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INTERVIEW

coldrain

2019.08.27UPDATE

2019年08月号掲載

coldrain

メンバー:Masato(Vo) Y.K.C(Gt) Sugi(Gt) RxYxO(Ba) Katsuma(Dr)

インタビュアー:村岡 俊介(DJムラオカ)

-先ほど話に出た「COEXIST」ですが、イントロから最後の1音まですごくドラマチックで雰囲気のある楽曲ですね。coldrainが大事にしているミドル・テンポの楽曲の魅力を、十二分に伝えることができていると思います。日本人はミドル・テンポをあまり得意としていないと思うんですが、この曲にはそれを払拭するギミックがいくつもあって。海外のリスナーにもしっかり刺しつつ、日本のリスナーにも届けようとしてる感じが伝わってきました。

Y.K.C:そうですね。ああいう雰囲気で始まる曲って、どうしてもその雰囲気のままいってしまいがちなんですけど、いわゆるハーフ・ビートのサビにはしたくなくて。倍テン(※ノリを倍速にすること)のサビにしたかったんですけど、曲のテンポは上げたくなかったんです。普通にビートを叩いちゃうとのぺっとしちゃうくらいのスピード感の曲なので、ああいう裏打ちのハットを入れるのをKatsumaに頼んだりだとか、裏打ちの中にも裏の裏にキックが入ってて結局16ビートになってるとこがあったりとか。

Katsuma:だから疾走感はすごくあるんですよね。

Y.K.C:疾走感を出せるようなスピード感の曲じゃないんですけどね。そこらへんはちょうどいい塩梅のテンポを探るとかもしましたし。あとはギターのフレーズとかも、全部それに合わせてストロークすると、それはそれで間延びしちゃうんで、じゃあ序盤は全部8ビートで、ロックンロールな感じで埋めてとかそういう細かい部分の調整はしましたね。今はみんなにそういうことを把握してもらって、グルーヴを考えてレコーディングできる状態になってきてるので、軽快さだけじゃなくて、もうちょっとドシッとしたものも加わって。僕も個人的にはそういうグルーヴがうまく出せた曲なんじゃないかなと思ってますね。

Masato:先ほど言っていただいたように、日本のオーディエンスが得意じゃないテンポ感ですが、でもめちゃくちゃ日本人らしい曲なんですよ。その日本人に訴え掛けられる要因が1音目なんですよね。最初の空気感に、僕ら全員が初めてデモを聴いた瞬間から"おぉ、いいじゃん!"って心を掴まれた曲なので、そこからどれだけビートで遊んだりしても、もっと聴いてみたいというか、逆にグッとくるというか......。日本のオーディエンスからしてみれば、そのサウンドのクオリティや、ちょっとしたギミックが心くすぐられるポイントだと思うし。絶対に日本人じゃないと書けない曲だなって思っていて、個人的にはすごく"和"を感じてる曲なんです。琴じゃないけど、音的にそういう瞬間もあるし。ヨーロッパを回ったあとだし、そういうのを推していくタイミングとしては良かったんじゃないかと。海外の人からウケてるっていうのも、日本人らしさっていうのをより感じてもらってる証拠なんじゃないかと思いますね。

-すごく練られているということを改めて感じました。本当にイントロから最後の1音まですべておいしいっていう。なんだろう、皮まで食べられる果物みたいな(笑)。Masato君のクリーン・パートも、もともとすごく美しい声なんですけど、そこに力強さも加わってる感じがして。歌い方も少し変えたのかな?

Masato:転機になったのは、Crossfaithに呼ばれて「Faint」(LINKIN PARK)のカバーをしたときに、Chester(Chester Bennington)の声をもう1回研究して。そしたら、シャウトしながら歌うっていうChesterもライヴでやってない音色があって、それを取り入れました。ライヴでは難しい瞬間もあるんですけど、レコーディングだけの作り込みをして、それを続けていたらライヴでもできるようになってきたんです。慣れてくるまではどの曲も難しいんですけど、レコーディングは何回でも満足するまでやりました。Elvisは特にヴォーカリストに対しては、エディットでというより、テイクとして完璧なものにする主義なので。そういう部分は前作よりさらにレベルが上げられたところなんじゃないかと。それで、アグレッシヴなクリーン・パートを増やすことができましたね。

-あとは、先ほどドラムの話も出ましたが、リズム隊も面白い楽曲だなと。

Y.K.C:今回は、coldrainのアルバム史上、確実に曲のバリエーションが多いと思うんですよ。『FATELESS』はヘヴィ・ミュージックに対する楽曲という方向性で、1本筋が通ったアルバムだったと思うんですが、今作はその方向性を楽曲だけに頼らないというか。Track.3の「SEE YOU」やTrack.1の「MAYDAY (feat. Ryo from Crystal Lake)」などは、他のバンドがやっていそうな曲ではあるけど、俺らがやったら、楽曲以外のところにも軸があるから、それがすごくcoldrainらしさに繋がるという。それを提示する材料としてリズムのバリエーションが重要なんですよ。今までやってそうでやってなかった挑戦だし、それがいいように働いて今回のアルバムになったんだなと思いますね。

-なるほど。戻りまして、「MAYDAY (feat. Ryo from Crystal Lake)」ですが、アッパーでラウドな楽曲なので1曲目っぽいかなと思いつつ、フィーチャリングの曲が1曲目は結構意外なんじゃないかと。

Masato:そうですね。ないと思います。ただ、「MAYDAY (feat. Ryo from Crystal Lake)」が1曲目に合っているって思っただけで、そこまでフィーチャリングの曲どうこうって考えたわけではないですね。フィーチャリングのパートは早い段階で"あ、このパートは俺じゃない、Ryoだな"って思えて。Ryoはいろんなタイミングで"いつでも呼んでください"って言ってくれてたので、来てもらったんです。めっちゃ狙って作ったとかでもないし、ただただ任せるヤツがRyoだなって思ったので、そのまま頼んだ感じですね。Ryoとしても新鮮なところがあったと思いますね。それで、いろいろ録ってもらったのを、俺はできるだけ削ぎ落として生のRyoの声の状態にしてもらって。それを最初本人は嫌がってたんですけど、俺が考える彼の一番の良さの部分を出してもらって、すごく気持ちのいいフィーチャリングになりました。

-ゲスト・ヴォーカリストを迎えたのは、前々作のPAPA ROACHのJacoby(Jacoby Shaddix/※「Runaway feat.Jacoby Shaddix」で参加)以来かな?

Y.K.C:そうですね。あと、歌じゃないシャウト・ヴォーカルを入れるのは初めてで「MAYDAY」のあのシャウト・パートはPANTERAみたいな雰囲気がRyoにすごく合ってるし(笑)。"どういうふうになるのかな?"って思うことって、なかなかないんですよね。僕からしたら、だいたいいつも"こういうふうになるだろう"ってわかっているので。それがRyoに頼むことによって未知のものになるのが、すごくテンション上がるっていうか。

Masato:それに、まだまだ日本でもRyoのヤバさ、Crystal Lakeのヤバさを知らないって人がいると思うし、俺がCrystal Lakeの「The Circle feat. Masato (coldrain)」でゲスト・ヴォーカルをやったのもあるんですけど、お互いにキャッチボールする感じでいいんじゃないかと。そこに運命を感じましたね。蓋開けてみたら、"Download Festival"もCrystal Lakeとcoldrainが同日に出演者として並んでたりして。そういう意味でもちょうど良かったなと。俺がやってもやりきれるパートかもしれないけど、それでもRyoのカラーが出たことで結果的に良かったなと思いますね。

-さっき「MAYDAY」に対してPANTERAという表現も出たけど、この曲はわびさび感はあんまりなく、真っ向からヘヴィ・ロックに向き合ってる骨太のサウンドですよね。

Y.K.C:このアルバムではいろんなことをやってるんで、演奏的にもほとんどみんなずっと同じフレーズをやり続けるみたいなストレートな曲が1曲くらいあってもいいかなと。意外とそういうのって今までなかったので、そういう意味でも1曲目として気持ちいいんじゃないかなと思いますね。

-なるほど。強烈なハードコア・シャウトから始まるTrack.4の「SPEAK」は、今作でも一番邪悪度高めな1曲ですね。ブレイクダウン・パートは、スポーティなブレイクダウンではなく、不穏なコーラス入りの湿度高めなもので、それも面白いです。

Masato:90年代な感じですよね(笑)。

-コーラスとかもあえてそういう感じに?

Masato:自分たちのルーツというか、好きが盛り込まれた楽曲だと思います。coldrainのライヴに行って暴れたいっていう人にはドンピシャな曲だろうなって。

-そのあとが、タイトル・トラックでもあるTrack.5「THE SIDE EFFECTS」ですが、おそらく他でも突っ込まれると思うんですが、冒頭はLINKIN PARKの「What I've Done」などのバラードを髣髴させますよね。

Y.K.C:あえての、ですね(笑)。

-LINKIN PARK愛がありますよね。でもきれいなバラードのまま終わらないというか、その意識を払拭させる予想してないパワフルな展開が控えているのが面白いです。

Masato:よくわからない曲ですよね。その不思議さが、"どうよ!?"って(笑)。今までで一番未知数のまま放つ曲って感じですね。この曲は人によってどういう曲だったか感じ方とか印象に残る部分が違うと思うんですよね。そういうのも、今まであんまりなかったというか。なので、反応が楽しみな楽曲ですね。

-この曲をアルバム・タイトルにしたのは? この言葉が気に入ってタイトルとして選んだのか、それともこの曲を推したいからタイトルにしたのかどちらでしょうか。

Masato:両方かもしれないですね。歌詞的にもそうだし、なんとなく全体的なテーマとしても合ってる気もしたし。一番想像ができない曲というところも、このアルバム全体を表していると思うんです。一番みんなの反応が気になる曲をタイトル・トラックにしたいって気持ちもありましたね。