INTERVIEW
G-FREAK FACTORY
2019.05.06UPDATE
2019年05月号掲載
Member:茂木 洋晃(Vo)
Interviewer:荒金 良介
この曲ができたことで、さらに違うタッチとか、新たなことに挑戦できるんじゃないかと思う
-対して「Fire」はストリングスを効果的に取り入れた曲調で、ブルージーなギター・ソロもいいアクセントになってますね。
ブルージーな感じがいいですね。曲もポーンと湧いてきたので、それは「FLARE」とは真逆でしたね。これは昔から思うことだけど、今の時代にこうして生まれて暮らしていることは......過去と切り離せないわけで、テーマはそこでした。戦争、震災とか、本当はない方が良かったものだけど、どうしてもそういうことが起きてしまう。だから、そこに火を灯して、どうやって進むべきなのか。過去と繋ぎつつ、この曲も未来の歌になってくれたらいいなと思って作りました。寂しい歌に聴こえるかもしれないけど、極めてポジティヴですから。
-この曲はポジティヴなメッセージが詰まってますよね。マイナスをいかにプラスにするかという。
みんなそういうふうにやって生きてきたと思うし、これからもそうありたいですからね。曲ができた瞬間にすげぇ曲ができたなって手応えはありました。それは「ダディ・ダーリン」(2016年リリースの4thシングル表題曲)、「EVEN」(2012年リリースの2ndシングル表題曲)ができたときと似てるんですよ。
-その手応えというと?
いい曲というか、自分の好きな曲ができたという感触なんですよ。G-FREAK FACTORYで今まで触れてこなかったところに、やっと行けたという実感があるんですよね。例えばサビで言葉をまくし立てるようなパートは過去の曲になかったし、そこにレゲエ・テイストも感じられて。「EVEN」は歌がメロウで楽曲がレゲエだったり、「ダディ・ダーリン」はレゲエを完全に無視してフォーキーなテイストが入れていたりしたけど......今まで"これがG-FREAK FACTORYです!"というものを残せたことがなかったから、この曲で"G-FREAK FACTORYの真ん中"ができたなと感じました。そういう意味で手応えを感じたんですよね。この曲ができたことで、さらに違うタッチとか、新たなことに挑戦できるんじゃないかと思います。
-なるほど。3曲目の「GOOD OLD SHINY DAYS」も懐かしい香りがするというか、仮タイトルが"OLDIE"だったそうですね。
オールディーズみたいな曲をやりたくなったんですよ。僕らが昔遊びに行っていたクラブではパンクとオールディーズばかり流れてましたからね。
-地元群馬のクラブで?
うん、田舎だったから、ロカビリー文化も根強かったです。オールディーズが身体に染みついているんでしょうね。たまに聴くと、すげぇいいなぁと思うし。それで温かい曲を作りたくなったんですよ。古き良きというか、当時フレッシュだった初期衝動とか全部ひっくるめて、眩しい日々を過ごしましたからね。今もあとになってから"あのときは良かった"と思える日々にしたいです。
-「GOOD OLD SHINY DAYS」の"だれかと違う 何かを 探す旅へ"という歌詞は、「FLARE」に通じる部分もありますね。
あいつがそっちに行くなら俺は違う方に行くみたいな、そういう捻くれ精神は未だにありますからね。だから、誰っぽいと思う曲はすぐにやめちゃうんですよ。唯一無二でいたいですね。
-90年代はそういうバンドばかりでしたよね、似た音楽性がふたつといなかった時代で。
そう! それですげぇものができたり、だからこそ、苦しんだりした時代だと思うけど。例えばTHE BEATLESが60年代にあれだけの音楽を作って、あれを超える存在のバンドが出てきてないじゃないですか。線ではなく、点では超える人はいるかもしれないけど......これだけレコーディング技術が進歩してもまだTHE BEATLESを超えるような存在は出てこない。だから、THE BEATLESと同じ年代のアーティストも改めて聴きました。Bob Marley、CREAM、KING CRIMSONとかそのへんを聴いて、やはりすごいなと。
-では、最後になりますけど、今年も"山人音楽祭"が昨年に引き続き2デイズで開催されます。昨年の初の2デイズを振り返っていかがですか?
過去に味わったことがないくらいにすっごく疲れましたね。朝会場を見て回り、そのあと仲間のライヴも観たりして、途中で頭がポーッとなっちゃって。あんなに気持ちいい疲れは久々に味わいました。
-今年の"山人音楽祭 2019"(9月21日、9月22日にヤマダグリーンドーム前橋で開催)はどんな気持ちで臨もうと思ってます?
令和になって初めての"山人音楽祭"ですからね。"GUNMA ROCK FESTIVAL"は3回で終わったけど、"山人音楽祭"は今年で4回目を迎えますので、今年はもっと地元と連携できたらいいですね。今、前橋が活性化してるんですよ。"こんなにエネルギーがあるんだ!"と思って。オープンカフェができて、そこに人が集まったりしてるんです。街を歩いていると、焼き鳥屋のお兄さんから呼び込みの声を掛けられたりして、すごく可能性を感じてるんですよね。だから、"山人音楽祭"に遊びに来て夜は行くところがないという人に対しても、街ぐるみでフォローしてくれたら嬉しいなと思います。
-より地元と密着することで、それが町おこしにも繋がりますもんね。
そうですね。去年はそういうことができなかったですから。どこまでできるかはわからないけど、今年はそういうこともやりたいですね。