coldrain 2021.02.21 ＠新木場USEN STUDIO COAST | 激ロックライヴレポート

2021.02.21 ＠新木場USEN STUDIO COAST

Writer 荒金良介　Photo by ヤマダマサヒロ

"coldrain SETLIST ELECTION 2021 DAY2 2014-2019"

ファン投票でセットリストが決まる"SETLIST ELECTION 2021"。前日の"DAY1 2008-2013"を終え、この日は"2014-2019"縛りの新木場USEN STUDIO COAST 2日目を迎えた。SEが流れ、"やっちゃいますか？飛ぶぞ、お前ら！"とMasato（Vo）は煽り、この日は「ENVY」で火蓋を切った。"もっと行けるだろ！？"と問い掛けると、「FEED THE FIRE」の後半にはクラップが起こり、早くも会場は一体化する。次の「RUNAWAY」に入ると、前日以上にフロアの熱が高いことを感じた。曲中に"今日はお前らの腕が声だから！"と言葉を掛け、シンガロングできない代わりに全身でリアクションしてくれ！と訴えるMasato。

「DIVINE」においても攻撃の手綱を緩めず、重心の低いサウンドで容赦なく畳み掛ける。これぞcoldrain！と快哉を叫びたくなる怒濤の攻めっぷりだ。それから一転、イントロからクラップが起きると、「THE SIDE EFFECTS」に雪崩れ込む。赤と青の照明で半々に区切られたステージに目を奪われつつ、後半にY.K.Cの流麗なギター・ソロも冴え、ドラマチックな展開に興奮するばかりだ。

"ライヴをやれることが幸せ。ワンマンのcoldrainはひと味違うから、それを証明する！"と言い切ったあと、「EVOLVE」に繋ぐ。だが、MCで言葉を言い切れないまま曲に入ったとMasatoが詫び、仕切り直して再度演奏。超ゴリゴリの演奏に加え、天を突くメロディの高揚感も秀逸で、暴れたい衝動を必死で抑える自分がいた。

"速いやつが好きなやつ？"と声を掛けると、「Fire In The Sky」をプレイ。Masatoの野獣ヴォイスはLAMB OF GODのRandy Blythe（Vo）を彷彿させ、ブレイクダウン・パートも破壊力満点だ。「COEXIST」、「R.I.P.」を経て、"最新作の投票が多くて嬉しい。いつか週刻みで、アルバム再現ライヴをやってみたい"とMasatoが言うと、"オジサンだから、100曲覚えられない"とRxYxO（Ba）は苦笑していた。この流れで最新アルバム（『THE SIDE EFFECTS』）収録のバラード「JANUARY 1ST」へ。Y.K.Cはアコギを爪弾き、Masatoは憂いのある歌声を存分に披露。ちょっと声が掠れ気味のパートもあったものの、哀切なメロディに酔いしれたのは言うまでもない。そのあとに「SEE YOU」、「LI(E)FE」、「PRETTY LITTLE LIAR」まで投下され、企画的なワンマンらしい選曲に思わず唸った。

剛腕リフが火を噴くと、次は「MAYDAY」だ。途中でCrystal LakeのRyo（Vo）が参戦し、Masatoと渾身のスクリーム対決を繰り広げ、これには場内も大沸騰。それから「Aware And Awake」、「F.T.T.T」と繋げ、全霊を投げ打つ演奏で観客の余力を奪い去り本編を無事に終了した。

アンコールで再びメンバー5人が姿を見せ、"心で感じてください"と言うと、「Vena」を披露。再び前傾姿勢の猛ダッシュぶりを決め、「Wrong」では"気持ちが聴こえるぞ、東京！"と曲中にも声を掛け、coldrainは心と心で積極的に繋がろうとするスタンスを崩さない。「Gone」においても両者が火花を散らし、高みへと向かうエネルギーをひしひしと肌で感じた。そして、この日のラストは「REVOLUTION」が炸裂。ここにいる観客の思いをすべて背負い、音楽で、歌声で、何かしらあなたの力になればいい。そんな気持ちを爆発させた鬼気迫るパフォーマンスに魅せられた。

コロナ禍のガイドラインに沿い、普段のライヴとは一線を画した景色が広がっていたものの、そこで音楽から貰うエネルギーが減少することは断じてない。そう言い切れるほど、バンドと観客が心で溶け合う濃密な空気がここにはあった。