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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第41回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第41回

筆者はもうかれこれ30年近く「激ロック」な音楽ばかりを聴き続けている。 小学生の時に筋肉少女帯の「断罪!断罪!また断罪!!」に人生を狂わされて以来、刺激的な音楽を求め、激しいサウンドのバンドを国内外・ジャンル問わず片っ端から聴き漁った。2010年頃までのバンドはメジャーからマイナーまで一通り聴いたし、音はそこまで聴きこんでいないとしても殆どのバンドの存在は知っていると自負していた。 なので偉そうにしたり顔で、こんな偏ったコラムを長年にわたり執筆している訳である。

だが最近、そんなちっぽけなプライドが音を立てて崩れる出来事があった。

名古屋の伝説的オルタナティヴロックバンドMerry Go Roundの元ヴォーカリストで、gibkiy gibkiy gibkiyというバンドで活動しているkazuma氏の経営されているBARに先日お伺いした時の事だった。「このバンド好きなんだよね」と徐に再生されたCD。そのサウンドに私は度肝を抜かれた。

Crawl / The Beyond

deadman 見た事も聞いた事も無いバンドだった。 スラッシュメタルよろしくなザクザクとしたギターリフにスラップバチバチのファンキーベース、猛烈に手数の多いジャズ寄りの超絶テクニカルドラムにIncubusのブランドンの様な甘めの歌が猛烈に異様な化学反応を起こしている。
この手の音楽は一通り聴いてきた筈なのに、まだこんなバンドが居たのかと衝撃を受けた。

彼等はイギリスのバンドで、この作品は1991年リリースの1stアルバムだ。 91年と言ったらアメリカではNirvana「Smells Like Teen Spirit」を筆頭に、The Smashing Pumpkins「Gish」、Pearl Jam「Ten」、Soundgarden「Badmotorfinger」等がオルタナ・グランジムーヴメントに火を着け、他にもRed Hot Chili Peppers「Blood Sugar Sex Magik」、Metallica「METALLICA (The Black Album)」、ヨーロッパではMy Bloody Valentine「Loveless」、Blur「Leisure」、Massive Attack「Blue Lines」等、時代を変えた名盤が大量に生まれた年だ。(ちなみに筋肉少女帯「断罪!断罪!また断罪!!」も91年リリース)

The Beyondの音楽が前述した名盤達に劣っているとは全く思わないが、なんという時期にデビューしてしまったんだ......。周り強すぎ......。

自分なんかよりも遥かに音楽に対して造詣が深いkazuma氏を前に、自分の知識の浅さを痛烈に思い知った。
だが、この歳になってもこうしてまた新たな良い音楽に出会えたという喜びを久しぶりに感じられたのも事実だ。
そう考えるともしかしたらこの自己満足極まりないコラムも、誰かの新たな出会いの橋渡しになれているのかもしれない。
なのでこれからはもう少し謙虚に「どうでしょう若者の皆さん!良かったらこんなマニアックだけどカッコいい音楽紹介しますので聴いてみませんか?え?フェスに出てるバンドしか興味ないって?このファッションロックファンがゴルァァァ!!!」と真摯な姿勢で執筆していこうと思う。

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