COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第38回
激ロック読者の皆さん、本年も一部のマニアにしか刺さらないこのニッチなコラムをどうぞよろしく。
2024年は正月から本当にきついスタートになってしまった。
被害に遭われた皆様や地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
今回は、悲劇的な状況を色々な人達と力を合わせて乗り越えた奇跡のバンドをご紹介したいと思う。
Wisconsin Death Trip / Static-X
1994年にロサンゼルスにてVo&Gtのウェイン・スタティックを中心に結成されたStatic-X。
90年代後半のニューメタルブームの中で爆発的人気を誇ったバンドである。
Ministry等のインダストリアル要素とPantera等のグルーヴメタル要素をクロスオーバーさせ、アップテンポにしてノリやすくしたその音楽性を自ら「イビル・ディスコ」と称した。
デビューアルバムとなる1999年リリース「Wisconsin Death Trip」は100万枚を超える売り上げでプラチナ・ディスクとなっている名盤中の名盤だ。
アルバムのリードトラック「I'm With Stupid」のMVを観てもらえば分かるが、彼等はサウンドだけでなく見た目もキャッチーなのだ。
髪を全て逆立たせ、壊れた人形のように頭を振り、結んだ長い髭を振り回すウェイン。
長髪・無精髭・巨漢と、メタラーの全てを兼ね備えたベースのトニー・カンポス。
そしてイケメン日本人ギタリストの福田耕一さん!!
当時ニューメタルシーンでまさか日本人が活躍するなどとは夢にも思っていなかった私は、とても感銘を受けたのであった。
(余談だが福田さんは当時mixi等で積極的に日本のファンと交流をしていた、バンドにおけるネットプロモーションの先駆者でもある)
しかし、Static-Xも例の如く売れすぎたバンドあるあるの被害者である。
オーバーワークや次回作へのプレッシャー等が原因でメンバーの関係は悪化。
2012年にはウェイン以外のメンバーは居なくなってしまい、ウェインのソロとしてStatic-Xを継続しようとするも頓挫。翌2013年に正式な解散を発表した。
更にその翌年、薬物の過剰摂取によりウェインが他界した事によりStatic-Xは完全に幕を下ろしたのである......。
と思いきや、2018年にウェイン以外のオリジナル・メンバーで突然の再結成。
DISTURBEDのDavid Draiman、MinistryのAl Jourgensen、Coal ChamberのDez Fafara、Five Finger Death PunchのIvan Moody等、親交の深いボーカル陣をゲストに招き、バンドと共に長年作品を作って来たプロデューサーUlrich Wildと共にウェインの残した未発表のデモを形にする「Project Regeneration」を発表した。
だがその後、新たにウェインのボーカルデータが大量に見つかった為、彼の声をなるべくそのまま使用する方向にシフトチェンジ。足りない部分は新ボーカルのXer0が歌うという形で2020年にVol 1を、先日1月26日にVol 2を発表した。
しかしこのXer0という男、仮面を被っているとは言え、逆立てた髪といい、結んだ長い髭といい、歌い方といい、とにかくウェインへのリスペクトが半端ない。
(周知の事実ではあるが、正体はウェインの親友であるDopeのEdsel Dope)
ウェインというアーティストがいかに愛されていたのかが分かる話だ。
もし私の身に何かあった場合、NoGoD団長を引き継いでくれる人なんて周りには居ないだろう......。
もうこうなったら「二代目NoGoD団長」を襲名しても良いよって人を激ロック誌上で募集するしかないのではないか。
という事で、ここに募集要項を記載しておく。
・週1~3で顔を白く塗れる方
・高い声がやたらと出る方
・イケメンNG
・高身長NG
・やせ型NG
・一重優遇
沢山の応募、待ってるぜ!!!!!!!!!!
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