INTERVIEW
Survive Said The Prophet × Newspeak
2019.03.26UPDATE
Survive Said The Prophet:Yosh(Vo)
Newspeak:Rei(Vo/Key)
インタビュアー:TAISHI IWAMI Photo by 上溝恭香
-Survive Said The Prophetのアルバム『WABI SABI』(2017年リリース)じゃないですけど、ReiさんもYoshさんもルーツは日本人であり、日本人として日本を愛する目線とインターナショナルな目線での日本への思い、両方があると思うんです。この感じは私のような島国の田舎人間からするとすごく刺激的で。
Yosh:オリンピックが近づいてるから、俺らみたいな人間のニーズは高くなってると思うんですよね。英語が喋れて周りに外国人がたくさんいる変な人って見られてた。だんだんそれが受け入れられるようになってきて、日本でもいろんなカルチャーが混ざってきてる。
-なるほど。
Yosh:インター(インターナショナル・スクール)にいたころはミックス・カルチャーが普通だったからよくわからなかったんですけど、社会に出ていろいろ感じたんですよね。でも日本に住んでる方が長いのは、居心地がいいから。みんな人のことを考えてちゃんとケアするし、安全だし。最近は特に言ってくれたような話をしてくれる人が多くなってきたんです。だからこそ俺らみたいなのが英語を使ったり日本語を使ったりすることで、いろんなカルチャーの架け橋になれると思ってます。
Rei:俺も考え方はYoshと同じ。でももしかしたら少し違うのは、順番的に思いっきり日本人的な感覚からYoshの方に近づいていったってことかも。アメリカで生まれて日本で育って、またアメリカで働いたりイギリスに行ったりして"あぁ、こんな考え方なんだ"って肌で感じて、気がついたらよくわからないポジションに(笑)。
Yosh:そうなんだ。そう考えると俺もそうかも。当時大人じゃないなりにどうすればいいか考えたら、思い浮かんだのは身を隠すことだったし。
-日本人のコミュニティでですか?
Yosh:いえ、インターでもどっちでも。目立たないようにすることを頑張ってた。
Rei:そこ、俺はずっと目立ちたがりだったわ。
Yosh:小さな子供のころはそうだったよ。"俺がNo.1!"、"俺が赤レンジャーだ!"って。でもそういう時期が過ぎたときに、"目立ちすぎるとヤバい。俺変な奴だ"って思うようになったんだよね。
Rei:そこは日本人的なんだ。
Yosh:日本人のコミュニティにいると"それ言いすぎ"って言われるし、アメリカ人には"なんでもっともっと自分の考えを話さないの?"って言われるし、自分を失ったの。でも、そんな俺でも唯一自由になれたのが音楽。いろんなことに対して"ありじゃない?"って。例えばめちゃくちゃ変なTシャツを着てて、それがカッコいいって言い続けてもOKだし、カッコ良くなってくるじゃない? 丈が半分のノースリーブとか。
Rei:それStevenやん。また放り込んできた(笑)。
-日本人のコミュニティって多くは統一性が求められるから、はみ出すと"あいつはなんか違う"と壁を作られる。だから個性を隠さなきゃいけない。たしかに誰かが自分を出すということで不愉快に思う人も出てくる。そこでライヴハウスのいいところは、場所は狭いけど、人が寛容になれる広さがあるじゃないですか。さらに国際的な目線もある両バンドが起こすカルチャーが、都会だけじゃなくて、47都道府県を回る。いろんな人の価値観が肯定される、すごく意味のあることだと思うんです。
Rei:カッコいいと思うことをなんでストレートにやっちゃいけないのかって思うんです。
Yosh:それ以上でも以下でもないんですよ。でもそのために頑張らなきゃいけない、変な時代ではあったと思うんです。ソールド・アウトとかフロアがパンパンとか、そうなってほしい気持ちはあるけど、全然重要じゃない。47本もライヴをしてたら、もう音楽だけに集中するしかなくて空間ができあがってるから、来てくれた人も本質的なところで"こんなカルチャーあるんだ。面白いな"って思ってもらいたいんです。
Rei:うん、そういう人を増やしていけるツアーにできたらいいね。
Yosh:"このカルチャー俺が先に見つけました"みたいに閉ざすのはもう飽きた。"こんなのあるよ。おいで"って、そういうスタンスのスペースにできたら、その中に壁なんてできない。Newspeakとサバプロは曲を作ってる場所も同じなんですよ。彼らが作ってる音が漏れてきて、カッコいいと思ったらちょっとそこに遊びに行くこともあるんです。
Rei:この間レッドブル抱えて来たよね(笑)。
Yosh:同級生と一緒にやることにジャンルも何もないじゃないですか。"それカッコいいね"って。そういう感覚で音楽をシェアできたらもうちょっとピュアな世の中になるんじゃないかと。ヒップホップだからこれを着なきゃいけない、パンクだからこれを履かなきゃいけないって時代でもない。みんなミックスしてる。で、それがまたヒップスターって呼ばれたり、トレンドって言われたりして固定されるのもいいと思うけど、そもそも根っこにある"いいものはいい"という感覚をどう伝えるかなんですよ。
-その説得力が強いツアーだと思いました。
Yosh:このスタンスが広まればバンド側もみんな居心地がもっと良くなるし、自然に海外にも行ける。何かを演じてジャンルを超えたり国境を超えたりするわけじゃない。それを母国の日本でできる可能性を与えてくれたのがNewspeak。彼らと俺らの間にあることは人に伝えるべき物語だと確信してるし、決して成功しなくても、次の世代にモンスターが出てくるかもしれないと思ってます。それが俺らでありたいってのは本音だけど。こういうことを説明しちゃうのはバカなのかもしれないけど、言わなきゃいけないこともあるから。
Rei:ここまで話したことが「Never; Saying never」に詰まってる気がするんですよね。
-ツアー会場でリリースされるReiさんが参加したSurvive Said The Prophetの新曲ですね。
Yosh:Reiの言う通りだね。俺たちは結局言葉よりも音楽で話すことが多かった気がする。男と男が面と向かって"愛してるよ"とはあまり言わないけど、音楽と一緒にある瞬間ってそうだと思うんです。って言うのも恥ずかしいけど(笑)。
Rei:Stevenには言うのにね。
Yosh:(笑)この曲はReiに歌詞を書いて渡して、お互いにイメージする世界をシェアしてそれぞれの中から出てくるメロディを歌い合って。その瞬間はジャンルのことなんてまったく考えてなかったし、"Same"なんですよね。いつも同じように感じてる。サバプロよりNewspeakがちょっとあとに出てきた。タイムラインがちょっとずれてただけ。
-サウンドはどんな感じなんですか?
Yosh:Reiが一緒にメロディを考えてくれたりシンセも入れたりしてくれたから、この曲のクレジットにはReiもいる。サウンド的にはtoeインスパイア、プラスNewspeakとサバプロって感じかなぁ。
Rei:予想できない方向ではあるよね。
Yosh:サバプロでもNewspeakでもなければサバプロでもNewspeakでもある。どこから見るかだよね。やったことないことをどうマッチングするか。あとはライヴでやってみたいよね。めちゃくちゃ酔っ払ってたらちょうどいいかも(笑)。
Rei:さっきも話した才能のあるトラックメイカーの流れは、これからもどんどん進むと思うんです。だからこそ音を生で鳴らして熱量を出せる"バンド"たる武器を突き詰めていきたいし、その輪をサバプロと一緒にどんどん広げていきたい。ロックって何かを語るなんて難しいしカッコ悪いけど、自分がありたいようにあることだと思います。思ったように身体を動かして歌うこと。それを一緒にやってくれる人たちを根っこから増やしていきたいです。
Yosh:Newspeakが曲を作るスピード感が速いんですよ。
Rei:サバプロもそうじゃない?
Yosh:ミックス、マスタリングまですごい勢いじゃん。あれは勝てないわ。
Rei:なるほど。
Yosh:たぶん日本のインディー・バンドで一番速いし、クオリティもヤバい。繊細なところまで行き届いてるし、歌詞もそう。これから出てくる音源も最高だし楽しみにしててほしい......って俺が言ってもいいのかな(笑)。だから、できればNewspeakの音源を聴いてきてほしい。無理に好きになれとかじゃなくて、イヤフォンの先から流れてくる音楽は人間が作っていて、その人間にも感情があるってことだけわかってくれたら。俺らがNewspeakを呼んだ意味がそこにある。
Rei:ありがとう。よろしくお願いします。
TOUR INFORMATION
"Now more than ever Tour"
3月27日(水)甲府CONVICTION
3月29日(金)福井CHOP
3月30日(土)富山 SOUL POWER
3月31日(日)京都MUSE
4月2日(火)新潟 CLUB RIVERST
4月3日(水)金沢vanvan V4
4月5日(金)松本ALECX
4月10日(水)滋賀B-flat
4月11日(木)神戸VARIT.
4月13日(土)和歌山 CLUB GATE
4月14日(日)奈良 NEVERLAND
4月16日(火)岡山 livehouse IMAGE
4月17日(水)広島 SECOND CRUTCH
4月19日(金)山口 周南LIVE rise
4月20日(土)島根 出雲APOLLO
4月21日(日)鳥取 米子laughs
4月23日(火)大分club SPOT
4月24日(水)福岡Queblick ※SOLD OUT
4月26日(金)愛媛 松山サロンキティ
4月27日(土)徳島 club GRINDHOUSE
4月28日(日)高知 X-pt.
4月30日(火)香川 高松 DIME
5月7日(火)岐阜 柳ヶ瀬ants
5月9日(木)梅田CLUB QUATTRO
5月10日(金)名古屋CLUB QUATTRO
5月11日(土)三重 四日市Club Chaos ※SOLD OUT
5月13日(月)群馬 高崎club FLEEZ
5月14日(火)埼玉 越谷EASY GOINGS ※SOLD OUT
5月17日(金)渋谷CLUB QUATTRO ※SOLD OUT
5月23日(木)青森 八戸LIVE HOUSE FOR ME ※SOLD OUT
5月24日(金)岩手 盛岡CLUB CHANGE WAVE
5月28日(火)山形ミュージック昭和Seission
5月29日(水)福島 郡山CLUB #9
5月30日(木)宮城 仙台darwin
6月1日(土)秋田 Club SWINDLE
6月4日(火)北海道 cube garden
6月8日(土)沖縄 output
6月14日(金)茨城 水戸LIGHT HOUSE
6月18日(火)長崎アストロスペース
6月19日(水)佐賀 GEILS
6月21日(金)宮崎 SR BOX
6月22日(土)鹿児島 SR HALL
6月23日(日)熊本 Django
6月25日(火)栃木 HEAVEN'S ROCK 宇都宮
6月26日(水)神奈川 横浜F.A.D ※SOLD OUT
6月28日(金)静岡 Sunash ※SOLD OUT
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