MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

PassCode

2020.12.22UPDATE

2020年12月号掲載

PassCode

メンバー:南 菜生 高嶋 楓 大上 陽奈子

インタビュアー:吉羽 さおり

PassCodeはライヴに育ててもらった。自分たちがライヴをする人間として何かできることがあればと思った


-そして昨年リリースしたメジャー5thシングルの「ATLAS」も収録されましたが、こうしてアルバムに入るとまた雰囲気が変わって。この曲で、PassCodeがまた新しい1歩を踏んだんだなというのがよりわかる曲ですが、今この曲の捉え方、感触って変わりましたか?

南:リリースした当時よりも、ライヴでの映え方がいいな、華やかだなって思いましたね。PassCodeのライヴのイメージって結構、色味で言うと暗い青だったり、バチバチの照明のときもあったりするんですけど、どちらかというと明るい開けた色というよりは、暗めな印象が多かったんです。でも、「ATLAS」がセットリストに入ってくることで、開けて、明るくなるような印象があって。今年1月の新木場STUDIO COAST("CLARITY Plus Tour 19-20")のときは1曲目に披露をしたんです。いつものライヴではかっこ良くバチバチにキメた1曲目が多いんですけど。「ATLAS」で始まったとき、単純にすごく楽しかったんです。こういうのもいいんだなって思えたので。「ATLAS」を出してから、ライヴのやり方もそうですし、自分たちの曲への向き合い方にしても変化がありました。「ATLAS」を出せたからこそ、こういうアルバムができたんだなって思えてます。

-ライヴでもお客さんをぐっと掴んで一体感を生む曲でしたね。また、新たな一面を感じるのが「Stealth Haze」で、クールな曲調はもちろんですが、これだけシャウトのパターンっていろいろあったんだなって、PassCodeの進化を見せる曲です。

南:そうですね。この曲と「Yin-Yang」をレコーディングの最終日に録って、最後の最後ギリギリに詰め込んだものなんですけど(笑)。仮歌を聴いたときから、夢菜が"シャウトがヤバい"ってずっと言ってたので。どういう出来になっていくのかなって思ったら、さらにパワーアップしたというか、声のバリエーションが広がっていたんです。普段、夢菜がシャウトの練習をしているところはあまり見ないので。実際にライヴで、今こんな感じなんだなっていうことが多いんですけど。この曲では、今までライヴでやってきたことが、すべて詰め込まれているなって思いました。これもまた、ライヴでやったらどんなふうになるか楽しみですね。

-そして10月にリリースした先行シングル「Anything New」は、アルバム・バージョンの「Anything New -PrayInTheSky Edit-」となって。高揚感のあるコーラスが加わりました。

大上:シングルとして配信したときに、"みんなの声を力に!新曲「Anything New」をスマホでシンガロングしよう!"という企画をしたんです。それでファンの方の声を募集して。その掛け声のところを歌ってもらったものが、今回アルバム・バージョンとして収録されているんです。ファンの方も記念にもなって、面白いかなって思います。

南:「Anything New」もライヴで段々とやるようになってきたんですけど、ライヴ映えする曲だなって、やってみてびっくりした部分もありました。今は、ライヴではみんなのシンガロングが聞けないですけど、どんなふうになるんだろう、聴いてみたいなって思っていたものを、こうしてアルバムで聴くことができて。自分たちも、この曲はこういうふうになっていくんだなという道筋じゃないですけど、ここを目指していけばいいんだなって安心感がでましたね。このシンガロングがライヴという場で聴ける日まで、一生懸命走り続けられたらいいなっていう。アルバムと配信シングルとで比べて聴くと、感じが違うので、楽しんでほしいです。

-このコーラス、シンガロングがあってさらにスタジアム感が出るというか、広がりのある景色を感じることができますね。

南:そうですね。シングルで出したときよりもさらに開けた感じがして、広いところでやってるのが想像できるような曲になってきているなって思います。

-そして、アルバムならではだなというのが、ピアノを基調としたメロウでポエトリーな「yours」です。

南:「yours」はもともとラジオ番組"PassCodeのオールナイトニッポン0(ZERO)"で、サビのメロディだけあって、それに南が作詞をするという企画が始まりで。サビはほとんど歌詞をいじっていないんですけど、他の部分も完成させてできあがった曲なんです。まさかこういう感じの曲になると思っていなかったですね。最初にデモがきたときは──"平地語"っていう、作曲の平地さんが適当に英語っぽく歌っているメロディがあるんです。意味はなくて、語感やノリを伝えるためのメロディなんですけど、この曲英語で歌詞書くの? って思って。

高嶋:難しいね(笑)。

南:英語は無理だって思って焦って連絡したら、日本語でいいよって言ってもらったので、そこで安心した部分はあったんですけどね。この曲も、以前のPassCodeだったら歌えなかったような曲だろうなって思います。自分は歌詞を書いているので、感情移入がしやすいけど、メンバーがちゃんと気持ちを乗せて歌えているのが、今までやってきたことが現れているなって感じました。

-この「yours」では、南さんは歌詞にどんな思いを込めようと?

南:以前「horoscope」(『CLARITY』収録曲)で書いたときより、やり方がわかってきた感じがしていて。この「yours」は特に、完成した歌詞と、もうひとつ別のPassCodeに当て書きしたような歌詞も一緒に提出していたんです。PassCodeに当て書きした歌詞のほうが、メンバーが歌いやすいのかなって思ったので、急遽書いたんですけど。結局歌のノリとかが、今の曲のほうが気に入っているので。それを歌いこなしてくれるメンバーに感謝だなって思います。

-そのPassCodeに当て書きした歌詞は、どういうものですか? この4人で重ねてきた時間を描いたようなものだったんですか?

南:そんな壮大なものじゃないんですけど、もっと穏やかな感じで。大阪から東京に移動する車の中でのみんなの雰囲気とか、そこから見た景色とか、今の歌詞にも残っている部分はあるんですけど。そういう普段のPassCodeみたいなものを書いている歌詞だったんです。でも、結果的に、PassCodeのことを歌ってる曲って今までもたくさんあるなと。新しい感じがするのは今の歌詞だったんじゃないかなって思います。

-南さんが書いた歌詞ということで、みなさんはどう解釈して歌ったのでしょう。

大上:最初に歌詞がきたときは、南の歌詞って知らされてなかったんですけど、すぐわかった(笑)。ワードが普段のPassCodeの曲にはないものだったので。PassCodeに当て書きしたっていうもう1個も聴いてみたかったですけど、いつもと違う雰囲気の曲が歌えてすごく嬉しいなって思ったし。ほんと、ワードが良かった。コーラとかアイスとか出てくるんですけど、普段のPassCodeの曲ではあまりない感じで。

南:それだけ聞くとなんか(笑)。

大上:PassCodeの気持ちを歌った曲って自分たちは歌いやすいし、似たような境遇の人や、同じことを思っている人が聴いたときに共感はできると思うんですけど。やっぱりみんなも常に戦っているわけではないじゃないですか。ずっと気を張ってるわけじゃないし。ふと気が抜けたり、静かな気持ちや、感傷的な気持ちになれたりする曲だなって思うので。アルバムに入ったときにすごくいいなと。ライヴでやったら雰囲気がガラッと変わりそうやし、肩の力を抜いて歌えそうやなって思います。

-そして、最後の曲が「Remnants of my youth」。前の「GOLDEN FIRE」からの流れもあって、最後にまた力が入る、力が湧くような曲になりましたね。

大上:アルバムの締めくくり感もあるし、でも、次の作品へ続きますよ~感もあっていいかなっていう。

南:意外と、ラストに激しくなっていくパートまではこのアルバムで一番アイドルっぽいというか、メロディのかわいらしさや底抜けな明るさがあって。今まではPassCodeでミディアム・テンポ系の曲やメロのいい曲を出したとしても、暗い部分や、しっとりした部分があったんですけど。この曲はポップで、元気でみたいなのがあって。アルバムにこういう曲が入っているのは面白いなと。アルバムだからこそできる曲ってあるんだなと思います。

高嶋:メンバーも仮歌を聴いたとき、"ん?"ってなったよね。最初と最後で違う曲始まったかなっていうくらい変化があって。

大上:あの最後のパートがあるからこそ、アルバムのラストに持ってこれたのかなっていうね。

高嶋:早くライヴでやってみたい曲ですね。

-こういう明るいポップな曲っていうのに、抵抗感はないんですね。

高嶋:最近はそういうのはなくて、「ATLAS」が馴染んできたからかな。

大上:『ZENITH』を出したときは、別にこういう曲はいらないかもっていう感じだったんですけど。今は、違和感はないかな。

南:攻めだけでいいやって思ってたよね。『ZENITH』の頃はオラついてたんです(笑)。メジャー・デビューしたてで、なめられたくないとか、見せつけてやるとかっていう気持ちが強かったので、"かわいい曲とかいらんし"っていうほうが強かったですね。今はPassCodeとしての見せ方が変わってきたんだなって思っていて。今回のアルバムはいろんな遊びがあるうえで、PassCodeのベストが出せているなって感じます。

-改めて、まだ今まで通りとはいかないものの、現状のライヴとしてはどんな感じですか?

南:でも、このコロナ禍で初めてライヴをやったときよりも、今のほうが......できないことはもちろん多いですけど、PassCodeの普段のライヴに近づいていってるなって思いますね。熱量や雰囲気の面で言うと、戻ってきているなという感覚はあります。8月に横浜でやったときもそうですけど、声が出せなかったり、フロアでぐちゃぐちゃになれなかったりは引き続きあるんですけど、お互いができることのなかでライヴを良くしようっていうのが伝わってきて。すごく笑顔でライヴを見てくれているのがマスク越しでも伝わってくるんですよね。思っていたよりもやりやすいと言うとおかしいですけど、意外と自分たちらしくライヴができているなって思ってます。

-8月の横浜でのライヴの時点では、周りもそこまでライヴを再開していなかった状況だったから、あそこでやると決断してステージに立って、MCでも自分たちは意志を持ってここでライヴをスタートさせるんだと宣言したことが、すごく感動的だったし、PassCodeの思いがすごく伝わるライヴだったなと思うんです。ライヴをやる決断は、勇気がいったのでは?

南:PassCodeはライヴに育ててもらったグループなので、自分たちがライヴをする人間として何かできることがあればなって思っていたんです。あの8月の段階ってまだ、ライヴをしたらダメな雰囲気も強くて。きっと観にきてくれる方も、ライヴに行くことに抵抗があるなかで、それでも、PassCodeがやるって言ってるから行くんだっていう決意を持って来てくれたと思うんです。それを無駄にしたくないなって感じたし、PassCodeでこのライヴの流れを止めたらダメだなって。今日できたからOKじゃなくて、この先ずっと続けていけなければ、ライヴが戻ってくることもなくなっちゃうなって思ったので。ピリピリはしてたんですけど、楽しかった。あのタイミングでライヴができてすごく良かったなって思います。

-PassCodeの姿勢を見せられたなという思いでした。そして、武道館公演も決まったそうですね。

南:最初は2021年にやるという約束だったんですが、2022年2月12日に決定しました。"CLARITY Plus Tour 19-20"のファイナル公演の新木場STUDIO COASTで、2021年にやるって発表したんですけど、その1月のライヴの時点ではまさかこんな状況になることがわかっていなかったし。自分たちが思い描いていた2020年とはまったく違う1年になって。自分たちはみんなに約束をしたけど、それが叶えられるのかなという不安もあったんです。少し遅くなってしまうんですが、2022年にできることが決定しましたので。ひとまず良かったなって思います(笑)。

大上:ひと安心だね。

高嶋:本当に良かった。

南:もちろん武道館でやってみたいというのはメンバーもあったんですけど、それ以上に、PassCodeを支えてくれている人たち、応援してくださってる方たちに、武道館でやっているPassCodeを見てもらうことが、PassCodeがみんなに返せるもののひとつなんじゃないかなって思っていて。いろんな人に、感謝を伝える機会にできたらいいなって考えてます。

-特別なライヴになりそうですね。

南:武道館でライヴをさせてもらうのがまだ不思議で。逆にいうとアリーナとかのほうが想像できるような気がしています。武道館って、いろんなバンドが目指している場所じゃないですか。でも、だからといってみんながみんな立てる場所じゃないし。Zeppツアー("PassCode Zepp Tour 2019")をやったときもそういう感覚がありましたね。みんなやりたいけど、できない人たちもいるなかで、PassCodeは立たせてもらって。今こうしていれることはすごくありがたいし、幸せなことだなっていうのを、改めてライヴができない期間に考えていたので。PassCodeはずっと続けていくものだと思っていなかったというか、好きでやっていたものだから、こうして仕事になると思っていなかったんです。メジャー・デビューするくらいから、PassCodeというものが、音楽が仕事になって、それでご飯が食べられるようになって。自分たちの中でも、そういう変化がライヴのやり方や人との向き合い方に大きく影響をして、変化があった時期だなと持っています。いろんな人にずっと支えられているんですよね。だから、グループとしては約8年、メジャー・デビューして4年。その期間支えてくれた人たちみんなに見てもらって、PassCode応援して良かったなとか、PassCodeに協力して良かったなとか、PassCodeと関わって良かったなって思ってもらえれば嬉しいなと思います。