INTERVIEW
Survive Said The Prophet
2021.01.19UPDATE
2021年01月号掲載
Member:Yosh(Vo) Show(Dr) Ivan(Gt)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-10周年目前の今のタイミングだからこそできるという自信があってのライヴRECというのもありましたか?
Yosh:10年前だったら間違いと思っていたものを今は自信を持って"味"と言える。バンド内部ではわかってますよ、"あいつミスったな"って。けどそれがもはやライヴの一部であって、そこでお前ベース練習しろよ、ドラム練習しろよ、ヴォーカル練習しろよってお互いしっかり会話できて、ちゃんと家に帰って練習するみたいな。
Ivan:こいつは絶対ここで間違えるからみんなそれに合わせるっていう。
Yosh:そうそう(笑)。
Ivan:それがバンドのグルーヴだし、ノーマルだと思うんだよね。音楽っていうかバンドの。
Yosh:みんな常に100パーセントでいられないから、80パーセントになってるときに、支えられる、そういう関係なんですよね。
-言ってしまえばミスや手癖すらも、そこに合わせてフォローしていくというか。ミスしやすいタイミングとかずれやすいタイミングとか、そこに対してみんなでフォローしていく感じですか?
Show:ずっと残るものじゃないですか。みんな、なんだかんだでプライドがあるから、やっぱり修正していくんですよね。"あ、直してきたな"みたいな。
Yosh:意外としれっと直してくるよね。やっぱり全体的に見てるのがShowなので、みんなのズレてるところを一番黙って見てる。
Show:そこを直してくると、"あ、今まで気にはしてたんだね"って(笑)。
一同:(爆笑)
Show:本当は気にしてたけど触ってこなかった。
Yosh:今はそのタイミングなんだね。
Show:そういう意味でも、ライヴひとつでも、ここいつもミスってたなっていうことを見つめ直せたりして。
-そういう部分も見つめ直すコロナ期間だったっていう。
Yosh:間違いないですね。
-各々が宿題で2曲上げてくる話があったじゃないですか。セレクトした曲をお互い見て、予想通りでしたか、予想外でしたか?
Show:意外な曲はあんまりなかった。例えばYoshだったら絶対「Right and Left」選ぶだろうなって。
Ivan:でも被らなかったよね。
Yosh:いや、俺とTatsuya(Gt)が1曲だけ被ったけど、俺は被る可能性も踏まえてちゃんと選択肢に入れてたから被らなかった。だからある意味みんな予想してたんだろうね。"これいくだろうな"って(笑)。
Ivan:逆に全員同じ曲だったらそれはそれで面白かったけどね。この2曲だけでいいんじゃねって言って(笑)。
一同:(爆笑)
-シングルでリリース(笑)。
Yosh:ベスト・オブ・シングル、結構最先端だな(笑)。
-攻めまくってる(笑)。
Yosh:攻めまくり(笑)。これが俺らのベストだっていう。
-でも被らなかったのはすごいですね。
Yosh:いやもう、さすがだなって思いましたね。
Ivan:でもそれだけみんな個性があるってことなんだよね。みんな各々違うタイミングで出会って、違うタイミングでこのプロジェクトにジョインして、プロジェクトに対して、みんなそれぞれの想いがちゃんとあったと思う。このベスト・アルバムを作る前に各々が10年間を振り返ってみた結果選んだ曲だよね。
-なるほど。個人的な好みもあるとは思うんですけど、メンバー各々の分岐点となる曲を選んだってことですね。
Show:分岐点っていっぱいあるじゃないですか。言ってしまえばどの曲も思い出があるし、思い入れがない曲なんてないんですけど、その中で自分は特に"この1曲で大きく変わったな"ってところをそれぞれ選んだのかなって思いますね。
-読者のためにも、今までの作品のレコーディングについても教えてもらっていいですか?
Yosh:僕らの音楽ってアメリカン・ミュージック、アメリカン・ロックに近いんですが、そこをレーベルやマネージメントが理解してくれてたので、根っこは音だってことで他のバンドとの差別化もあり、基本的にアメリカでレコーディングさせてもらってます。エンジニアはISSUESやDANCE GAVIN DANCEなど、Rise Recordsの有名どころをやってる、Kris Crummettとずっと一緒にやってきてるのですが、メンバー全員、彼が世界一のドラムの音を録るエンジニアという認識なので、基本的にアルバムになるとShowはずっと行ってますね。
Show:『Inside Your Head』では僕だけアメリカに行ってドラムだけ録ってきました。やっぱり空気も気温も違うし、もちろんエンジニアの感性も日本とは根本から違うところがありますね。今までドラムはいろんなとこでレコーディングさせてもらったんですが、"ドラムだけはどうしてもポートランドで録りたいんだよね"ってみんなに言って、録らせてもらいました。
-本作もKrisですよね?
Yosh:ミックス、マスターはそうですね。
-電話とかでやりとりして。
Yosh:もうパターンができてる。彼とはもう何年間もやってるので。
Ivan:アルバム3枚? 4枚?
Yosh:4枚。フル・アルバムっていう括りで考えるとそうだね。
Ivan:Krisから教えてもらったことはすごく多い。
Yosh:間違いない。僕の設定してるスタジオもKrisのセットアップを中心にして全部やってますね。
-Krisベタ褒めですね。
Yosh:彼も俺らも時と共に成長してる感があって。
Show:最初はまったく合わなかったんです。特にYoshは英語が喋れるじゃないですか。"すげぇあいつむかつくんですけど"みたいなこともいっぱいありましたね。
-結構戦ったんですね。物言わない日本人じゃないですね。
Yosh:あと彼は日本で活動してる俺らを見れないので、だから"はいはい、どんなもんなんだ?"って俺らのこと思いながらも、時々ディテールを見てくれたり、俺らのこだわりに合わせてくれたり。
Ivan:リピートしてるぶん、彼も俺らの成長を見れたと思うんだよね。
Yosh:くそ嬉しかったのは"DANCE GAVIN DANCEのスピード感でアルバム出すのってお前らくらいじゃない?"って言われて。彼はDANCE GAVIN DANCEをすごく愛してるんですよ。彼のレコーディング・スケジュールはDANCE(DANCE GAVIN DANCE)中心に回っているくらい、DANCEが好きなんです。そんな彼が"DANCEくらいまで行ったんだよ"って言ってくれて。
-それは嬉しいですよね。
Yosh:DANCE GAVIN DANCEは最先端のサウンドをずっとキープできてるバンドなんで。レベルが全然違うと思ってたアーティストと一緒にしてくれたことには感謝ですね。
-そんなにKrisを気に入ってたら、他のプロデューサーやエンジニアを試したいと思うことはないんじゃないですか?
Yosh:試したことはあります(笑)。:レコーディングっていう概念と、音との向き合い方が変わってきている時代だと思っていて、それをキャッチするのがサバプロなんだろうなとイメージしているので。だから僕らも少しずつ成長してきて、最近見えてきたのはセルフ・プロデュースですね。こうやってベストが完成して、全員が自信を持って自分らの音、やり方、アレンジに筋肉がついてきてるタイミングなので。X-MENがアベンジャーズになる瞬間というか。そこが今なのかなって。
-例えが(笑)。
Yosh:マネージャーが例えてたんで(笑)。めちゃくちゃ自分が言ったかのように使ってる(笑)。