COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第20回
2021年最初のコラムを執筆している今、つけっぱなしのテレビから緊急事態宣言の延長を告げる声が聞こえている。
我々NoGoDは4月から11月までに予定していたツアーの全公演中止を発表した。
この時期にライブを開催するも参加するも中止するも、どれも間違いではない。
そこに絶対の正解はない。
今はまだライブハウスへ行くことで多少なりとも家族や職場などに後ろめたい気持ちが生まれてしまうのではないか。
その様な状況で観るライブは楽しいのだろうか。
また、参加できない人、参加しないことを選んだ人を、悔しい気持ちや悲しい気持ちにさせてしまうのではないだろうか。
メンバー、スタッフ全員が悩みに悩んだ末の決断であった。
過去にリリースしたアルバムを毎月一枚ずつ再現するというコンセプトツアーの為、途中までは配信ライブに、状況が良くなったら有観客に切り替えるという訳にはいかず、全公演を中止することとなった。
その代わり、毎月アルバム再現配信ライブを4月～11月まで行い、仮に自分達が納得できる形で有観客ライブが開催できる状況になったその時は、ツアーに関係なく単独公演を実施したいと考えている。
これを読んでいる激ロッカー諸君同様、我々もライブが生き甲斐なのだ。
音楽、ライブハウス、エンタメの灯を絶やさぬよう、本年も邁進していく所存。
さて、前置きが例の如く長くなったが、いつまでも暗い話をしていてもしょうがない。
こんな状況でも激ロックな新芽は世界各地で芽吹いている。
今回は私が現在最も注目している新人バンドをご紹介。
Apple Sauce 出鱈目 / Apple Sauce
2016年にイタリアで結成された5人組のメタルバンド。
昨年フロリダのインデペンデントレーベル「Famined Records」よりこの作品でデビューした。
このバンド、ジャンルで括るのが非常に困難だ。
プログレッシヴ、エクストリーム、インダストリアル、デス、メタルコア等あらゆるメタルから、ジャズやポップス、果てはチップチューンまで、それらを力業と若さとユーモアでギュッと濃縮している。
アルバムのリードトラック「Polybius」のMVがYouTubeにアップされているので、そちらを見てもらえば筆者の言わんとしていることがわかってもらえると思う。
同郷の「Destrage」に影響を受けているのではないかと推察するが（実際にDestrageのギタリストがアルバムにゲスト参加している）、Apple Sauceは更に輪をかけて「出鱈目」である。
バンド名も直訳すれば「リンゴのソース」だが、どうやら「たわごと」「ナンセンス」という意味で使われる俗語のようだ。
確かに彼等のアーティスト写真やインスタグラムの投稿、他のMVを見ても良い意味で「ナンセンス」だ。
飽和したメタル業界に風穴を開ける存在になるのではと筆者は大いなる期待を寄せている。
私が調べた限り、彼等のことを取り上げている日本のメディアはまだない。
もしかすると本記事が初となる可能性もある。
激ロック代表ムラオカ氏、気に入ったら彼等に正式なインタビューを是非！
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