COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第2回
全国1億2000万人の激ロッカーの皆様、
明けましておめでとう御座います。
皆様は年末年始は如何お過ごしでしたでしょうか?
テレビなんかで歌謡祭的な物をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
そして改めて認識せざるを得なかったことでしょう。
「カラオケ、口パク、代り映えの無い面子ばっか出ててつまんねぇなぁ......」と。
ロックバンドが余りにも地上波テレビに出ない。
一番影響力のあるメディアであるテレビにここまで激ロックなバンドが出ないと、
もう私なんて刺激が足りなくて足りなくて。
年越しそばに入れる七味唐辛子の量も必然的に増えてしまった。
そんな刺激を求めて止まず、この冊子を手に取った皆様に、
今回も激ロックな一枚をご紹介したいと思う。
Meantime / HELMET
ヘヴィメタルからオルタナ・グランジへ時代が変わりつつあった90年初頭、従来のメタルやハードコアでは出せない、新しいヘヴィネス、新しいラウドロックをVo/Gtのペイジ・ハミルトンが提示したHELMETというバンドのメジャー1stアルバム。
当時としては珍しいダウンチューニングや変拍子、お洒落なコードを駆使した特殊なギターフレーズ、跳ねてはいるが重いビート、うねるグルーヴ、何もかもが他のバンドとは一線を画していた。
このペイジ・ハミルトン、音楽学校で本格的にジャズやクラシックを学んでいるインテリ派。更にSONIC YOUTH、BIG BLACKなどに影響を受け、ガレージロックなどをベースに、よりヘヴィでラウドで硬質的だが計算された構築美をもった唯一無二のサウンド・HELMETになっていったようだ。
そしてこのサウンドをより強固な物にしているのがDrのジョン・スタイナーの存在。
超絶テクニック変態バンドで有名な現BATTLESのDrとしての方が今は有名。
彼等が後世のラウドロックやモダン・ヘヴィネス勢に与えた影響は測り知れない。
DEFTONES、KORN、LIMP BIZKIT等もHELMETの影響を受けているんじゃないだろうか。
インディ盤の「Strap It On」はカオティックで良いし、メジャー2ndの「Betty」もモダンで格好良い。
だが3rd「Aftertaste」制作中、売れ線に走ったサウンドになったとメンバーが脱退。
結果翌年バンドは解散。
だがしかし2004年にANTHRAXのフランク・ベロ、ex.EXODUS、ex.TESTAMENT等のジョン・テンペスタといった夢のメタルアーティストと共にアルバム「Size Matters」で電撃復活。
だがこの頃には既に彼等が作ったモダン・ヘヴィネスが世の中に確立されてしまっており、サウンド的にも目新しい提示が出来ず、あまり話題にならなかった......(私は大好きです)。
だがしかし、今でも定期的にリリースを続けている彼等に敬意を払いつつ、時代を変えた激ロックな名盤「Meantime」を是非聴いてみてほしい。
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