メロスピだけじゃなく、ラウド、メタルコアも聴くので、そういう曲を作ってみたいなと

－基本は紫煉さんが作ったデモをみんなに聴かせて作っているんですか？

紫煉：そうですね。9割できあがってるものを練習するスタイルです。もうちょっとセッションっぽい曲も作ってみたいですけどね。インスト曲「Spartan Army」は若干セッションしながら作りました。

－他のメンバーのみなさんは今回のデモを聴いて、どう思いました？

冬黄：「Knight of Sword」は"紫煉が書くあんきものリード曲はこれだな"って。安心と信頼の紫煉節を感じました。

小川：めっちゃ前に録ったんですよ。去年の夏ですからね。

紫煉：この曲は実はコンピレーション作に入れる予定で、それから今作に入れるつもりだったけど、そのコンピがぽしゃったんですよ。だから、早めに録ったもので。

冬黄：あぁ、そうか。あと、「KIZASI」という曲が生まれる経緯を聞いて、"おっ！"と思いました。

－「KIZASI」はめちゃくちゃラウドな曲調ですね！

紫煉：手を怪我したので負担が少なくなるように、俺のパートは左手の指1本で弾ける曲を作りました。縛りがあったからこそ生まれた曲ですね。曲はいくらでも作れるけど、自分の中で何かひとつ新しいチャレンジをしないと嫌なんですよ。

－今作の中で「KIZASI」はメタル、ラウドロック好きにもアピールするアグレッシヴな楽曲ですね。

紫煉：俺もメロスピだけじゃなく、ラウド、メタルコアも聴くので、そういう曲を作ってみたいなと。

小川：俺も好きな曲ですね。

冬黄：普段のあんきもの曲より簡単だったりする？

小川：覚えるのは簡単だけど、途中でポリリズムみたいなリズムがあって、そこは難しかった。こういう曲はあんきもになかったので、いいなと思いました。

FUMIYA：男3人でコーラスを録ったのですが、楽しかったですね。"バンドやってるな"と思いました（笑）。あと、バスドラのフレーズは既存の曲にも散りばめられていたんですけど、ここまで全体的に現代風のメタルに振り切った曲調は少なかったですからね。そういうのが好きな子には訴えられるかなと。そのうえであんきもらしさもミックスできたと思います。

仁耶：今までのテクニカルな曲からすると、ギターの奏法的にはシンプルで簡単なんですけど、左手の指1本で弾けるというコンセプトがあったので、それが難しかったですね（笑）。ギター・ソロも指1本で弾けるんですよ。

冬黄：えっ、そうなの！？ すごいなぁ。

紫煉：この曲はみんなに叫んでほしいですね。

Jill：ちなみに、この曲をアレンジしたのは？

紫煉：あんきもはたまにキーボード・アレンジを櫻さんにお願いしてて、「KIZASI」はそうなんですよ。だから、いつもとヴァイオリンのフレーズも違うんですよね。

Jill：いざ譜面を見たら、"なんじゃこりゃ！"と思うほど紫煉さんと違いましたからね。鍵盤奏者の方が書いたアレンジは弦楽器には弾きづらいフレーズも多いけど、無理しないと弾けないものはエネルギーが生まれるんですよ。それがラウドで疾走感のある曲調とマッチしていたので楽しかったです。

－今作は新曲あり、リレコーディング曲ありと、現時点での集大成感を見せたかったのでしょうか？

紫煉：13曲あるので、集大成になっちゃうというか。かといって、自分の引き出しを全部開けているわけではないし、バンド的には集大成を見せられているかなと。

冬黄：うん、"メロスピ・アルバムです！"という感じではないもんね。

紫煉：今回は聴いてくれた人のリアクションが気になります。

冬黄：今作をきっかけにあんきもを聴いてくれる人も多いと思うので、メロスピ以外の曲調をこれだけ詰め込むことができて良かったですね。

－「鎮昏歌」はヴァイオリンを押し出したバラード風の曲調で、これもすごく良かったです。

紫煉：超いい曲ですよね（笑）。デモの段階から神すぎると思いました。アニメ映画のエンディングで流れてもいいかなと。

Jill：ヴァイオリンのフレーズが生きるラインをアレンジしてくださって、私もいい曲だなと思いました。メロスピだけじゃなく、いい曲があるのは強味だなと感じます。

紫煉：ヴァイオリンのアウトロのソロがめちゃくちゃ良くて、"おっ！"て声が出ちゃうんですよね（笑）。