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INTERVIEW

SiM

2015.05.11UPDATE

2015年05月号掲載

SiM

Member:MAH (Vo) SHOW-HATE (Gt) SIN (Ba) GODRi (Dr)

Interviewer:増田 勇一

-『ANGELS and DEViLS』はCD+DVDという形態のシングル。今回は、そのCDに収録されている2曲の新曲に関することを中心に訊きたいと思います。あえてシングルを出すってことは、より幅広い層へのアピールを狙った作品なのかと思って聴かせてもらったんですけど、なんかむしろ、その真逆と言ってもいいくらいガツンとくる作品で!

MAH(以下M):狙い通りですね。そういうところでのギャップというのも求めてたんで。まず、アニメの主題歌を書き下ろしで依頼されたんですね、監督さんからのご指名みたいな感じで。

-「EXiSTENCE」の方の話ですね。これは"神撃のバハムート GENESIS"の主題歌として、すでにオンエアされてきた曲なんですよね?

M:うん。そこでは当然、90秒バージョンしか流れてないんですけどね。で、監督さんからの要望は"ホントに好きなようにやってくれ"という感じだったんで、この曲では歌詞の中に日本語も入れてみたり。だけど曲自体は、ストレートなようでいてよくよく聴いてみると複雑で、みたいな。そういう曲を作りたかったんです、このタイミングで。

-90秒バージョンを作った時点で、すでにこの全体像が見えてたんですか?

M:いや、まず90秒バージョンだけを最初に作ってたんです。あんまり締切りまで時間もなかったんで。

SHOW-HATE(以下SH):MAH君がまさに90秒サイズで作ったのを持ってきたんです。で、ホントにそのまんまやってるという感じで。

M:みんなで作ってたら多分、90秒には収まんないよね。あんなこともしたい、こんな要素も入れたいっていうのが出てきちゃうから。で、僕がばーっと書いて"これでよろしく!"ってみんなに送って。

-その90秒バージョンに各々のアイデアを盛り込んだ結果として誕生したのがこの形、というわけなんですね?

SH:いや、これもMAH君が持ってきたそのまんま(笑)。みんなで聴いて、合宿で合わせて、"いいじゃん! このままいけるじゃん!"みたいな。もちろん、そこからアレンジはしていくわけですけど。

M:このタイミングでこういう要素の入った曲を出したいって言うのがずっとあったんです。要は、『i AGAINST i』でいろんな要素を伸ばすことをしたじゃないですか。何も抑え込まずにレゲエとかスカとかダブステップとか、とにかく広げまくるっていう作品だった。あれを作ることになった段階から、その次にはストレートだけどちょっと複雑で、サビがタテノリな感じの曲をやりたいなっていうのがあって。僕らにとってはこれでもかなりストレートだと思う。

SH:それは俺も、曲を初めて聴いたときに感じたなあ。

GODRi(以下G):レコーディングしながら、だいぶこれはストレートやなと思ってたけどね、俺も。

SIN(以下S):これまでシンセ使ったりとか、ベースもエフェクターかけてたりしてたけど、今回はそういうのも一切ないんです。だからなんか、オーソドックスな音でロックをやってる、という感じ。

-だから自然にライヴの風景も浮かんでくる感じですよね。そして歌詞については、要所要所に日本語が挿入されていて。

M:実はこれの元になってる曲というのがあって、それは『PANDORA』のときに作ってたのかな。Aメロにあたる部分がその曲で。で、その当時から、なんか日本語が合いそうだなと思ってたんです。わりと自然に書いてたらこうなっちゃったって感じなんですよ。

SH:サビのアタマが日本語っていうのは狙ってたんでしょ? 俺が質問するのもおかしな話だけど(笑)。

M:うん、それはそうだね。そういうのを作りたかった。やっぱ英語主体の中に日本語が入ってくると耳につくから、キツいこと言えばドキッとするだろうし。

-実際ドキッとさせられましたよ。"低迷の原因は手前の中から"とか"この夜が明けても何か変わるわけじゃないさ"とか。普通は"朝がくればきっと変わるさ"みたいになりがちじゃないですか。

M:そうですね。よく"Tomorrow is a new day"とか言うじゃないですか。たしかにそうなのかもしれないけど、"そこで自分から何もせずにいたら結局は昨日の延長戦でしかないんじゃないの?"みたいな。似たようなメッセージはこれまでも歌ってきてるんですけど、この曲ではそこにグッと焦点を絞って。何もしなきゃ変わらないし、明日になるのを待ってるんじゃなくて自分から明日を迎えに行くぐらいの気持ちじゃなきゃ成長できないというか。そういう心構えでありたいっていう歌なんです。あえて絶望的なことを歌うことで、自分のケツを叩くっていうか。みんなそれを、わかってるんだけどわかってないというか、希望の方にばっかり目が行っちゃってたりする。そこで現実を見ようぜってことなんです。なんかね、"明日になったら上手くいくよ"っていうのはすごく無責任な気がするんですよ。そこで何か準備しておかないと、明日なんて絶対変わらないし。

SH:ホントにその通りだと思う。そこに向き合うことが大事じゃないかなって、俺も思わされましたけど。

-キツいことを言ってはいても、実はポジティヴな歌なんですよね。SINさんはこの曲についてはどんなふうに?

S:なんか演奏してて、ちょっと懐かしい感じがあって。ミクスチャーっぽいというか。そこはちょっと狙ってたでしょ?

M:あるね。ミクスチャー・ロック感というかラップコアな感じ。

SH:90年代とか2000年代のミクスチャー。それはアレンジしてるときもアタマにありましたね。そういう感じを出そうって。

M:いまどきの感じだと、なかなかこういうアレンジにはなりにくいよね。

SH:うん。でももうそろそろミクスチャーが来るというか、音楽のサイクルが一周するんじゃないかって話してて。

M:来い来いって感じですね。大歓迎なんですけど(笑)。

SH:結局、90年代のミクスチャーとかって、俺らが子供のころに聴いてたものじゃないですか。それを今、この年になってやったら、その世代の人たちってグッとくるんじゃないかなって。そんなふうには思ってましたね。