INTERVIEW
Survive Said The Prophet
2016.09.21UPDATE
2016年10月号掲載
Member:Yosh(Vo) Tatsuya(Gt) Ivan(Gt) Yudai(Ba) Show(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-そうやってプロデューサーとの1対1でやる作業では、アドバイスや、もっとこういう音が欲しいんだっていうやりとりも個々で多かったんですか?
Show:当たり前ですけど、耳がいいからドラムの"この小さいおかずはいらねぇよ"って言われたり(笑)、"ダイナミクスのつけ方が甘い"って言われたりすることはありましたね。フレーズというより"もっと気持ちを込めて叩けよ"っていう、精神的なことを言ってくれる人なんです。それが、結果的にアルバムにはいい影響を与えているんじゃないかなと思いますね。
Yosh:サウンド面では、ドラムが一番変わったね。素晴らしかった。
Yudai:ベースは正直そういうのはあまりなかったんですよ。むしろ、ドラムがゼロから作っていったこともあったし、日本でプリプロしていったけど結構変わってる部分があったので。"なんだよ、ここ変わってんじゃん!"っていうことの方が多かったです。それで、その場でフレーズを考えて合わせていったりして。でも、俺がこれをやったらギターも変わっていくんだろうなっていう。
Tatsuya:"なにこれ!? 変わってる!"っていうのは結構あった(笑)。
Ivan:ギターについては音作りが一番面白かったですね。全部、生のエフェクトでその場でやっていくんです。
Tatsuya:デジタルじゃなく生でね。自分が信じているエフェクターを繋いで、録り音からきちんとエフェクトをかけてやっていくという。そこは初めての経験でしたね。
Ivan:あとはいかに正確に演奏できるかっていう感じですね。ピッチからリズムから、すべてに対してそうだったね。日本の方法とは違うのかなって感じました。
Tatsuya:重きを置いているところがちょっと違うかな。
-でも仕上がりはすごくオーガニックな感じがしますよね。予想を超えた作品になりました?
Yudai:というか、予想ができなかったんですよね、俺らが(笑)。
-では今回、これは一番チャレンジしたなという曲は?
Tatsuya:「Tierra」(Track.9)ですかね。
Show:最後までやり続けた曲ですね。
Yudai:これはバンド・サウンドというよりも、シンセやオケが結構入ってる曲なので。どうなるのかなっていう感じだったんですよね。
Show:一番いろいろと試した曲だと思う。
Yosh:この曲は書いたときから、遊び心のある曲だったんです。でもそのわりに、リリックは遊び心が一切ない曲で(笑)。すごく面白い曲です。曲とともに感情が動かされた感じがしますね。
-メロディアスであったり、ラップも入っていたり。でも洗練されたポップスの香りも纏っているサウンドですね。もともとこういったタイプの曲も好きなんですか?
Yosh:僕は大好きですね。
-特に「Tierra」からラストの「Follow」(Track.10)へと向かうアルバム終盤の流れが、前半のラウドなバンド・サウンドとはまたガラリと変わっている。この幅広さがSurvive Said The Prophet(以下:サバプロ)の面白さでもありますね。改めて、いろんな音楽を聴いているからこそ、今の形になっているんだろうなというのがよく見える作品でもあると思います。
Yosh:ひとりひとりバックグラウンドが違いますからね。たまに、こうしてインタビューを受けているときに、"そういえば、俺らってどういうふうに集まったバンドなんだろう?"って、改めて思わされることがあるんですよね。目的としては"音楽"があって、改めて見てみると――もちろんメンバー・チェンジもありましたけど、この編成になるためにどんな旅をしてきて、どんなバックグラウンドを持ったメンバーが揃ったんだろうって。音楽を通して、5人の個性が強まっているのはアルバムごとに感じていますね。
-いい意味で型にハマッてないですよね。ラウド・シーンにはいるけれども、ラウドでなきゃいけないっていうこともなさそうだし、いろんなチャレンジや遊びをしながらひとつのバンドの音を作っている。ラウドな曲もあるけれど、決してゴリゴリにマッチョな感じでもないし。
Tatsuya:ないですね。
Yudai:ゴリゴリしてる人がいないので。逆にひとり欲しいくらい(笑)?
Ivan:そういうことだろうね。もしひとりでもそういう人がいれば、変わってくるだろうし。たまたまこの5人の中にはゴリゴリな人がいなかったというか。
Yosh:でも、そういう人がいたら俺らたぶん崩れるなぁ(笑)。
Ivan:俺は、全然嬉しいけどね。でもそうだね、ラウドでも基本的にそんなにキレてもないしね。不満はあるけども、キレてない。
Yosh:キレるよりも、泣く方が多いね。
-それが歌心に出てしまうんですかね。
Show:怒ることもあると思います。特にYoshは喜怒哀楽をストレートに出せるから、そういう感情を軸に楽曲もできているんだろうなと思います。