FEATURE
Survive Said The Prophet
2021.11.01UPDATE
Writer 吉羽 さおり
湧き上がる力を形にしたニュー・シングル「Win / Lose」を引っ提げ、キャリア初となるZepp規模でのツアーがスタート
Survive Said The Prophetのニュー・シングル「Win / Lose」が10月29日より配信スタートした。リリース作品としては、今年1月のリテイク・ベスト・アルバム『To Redefine / To Be Defined』以来となる。
士気が高まるシンガロングからスタートする「Win / Lose」。コロナ禍の現在はまだ、観客が大きな声を発して歌うライヴはもう少し先になりそうだが、会場が拳を掲げて大合唱している姿や一体となった光景がありありと浮かぶこのパートから、Show(Dr)のシャープなビートと、TatsuyaとIvanのラウドなギター・リフで曲の心拍数を上げていく。重心の低いリフやビートではあるが、晴れやかなパワーを纏った高揚感のあるアンサンブルで聴かせる、これぞサバプロ(Survive Said The Prophet)というサウンドに、しなやかなグルーヴ感を持ったYoshのヴォーカルが重なる。耳に飛び込んできたときの印象はとにかくキャッチーで、歌詞や構成のシンプルさで一気に聴かせる勢いや、2コーラス目には一緒に口ずさめる親しみやすさも感じる。しかし曲やサウンドをひもとけば、スピード感を持って一気に曲のパワーを炸裂させ、メロディを強く、印象的に響かせていく細やかな仕掛けやアイディアが、そこかしこで光っている。そこには、重量感のあるリフを畳み掛けるようなヘヴィ・ミュージックと、メロウなポップ・ミュージックといった、一見、相容れないような要素を絶妙なさじ加減で混ぜ合わせて、サバプロ・サウンドと言えるものを作り上げてきた10年の濃い時間が感じられる。キャッチーだが、何度でも味わえる深い余韻があって、リスナーの状況によってもその響きが変化していくような奥行きがある曲になっている。そこに、サバプロと長くタッグを組んできた、プロデューサー/エンジニア、Kris Crummett(ISSUES、DANCE GAVIN DANCEなどを手掛ける)によるミックス、マスタリングも加わって、新たなアンセムソングを作り上げたという感覚である。
勝ち負けだけが答えでなく、自分で思いを持って踏み出していったその一歩一歩やその過程が、望むものへと近づいていく。そんな人間の自己実現への普遍的/根元的な思いがこもった「Win / Lose」は、結成から10年を経て、これまで培ったものをしっかりと握りしめて新たに踏み出していくSurvive Said The Prophetにも相応しく、またコロナ禍の約2年を過ごしてきたなかで、ふつふつと湧いている思いを今こそ実現していこうという、現在の世の中の雰囲気にも相応しい。様々なシーンで、様々な日常で、エールとして鳴り響いてほしい曲だ。また、男子プロ・バスケットボール・リーグ"B.LEAGUE 2021-22 SEASON"公式テーマ・ソングにも決定し、全国の試合会場や試合の放送などでもオンエアとなるので、バスケ・ファンにも広がっていく曲になりそうである。
この「Win / Lose」のリリースとともに、11月10日の名古屋公演を皮切りに、全国6都市を回るツアー"something BOLD tour"が開催される。名古屋、大阪、福岡、札幌、横浜はZepp公演、仙台はGIGSが会場で、サバプロとしてはキャリア初のZepp規模のツアーとなる。
2020年は5thアルバム『Inside Your Head』を携えた全国ツアー"Inside Your Head Tour"は新型コロナウイルスの影響で23本中20本が開催中止となってしまったが、同年には改めて"Inside Your Head Tour -this might be the last-"と題し東名阪ツアーを行い、2021年は、リテイク・ベスト・アルバム『To Redefine / To Be Defined』のリリースを記念した全国ツアー"Redefine Tour 2021"を開催した。また自身のツアーだけでなく、フェスやイベントにも精力的に出演。新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言が発令された期間もあり、すべての日程が予定通りにとはいかない状況も(サバプロに限らず)あったが、そのなかでもいち早く音楽を届けたい、ライヴで体感してほしいという思いでステージに立ち、配信やパブリック・ビューイングも併用しながらできるだけ多くの人と、"ライヴ"という貴重な時間を味わってきたサバプロ。ハイクオリティな音源の魅力はもちろんだが、やはりサバプロの威力はステージでこそ発揮される。
アルバムを重ねるごとに、変化に富んだドラマやカタルシスを生み出すことができる曲のバラエティが増えていったが、一編のショーとしてボリューム感があり、求心力の高いステージとなっていたのは、"バンド"が持つ力によるところが大きい。たたき上げという言葉が似合う鉄壁のバンド・アンサンブル、ダイナミックなプレイで観客の興奮を大きく引っ張り上げていくメンバーそれぞれのプレイ。個々の持つ彩りが掛け合わさって、大きな引力を生んでいるのがサバプロのライヴだ。その礎となっていたのが、ポジティヴなマインドだろう。バンドや音楽を通じて同じ、クリエイティヴなマインドを共有し、それぞれの美しい未来を生み出していくようなコミュニティを生み出したいという願いが、サウンドのスケール感や会場の規模を大きくし、今に繋がっている。Zeppという大きな会場で迎えられる今回のツアーが、どういうものになっていくのか。そのキーになっていくだろうニュー・シングル「Win / Lose」が放つポジティヴなメッセージや、高鳴る鼓動を封じ込めたサウンドとともに、今回のツアー"something BOLD tour"を目撃してほしい。
▼リリース情報
Survive Said The Prophet
配信シングル
「Win / Lose」
NOW ON SALE!!
※男子プロバスケットボールリーグ『B.LEAGUE 2021-22 SEASON』 公式テーマソング
配信はこちら
▼ツアー情報
"something BOLD tour"
11月10日(水)Zepp Nagoya
11月12日(金)Zepp Osaka Bayside
11月13日(土)Zepp Fukuoka
11月17日(水)SENDAI GIGS
11月19日(金)Zepp Sapporo
11月30日(火)KT Zepp Yokohama
[チケット]
サバカルチケット1F ¥6,500 / サバカルチケット2F ¥6,500(D代別)
一般1F席 ¥5,500 / 一般2F席 ¥5,500(D代別)
一般発売中
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