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INTERVIEW

SiM

2014.09.16UPDATE

2014年09月号掲載

SiM

Member:MAH (Vo) SHOW-HATE (Gt) SIN (Ba) GODRi (Dr)

Interviewer:増田 勇一

-そういう意味ではミニ・アルバムとかEPというサイズは非常に使い勝手がいい。

SH:うん。たしかにそういうところはあるなあ。

M:そうですね、ホントに。

SIN(以下S):俺、そういう意味ではぶっちゃけ、ミニ・アルバムって1番好きなサイズかも(笑)。シングルとかアルバムより結構いろんなことができるし、実際今回も6曲バラバラなことができたし、いろいろ詰め込めたし。1番バランスがいいんじゃないかな。俺らならではの良さが出るというか。

M:確かに作りやすい感じではあるよね。

SH:同時に俺は、フル・アルバムの時の、1本線を引いてちゃんと筋を通してやるっていうやりかたもすごく好きで。やっぱりなんか、もちろん今回のも1曲1曲すごくイメージして作ってるんですけど、アルバムの場合はきちっと統一感を持たせたいというか。アート性みたいな。すごくなんか、細部にまでこだわれるから。そういう細かいところを詰めてくのが大好きなんで。だけどミニとかの場合は、そういうことを抜きにして自分たちのやりたいことを結構好き放題できるし、いろんなとこを見せられるじゃないですか。そういう意味でも、SiMってバンドを知ってもらうにはミニ・アルバムもいいと思う。違う良さがどっちにもあるなって感じですね。

-とはいえ、この全6曲のバランスでこの倍の収録量があったなら、それはそれでいいフル・アルバムとしてちゃんと成立するようにも思えますよ。

M:そうですね。バラバラでもいいんですよ。これは俺らだからこそ許されることなのかもしれないけど。だって『PANDORA』とかにしても、全体の筋は通ってるとはいえ、バラバラっていえばバラバラでしたからね。曲っていう意味では。

SH:まあね。

-ミニ・アルバムだと、そこでさらに手加減なくバラバラ具合を楽しめるというか。

M:うん。まあでも、次のアルバムではもうちょっと統一性をもたせるのも面白いかなって考えてるんで。ミニではこんぐらいやっちゃったほうがいいんだろうなって感じで。

-この作品には、さっきも話に出たようにレゲエ色の強い曲もあって、このバンドがどこから来たのか、というのが改めて強調されているようにも思えるんです。そこは意識してたんでしょうか?

M:そうですね。『PANDORA』の時点でも、"ラウドロック界隈のバンドのひとつ"みたいな見えかたはしたくないっていうのがあったので。この『i AGAINST i』というタイトルも、実は BAD BRAINSのアルバム・タイトルに由来してるものだし。レゲエの有名なリディムをカヴァーした「Fallen Idols」とか「Slim Thing」みたいな曲もあるし。まあ、そういうことをしたのは......なんつーんだろうな。要するに、ポッと出てきた急造のバンドではないってことをわかって欲しかったというか。今までのルーツがあってこそのSiMなんだっていうとこをね。だから言ってみれば、これは"どこがレゲエ・パンクなの?"って言ってる人に対しての"こういうことです"っていう答えみたいな感じ(笑)。もちろんレゲエだけじゃなくて、「GUNSHOTS」とかには70年代のUKスカの感じとかもあるし。そういうことを、今のラウド全盛期のこの時代にやってみてどうなるかなっていう。

-それをラウドロックのど真ん中にいる人たちがやる、と(笑)。別にネガティヴな意味ではないんだろうけども、やっぱり"今、盛り上がっているムーヴメントの典型的なバンド"みたいな見られかたにはフラストレーションがあるわけですよね?

M:そう......だよね? SH:うん。やっぱなんか、他とは違うものでありたいじゃないですか。実際これは、パッと聴いただけでも"何かと似てるよね"とか言われない作品になってると思うんですよ。それをすごく強く出せたと思うし、なんかちょっと、また違うところに到達できたと思えるんです。自分たちだけの領域を確立するというか、そういうものを作っていけるんじゃないかと思ってるんで。

M:『PANDORA』が出て、『10YEARS』を出して、今年もいろんなフェスに出て、しかも1番大きいステージに出させてもらうようになって......。そこであえてこういうものを出す、という。売れるかどうかわかんないけど(笑)。

SH+S+G:あははは!

M:まあ、もっと簡単でわかりやすいラウドロックを作ることはできたんですけど。

-いわばラウドロック決定版みたいな感じのものを、ということですよね?確かにそういう発想になりそうなタイミングではあると思います。売る側からすれば。

M:ですよね。それは絶対......言葉が合ってるかどうかわかんないですけど、ラクなやり方なんですよ。わかりやすいストレートでラウドな曲で、ズクズンズクズンいってて、ギャーギャー叫んでて、サビではパーッと、みたいな(笑)。そういう曲を作って今の俺たちがこのタイミングで出したら、売れるのは間違いないと思う。だけど、それじゃあ自分たちがつまんないんで。

SH:俺、そのままじゃ残っていけないと思ってるので。やっぱ、全部と一緒に比べられちゃう状況のままでは。だからここで、"こうあってこそSiM"っていう音楽を出す意味があるんですよね。クセがある上で支持されていけば、やっぱ残っていくと思うし。SiMってバンドはここが違うよね、という印象も強くなると思うし。そういうものにしないと、ウチらがやってる意味がないというか。