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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第17回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第17回

「プログレ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
音楽の世界では度々出てくるワードだ。
Progressive(プログレッシヴ)とは本来「進歩的」「進行形」「漸進的」等を示す言葉である。
この言葉がロックと結びついたのが1960年代後半頃。
イギリスでPink Floyd、King Crimson、Yes、Emerson, Lake & Palmer等が従来のロックの枠を逸脱し、実験的で独創的かつ前衛的な音楽を目指したのがムーヴメントのきっかけだ。
このプログレッシヴ・ロックと、同時期に同じくイギリスで確立されたヘヴィ・メタルというジャンルが融合して80年代頃に確立されたのがプログレッシヴ・メタルだ。
一口にプログレ・メタルと言っても音楽性やスタイルは多種多様なのだが、
一番有名なバンドは「Dream Theater」だろう。
プログレ=ドリムシと言っても過言ではない。それくらいシーンに貢献し、未だに膨大なフォロワーを産み出し続けている偉大なバンドだ。(かく言う私がやっているNoGoDというバンドもその一つ)
そして、ここ数年プログレ・メタル内での勢力を広げてきているのが「Djent(ジェント)」と言われるジャンルだ。
スウェーデンの老舗メタル・バンド「Meshuggah」の独特のサウンドが話題になり、フォロワーが続出。現在Djent系の若手のアーティストがメタル業界を席巻している。
実際どういうサウンドなのかと言うと、文章では非常に表現しづらいのだが......。
猛烈にダウンチューニング(基本8弦ギター)、とにかく複雑なリズムと曲構成、歯切れの良いゲート感強めの硬いサウンド、バス・ドラムとリフの打点は兎に角ユニゾン、etc...。
(YouTube等で「Meshuggah」「Bleed」辺りを視聴して頂けたら分かるとは思うが、非常に上級者向け)


彼らの前衛的なサウンドに影響を受けたPeripheryやAnimals As Leaders等の新世代Djentヒーロー達が00年代にブレイクし、若者に広く浸透していったのだ。

ここで一旦整理しよう。
プログレとは時代ごとに変わって来たジャンルだという事。

60~80年代のシアトリカルで美しい部分、
90年代~現在のテクニカルで激しい部分、
今やどちらもプログレを語る上で外せない要素だ。

今回も非常に前置きが長くなったが、
一見水と油の今昔プログレ要素を絶妙なラインでブレンドした、
新時代のプログレ注目株を紹介したい。


Foreword / DispersE


ポーランドの新時代ギター・ヒーロー Jakub Żytecki率いる新進気鋭のプログレ・メタル・バンドだ。
彼らのサウンドの特徴は 、ギター・スタイルこそDjentを基調としながらも、本来プログレ・ロックが持っていた美しさや浮遊感をブレンドし、現代向けに非常に高いクオリティで表現している所だ。
このバンドは静と動の使い方が秀逸だ。
リズムだけ聞いていると本当に複雑すぎて気分がおかしくなりそうなものなのだが、
メロディーやサウンドの美しさ、世界観が絶妙にマッチし、中和してくれる。

プログレ・メタルはやかましくて聴けないと思っているプログレ・ロック・ファンの先輩方も、
「俺はうるさいのしか聴かないぞ」という激ロッカー達も、
どちらも満足させられるプログレ・バンドがこのDispersEではないかと私は考える。

もし「もうちょいポップなら......」「日本語が良いなぁ」と思った方はNoGoDを聴いてみると良いと思う。割とマジで。(宣伝)

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