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INTERVIEW

AA=

2018.04.06UPDATE

2018年04月号掲載

AA=

メンバー:上田 剛士(Ba/Vo/Prog)

インタビュアー:吉羽 さおり

20歳のときに作ったアルバムから今回まで、上田剛士を中心に置いた目線で見ると、一貫して変わらないところがある


-5作のオリジナル・アルバムでは、自分のその時々のモード感は反映されていると思いますか。

色濃く出ていると思います。1作1作聴くと、カラーも、見えてくるものも違うと思いますし。ただ、それをこうしてバンドとして録って並べてみると、それがすっきりとバンドっぽくまとまるというのもあるので。基本になっているところは変わっていないのかもしれないし、中心になっているものは、そんなには変わらないんだろうなと思いましたね。逆に言えば、自分のそのときのモードがオリジナルの方が濃く出るから、それぞれに違いが出るんじゃないかなと思ってます。

-普段のレコーディングのときには、メンバーの方に、アルバムのテーマや、イメージを伝えて録っているんですか。

口では説明しないですね。音を聴かせて、それぞれに理解してもらうというもので。ずっとそうなんです。前のバンドのときも同じようにデモをがっちりと作って、自分の歌まで入れてからメンバーに渡しているので。そこをそれぞれ理解して、考えてもらうというものです。

-その手法は、変わらないんですね。

全然と言っていいほど変わらないですね。それこそ、20歳のときに作ったアルバムから今回まで、上田剛士という自分を中心に置いた目線で見ると、全然変わってないところが一貫してあると思うし。ただ、アルバムの制作時に、バンドとして録り直しているか、録り直していないかの違いですね。AA=になってからは、バンドとして録らずに作り上げていくので。逆に、それをバンドで作り上げると、この『(re:Rec)』になるんですね。

-改めてバンドで録ってみることで発見した面白さがあったんですね。

そうですね、このアルバムは録っていても非常に面白かったです。こういうことをやったのも久しぶりだったし、"バンド"としてちゃんと形にすることも10年間やってなかったので。久々にやってみると、やっぱりこうなるんだなっていう感触でした。変わらないところは、変わらないんだなっていうのは、感じます。

-これを20歳のころの自分に聴かせても、納得のいくものだと思いますか。

どうですかね(笑)。それはそれでめんどくさいやつだと思うので、どう言うかはわからないですね。

-こうしてバンド、AA=を1回形にしたことで、新しいインスピレーションは生まれていますか。

そうですね。いいバンドだなと思いますしね。それぞれが自分のバンドをやっていたりとか、別の活動をしていたりする人間が集まって音を出しているので。いい意味で、すごく力も抜けているし、最終的な責任は全部自分が取るので、好きに暴れてほしいというのもあるんです。そういうのがうまくできているなと思いました。

-それぞれのメンバーはAA=をどういう場だと思っていてくれると、上田さん自身は感じていますか。

そこはそれぞれと話してみないとわからないですね(笑)。でも、気楽に楽しんでくれている気がします。例えば、RIZEならRIZE、The BONEZならThe BONEZ、BACK DROP BOMBならBACK DROP BOMBで、それぞれ自分のところで中心にあるものを、そのまま持ってこようとは思っていないだろうなと。ここでしか出せないものを楽しもうとしているんじゃないかなって気がします。最終的には僕の音を作るという、僕が作りたいものというわがままに付き合ってもらっているので。そこを楽しんでくれている気がします。

-そういうことでは、最高のバンドですね。

そうですね。でもこの形だからできていると言えると思うんです。これが普通のバンドになっていたら、逆にそうはいかないのかもしれないし。なかなか珍しい形だけど、これはこれでこの形でやっている意味はある気がします。

-今回は完全受注生産ボックス・セット『(re:Rec) -SPECIAL BOX「OIO」』もリリースとなって、こちらには"AA="という名の由来となったGeorge Orwellの"動物農場"のスペシャル・エディションがつきます。この本を手に取ってもらういいきっかけにもなりそうですね。

これができたことは、ボックス・セットを作ったなかで一番大きなものでしたね。きっとAA=の由来を知らない人もいるだろうし、知っていても、実際に本を手にする人はなかなか少ないと思うので。カバーをアルバム『#5』のアートワークを手掛けたshichigoro-shingoさんに描いてもらったりして、ちゃんとAA=仕様にもできたので。

-まさに集大成的な作品ですね。私も改めて"動物農場"を読み返してみましたが、1940年代に書かれた本ではありながら、現代にも通じる話ですよね。内容的にも、時代と合っていて驚く部分もあります。

簡単な答えではない部分はありますよね。それは政治的にもそうだし、人間の本質としてもそうだし、人と人の繋がり方もそうで、まさに今にも繋がっていると感じますね。例えば、今もニュースになっているような、公文書書き換えみたいなものは、まさに物語のなかで七戒を書き換えていくところなどとまるっきり同じですしね。物語がモデルにしてるのが、1940年代の当時の社会状況や、スターリン政権下のソ連の話ですけど、現代の日本とも通じるようなところがあるという。イデオロギー的にはまったく違う世界ですけど、同じようなところがある。人間としての普遍的なものにも繋がるだろうし。

-このアルバムとともに、よりAA=についても理解ができそうです。

そういうものになればいいなと思います。