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INTERVIEW

Survive Said The Prophet

2022.10.11UPDATE

2022年10月号掲載

Survive Said The Prophet

Member:Yosh(Vo) Ivan(Gt) Tatsuya(Gt) Show(Dr)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ)

-なるほど(笑)。そして、続く「Beauty Queen」もミドル・テンポの聴かせる曲ですね。

Yosh:この曲が降りてきた瞬間から、"これがシングル"って思いましたね。「Right and Left」(『s p a c e [ s ]』収録曲)と同じような感覚で、"これが、自分たちが新しいステージに行くためのサウンドだ"って。メロディ・ラインも良かったし、うまくハマっていて、"こっちだよ"って導くような曲ですよね。ここからサバプロの音楽に触れてもらって、好きになってもらうっていう。

-入口にしてほしい曲ですね。

Yosh:"これがサバプロ"っていうふうには思ってほしくないんですけど、これを聴いて"誰がやってるんだろ?"と興味を持ってもらって、サバプロを覚えるって立ち位置の曲になるのかなと。

Tatsuya:"調べてみたら日本人だったんだ"みたいな(笑)。

Yosh:そうそう。"洋楽だと思ってたら日本人だった"ってガッカリされるのよくある(笑)。

-ミュージック・ビデオも作られるんですか?

Yosh:ミュージック・ビデオも出ます。

Ivan:今までとはちょっと違うテイストになるかな。

Yosh:暗いところで激しく演奏してて、スモークたいて......みたいな感じじゃないです(笑)。笑顔も出てきますし。

Tatsuya:ある種斬新かもね。

Yosh:"え、笑ってる!?"って(笑)。

-楽しみです(笑)。「Papersky」、「Win / Lose」は、今年2月にリリースしたシングルですが、リリースしたタイミングで聴いたときはポップな曲だと思ったんですけど、このアルバムに収まるとヘヴィな曲に感じますね。「Papersky」は唯一ガッツリとスクリームしてますし。

Tatsuya:他の曲もあったんですけど、その中からシングルとして出すっていうこととなるとあの2曲だったんです。

Yosh:まだ取っておきたいって曲が多すぎて。

Tatsuya:"サバプロこうなっちゃったんだ"って言われると、違うんだよと思ってましたね。

-「Hateful Failures Pt.1」と2部構成になっているようなインスト曲の「Hateful Failures Pt.2」を挟んでは「624」ですが、この数字の意味するところは?

Yosh:これは"シックストゥーフォー"って読むんですけど、自分のつらかった時期を表現してるんです。自分の中に閉じ込めている思いを誰かに訴えてるっていう。この気持ちを手放せなかったら前に進めない、そんな気持ちがアルバムのテーマである"憎しみの過ち"にも繋がるんです。

Show:そういう僕らの思いに共感する人も、結構いるんじゃないかと思うんです。

-この曲順にも意味がありそうな流れですよね。

Yosh:やっぱり最後は愛があるなら見せてくれよって思うので、そういうピュアな気持ちで出しきれない部分が出ている曲ですよね。

Tatsuya:「Prayer」がいるから、ここにいるってことです。

Yosh:そうだね。

-先ほどの話にもありましたが、アルバムが1本のストーリーとしてできあがっている感じですよね。その最後の「Prayer」="祈り"ですが、心が洗われるというか、すごくエモーショナルで壮大なバラードです。感動のフィナーレ的な感じで、ホールやスタジアムでも聴きたいと思わせる曲でした。

Yosh:やっぱり最後に持ってきたい曲ではありますよね。バラードで終わるっていうのは初めてじゃないので、悩んだところではあるんですが、今回のタイトルに関しての着地点として必要だったというか。納得してもらえる着地点を渡さないのは理不尽だと感じたんです。"答えはないけどな、じゃあな"みたいなことにはしたくなかったから(笑)、自分たちなりの答えをここに示せたことによって、次のアルバムにも繋がるっていう。

-なるほど。この曲によってけじめをつけて、自分たちが次に向かうって意味でも重要だということですね。曲の展開としては、ピアノからオーケストラが入ってきて壮大になっていくという点では、プロローグの「Hateful Failures Pt.1」と対になっている印象もあるので、アルバムに統一感が出ているように感じました。

Yosh:ありがとうございます。アルバムのレコーディングが終わって、最後の最後に「Hateful Failures Pt.1」をKrisに渡したんですよ。みんなが飛行機に乗るタイミングと8時間くらい差があったので、頭に繋げようってハッと思いついて。だから、必要だったんですよね。ひとりでスタジオにいるのも好きなんです。それまで3週間くらいみんなでスタジオにいて、最後の日に孤独になったんですけど、それでいい完結になった。

-感傷的な感じですよね。ちょっと流してたつもりが、入り込んで聴いてしまうというか。

Yosh:ありがとうございます。そのトラップは自分でもハマっちゃうんですよね。何かを確認するために聴いてたのに、それを忘れて気づいたら3周くらい聴いちゃってる(笑)。

-ありがとうございます。それでは最後の質問です。先ほどの質問と重複する部分もあるかと思いますが、この作品はサバプロの新境地となりましたか?

Ivan:なったと思います。

Yosh:なったと思うし、やっぱり"このバンドは強いな"って感じましたね。自分で言うのもなんですが、ヴィジョンも強いし、センスもいいし、人間性が強いし。それをまだこれからも見ていきたいなって。"またやろうぜ"ってまだ言える、手遅れにならないこの歳でそれに気づけたというのも良かったですね。

Tatsuya:やめることもできたタイミングではあったんですよね。それを続けるということは......ってアルバムになったんじゃないかと。

-重要なことですね。

Yosh:みんなひとりひとりの人生があるし、なかなか言えないようなこともあったんですよね。30代になってくると、生きることも死ぬこともすごく近くで見てきて、そんなリアルなものを見てきたなかで、お互いに話せていなかった部分を話すようになって。そこでよりバンドというものを理解できたのかなと思うんですよ。若いときは、"とりあえず我慢しなきゃいけない"とか"とりあえず前に進まなきゃ"とか、とりあえず......っていうのがあったと思うんですけど、そのなかで成功や失敗を行ったり来たりして、それで"Continue?"、"Yes!"ってみんなで言えるからバンドなんだなって。

Tatsuya:20代半ばの『FIXED』(2016年リリースのアルバム)のときに初めてKrisのところに行って、ほぼプライベートがない状態のところに突っ込まれて作って、今33歳になったやつらが、今も同じようにプライベートのないひとつ屋根の下でアルバム作ってるって、なかなかおかしいことだと思うんですよ(笑)。でも、この状況で今あそこに戻ったからこそこれができたんです。しかもメンバー間の意思疎通もちゃんとできるようになったのが、今回一番重要だった気がしますね。

Yosh:あと、心の奥底からお互いがカッコいいって思い始めてる。今までは"抜かされる!"って焦りもあったんですけど、今は"マジでカッコいいな"って見惚れるような瞬間が増えた。今までももちろん本気だったとは思うけど、この歳でさらに本気を出せたっていうのは相当大きいことですよね。成功を少しでもキャッチした気になると、人の失敗が目につくようになるものだと思うんですが、そうじゃなくて照れもなく純粋に"カッコいいな"って言い合える。そういう人間的な成長がこのバンドを通して自分が得たものですね。自分自身も、メンバーにとってまだまだカッコ良くいなきゃいけないなって責任も感じますけど。だから、目指せFOO FIGHTERSですよね。この間Dave Grohl(Vo/Gt)が面白いことを言ってて、"もはや俺たちから解散って話が出ると、それはもうおじいちゃんおばあちゃんが離婚するのと同じで、わざわざしなくてもいいことになっちゃうんだよね(笑)"って。なるほど、自分たちはこういうバンドにならなきゃいけないんだなと。自然となるようになる形があるっていう。

Show:言ってもまだ30代なので、これからどうなるかわからない危うさもあると思うんですよ。それも楽しみだなって。終わってしまえばそれまでだろうし、逆に終わらなければもっといいものができるだろうし。

Ivan:この作品が出ることで、ちゃんと両足で立って"行くぜ"っていうのは見せられると思うんですよ。

Tatsuya:だから、完全に今の俺たちのベストってことですね。

Yosh:英語力が上がっていくなかで日本語をどうするかとか、コーラス・ワークもみんなが責任を持ってやるようになったから、ヴォーカル目線での理解も深まって、対話でいい方向に向けて動けてますね。

-成長し続けていると。

Yosh:そうですね。まだまだバンドとして成長していきたいですね。

TOUR INFORMATION
"Hateful Failures Tour"

10月21日(金)金沢EIGHT HALL
10月22日(土)新潟LOTS
11月4日(金)名古屋ダイアモンドホール
11月19日(土)仙台Rensa
11月25日(金)Zepp Osaka Bayside
11月27日(日)福岡 BEAT STATION
12月3日(土)広島CLUB QUATTRO
12月4日(日)高松オリーブホール
12月8日(木)札幌 PENNY LANE24
12月10日(土)苫小牧 ELLCUBE
12月20日(火)EX THEATER ROPPONGI
[チケット]
サバカル1F立見:¥6,500(税込) / サバカル2F指定席:¥6,500(税込)
一般1F立見:¥5,500(税込) / 一般2F指定席:¥5,500(税込)
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