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INTERVIEW

ACME

2024.05.14UPDATE

2024年05月号掲載

ACME

Member:CHISA(Vo) 将吾(Gt) RIKITO(Ba) HAL(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

ここまでやったら、次に何をやっていいかわからないくらいです(笑)


-ところで。この"PARTY METAL ANTHEM"という曲タイトルは、HALさんが歌詞を書かれている中で思いつかれたものだったのでしょうか。それとも、練りに練って作られたものでした?

HAL:ひらめきでしたね、このタイトルは。歌詞の中にこの言葉が出てくるわけではないんだけど、ちゃんと曲の雰囲気を表したものになったと思います。

CHISA:HALさんがこの曲のことを想いながら想像してた光景が、きっと"PARTY"だったんだろうね。

HAL:そうそう。"灰になるまで心を燃やして"っていうくらいに、お客さんたちも全力でワーッと盛り上がって、最後は"みんなよく頑張りました!!"ってハッピーになれる感じの空間を思い浮かべてたんです。

-かつて、オーセンティックなメタル・ファンはLAメタルやヘア・メタルを邪道なパーティー・ロックだと言って散々批判した過去がありますので、人によっては"「PARTY」と「METAL」を一緒にするな!"と感じる人がいる可能性もありますが、個人的にはアルバム・タイトルとしての"PARTY METAL ANTHEM"は大変キャッチーで良いと思います。

CHISA:へー、そんなことがあったんですね。

HAL:メタルだからこうでなきゃいけない、ロックだからこうしなきゃいけない、なんていうのはどうでもいいよねっていうのが、まさに"PARTY METAL ANTHEM"ですね。とにかく楽しくやろうぜ! みんなで楽しもう!! っていうことなんですよ。だから、実はメッセージ性があるように見えて、「PARTY METAL ANTHEM」の歌詞もそんなに深い意味とかないんですよ。難しいことなんて考えなくていいというか。ACMEにとっての"METAL"というのは、自分たちが楽しいと思うことを好き勝手にやることなんじゃないかなと僕は考えてます。

-つくづく、ACMEというのは自由な発想に基づいて動いているバンドですよね。よくよく考えると、リード・チューン「PARTY METAL ANTHEM」は、"METAL"と名乗っていながらギター・ソロはひと欠片も入っておりません。この潔さには感心します。

将吾:あぁもう、この曲にギター・ソロなんていらないです。

-またずいぶんと苦虫を噛み潰したような表情をされるのですね(笑)。

HAL:メタルといえばギター・ソロ、みたいなところも世の中的にはあるのに(笑)。

RIKITO:たしかに。今でもそういう傾向はあるよね。

将吾:俺、そっち系のメタルはちょっと(苦笑)。変にギター・ソロを入れるくらいなら、ブレイクダウンやりたいし。といっても、ギター・ソロが全部いらないっていうわけではないんですよ? この曲にはあったほうがいいな、っていうのもあります。

HAL:このアルバムの中には「黄昏」っていう曲が入っていまして、それのギター・ソロはすごくいいですよ。あれ、めちゃくちゃカッコいいんです。

-「黄昏」はHALさんが作詞作曲をされた、フォーキーでチルいバラードですよね。

将吾:そう、あれはギター・ソロが必要な曲。

-ちなみに、アルバムの最後を締めくくっている新曲「カノン」にもドラマチックなギター・ソロが入っておりますけれど、この曲はどのような経緯で生まれたのですか?

CHISA:これは時期で言うと「ウルフヘズナル」や「黄昏」とほぼ同じ頃にできていた曲で、出すタイミングを見計らっていたんですよ。ACME=メタルコアっぽい激しい音楽をやってるバンドっていう印象を大事にしたい気持ちもある一方で、ACMEの持っている、それとは別の一面がこの曲では出ていると思います。

-この開放感ある歌モノぶりは、単なるメタル・バンドには出せないものでしょうね。

HAL:ドラマーとしても、この曲ではヴォーカルを立たせて気持ち良くさせるっていうことを重視してました。......あれ、俺なんか変なこと言ってる気がする。"立たせて気持ち良くさせる"って、表現として大丈夫ですかね???

一同:(爆笑)

-問題ないかと思います。お続けください(笑)。

HAL:まぁ、この曲もライヴでやったときのことを考えながらレコーディングしてましたね。歌が響く気持ちいいところにちょうどスネアが来るようにとか、テンション的にこういう感じがいいだろうな、っていうことを意識してたんです。

RIKITO:「カノン」は僕も気持ち良く弾けた曲でしたね。自分の出したいフレーズをそのまま形にすることができました。そして、たぶんこの曲はアルバムと同様にライヴの最後に持ってくることで、気持ち良くライヴを終えることができるんだろうな、っていう予感もしてる曲でもあります。

将吾:アルバムとして、この曲を最後に持ってきて"締まった"感はあるよね。CHISA君の個性が出てる明るい曲だなと思います。あと、ギター・ソロもちゃんと入ってるし(苦笑)。あれは俺の持ち味を出したというより、曲の持ち味を映えさせるためのソロです。

-そこでまた少し渋い表情になるあたりが、将吾さんの素直なところですね(笑)。

将吾:これもソロいるよね......って思ったから弾いただけなんで。それも、ちょっと明るめのギラギラした感じがいいんだろうなぁということで弾きました。

-そうした音の面だけでなく、詞の面でも「カノン」は秀逸です。6曲目の「百色輪廻」からの流れを受けているような印象で、とてもきれいな展開になっていると感じます。

CHISA:実は、「カノン」の歌詞では「百色輪廻」とか「PARTY METAL ANTHEM」とか、このアルバムの他の曲たちの詞の中で"問うてること"に対して僕なりのアンサーを書いてるんですよ。

HAL:そうやったんや、知らんかった!

RIKITO:今、初めて知りました(笑)。

CHISA:今、初めて言いました(笑)。

将吾:CHISA君、すごいなぁって感心しますねぇ。

-とにもかくにも、ACMEにとって今回のアルバムはいろいろな意味で、このところの歩みを総括した意義深いものへと仕上がったようですね。

HAL:今現在の我々、ACMEのいいところをすべて詰め込んだ全部乗せなアルバムになりました。もうここまでやったら、次に何をやっていいかわからないくらいです(笑)。

RIKITO:わかる。これ以上のものってあんのかな? って完成したときに感じました。

CHISA:そういうアルバムに"PARTY METAL ANTHEM"と名付けたが故に、いい意味で今回はいろいろな議論を呼ぶことになりそうで、僕としてはそこもなかなか面白いなって思ってるんですよ。

将吾:あとは、とにかく「PARTY METAL ANTHEM」を早くライヴで演奏していきたいです。今からすごい楽しみ。

-ここから始まっていく"ACME 7th Anniversary ONE-MAN Live Tour 2024 -Burning soul till die-"は、ツアー・タイトル通りのものになりそうですね。

HAL:「PARTY METAL ANTHEM」なんかは特に、みんなの声が入って初めて完成する曲だろうし。ぜひみんなで魂を燃やしていきましょう。

CHISA:意外と「百色輪廻」もまだライヴでは2回くらいしかやってないから、ほんとに今度のツアーではファンのみんなとやっていきたいことがいっぱいあるんですよ。そうやってライヴを重ねていったときに、自分がどういう気持ちになるのかも楽しみです。