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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第7回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第7回

このコラムは完全に個人の趣味に大変偏った内容である。
にも関わらず、知人のバンド関係者に「コラム読んだらそのバンド気になっちゃって、CD買っちゃたよ」と言われた。
私の拙い文章がきっかけになったのなら、それは非常に嬉しいことだ。
なので今回もコアでニッチで、でも猛烈にカッコいいアーティストを張りきってご紹介。

Violence / Nothingface
90年代中期からのNu Metalムーヴメントの中でも指折りの実力派バンド。当時のシーンに多大な影響を与えた彼等だが、何故か日本での知名度は低い。
1993年ワシントンD.C.で結成されたNothingface。1995年にマット・ホルトをヴォーカルに迎え、自主制作盤「Nothingface」をリリース。この時点で既にクオリティが尋常では無い。
1997年デビューアルバム「Pacifier」、1998年2nd「An Audio Guide to Everyday Atrocity」とコンスタントに良作を発表していく彼等は、以前コラムでも紹介したHelmetやインダストリアルメタルの先駆者Ministry等強豪バンドとツアーを回り着実に実力を伸ばしていく。
そして今回紹介するのが彼等の2000年リリース3rd「Violence」だ。
猛烈に唸るグルーヴに絡みつく強烈なヘヴィネス。複雑なリフや飽きさせない曲展開、難解な変拍子を支える演奏陣の確かな技術とセンス。そしてマットの天才的とも言える咆哮とメロディ運び。まさに彼らの集大成とも言えるアルバムだ。実際このアルバムは彼等のキャリア至上最大のセールスを記録する。
この年、彼等はMetallicaやSlayerの出演で話題にもなった「TATTOO THE EARTH」ツアーに出演し世界中にその名を知らしめた。

その後ドラムとベースが立て続けに脱退するも、そんな窮地を物ともせず、2003年には4th「Skeletons」をリリース。同年のOzzfestにも出演し、彼等の未来は順風満帆に見えたが、翌年の2004年、音楽性の違いやレーベルとの確執等の理由により彼等は突然解散した。

だが2005年に突然復活、配信シングルを発表。ツアーも行った。
しかしこの頃、バンドの中心人物であるギターのトム・マックスウェルは元Panteraの故ヴィニー・ポールのバンド Hellyeahとしても活動しており、Nothingfaceの新しいアルバムは中々発表されなかった。

度々制作している事をSNS上で発信していたものの、結局2009年に二度目の解散。
とは言え、またいつか再結成してくれるのではないかと心の何処かで期待している自分が居たが、マックスウェルは2016年に「ホルトとはもう何もない。コミュニケーションはないし、願望もない」とインタビューで答えている。
その翌年2017年4月15日、マット・ホルトが闘病の末にこの世を去ってしまった。
もう二度と、Nothingfaceの音を生で聴く事は叶わなくなった。

だからこそ今、彼等の音源を聴いて欲しい。
我々アーティストは肉体が滅びようとも感動と衝撃を与え続けられる、特別な存在なのだから。

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