッシュメタルとヒップホップをクロスオーバーさせたAnthrax & Public Enemy「Bring The Noise」等のNY勢の活躍もあり、アメリカ全土で火が付き世界へ飛び火していったのである。
人種や国籍が入り乱れるNYで、後のクロスオーバー・シーンに多大なる功績を遺した偉大なバンドの1つをご紹介。
Jammin in Vicious Environments / Shootyz Groove
92年NYで結成されたShootyz Groove。
NYハードコアよろしくのヘヴィかつグルーヴィーなサウンドに、イーストコースト・スタイルかつ2MCでゴリゴリにまくしたてるマシンガン・ラップ。
まさにラップ・コアと呼ばれるジャンルの源流である。
30年近く前にリリースされた作品にも拘らず、今聴いても全く古臭さを感じない。
完全に完成されたサウンドなのである。
収録曲「Come w/Cha Best」にDJのスクラッチを足したらLimp Bizkitの楽曲になるんじゃないかというくらい、後続のラップ・コアやラップ・メタルに与えた影響は計り知れない。
同郷にして、同じくNYハードコア×ヒップホップをクロスオーバーさせたDog Eat Dog等と共にラップ・コアという存在を全米に轟かせた彼等。
その後メンバーチェンジ等もあり低迷した時期があったが、99年リリース「High Definition」で再ブレイク。
こちらは初期のストレートなサウンドから格段に進化しており、ポップス、ファンク、フュージョン要素までクロスオーバーされている名盤。
しかしこのアルバムの発表後、彼等は突然の解散。そして数年後の再結成。
海外バンドあるあるである。
09年に「One」という復活アルバムをリリースして以来これといった活動は見られないが、もし今の彼等が新作を発表してくれたら一体どんなジャンルとクロスオーバーしてくれるのか。
気長に彼等の活動を見守りたい。
そういえば筆者のバンドNoGoDも新メンバーが加入し、非常に面白いクロスオーバーをしている。
元々色々なジャンルが交じり合っていたが、ここに来て更なる進化をしている。
その片鱗は11月25日からの実に2年9ヶ月ぶりとなる新体制お披露目ツアー&会場限定シングルで感じてもらいたい。(どさくさにまぎれた完全な告知)
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