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INTERVIEW

The BONEZ

2015.03.25UPDATE

2015年04月号掲載

The BONEZ

Member:JESSE (Vo/Gt) T$UYO$HI (Ba)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-ジャンルに捕らわれないけどThe BONEZとしての根幹は失わないって感じですよね。

T$UYO$HI:普遍的なことしかやってないですよね。最近のメタルコアとか、若いバンドとかもチェックしつつ、でも"これは流行ってるけど俺はピンとこないなぁ"とかも思っていて。やっぱり1990年代のTHE SMASHING PUMPKINSとかRAGE AGAINST THE MACHINEとかがめちゃくちゃ好きだなって思って。THE SMASHING PUMPKINSはボックス・セットを買い直したりしたんですけど、そのときに"俺らもこれ出してやれ"ってちょっと開き直って作ったのもありますね。でも同時に俺はアンテナは錆びさせたくなくて。新しいものでもいいと思ったらそれは普通に聴くし、食わず嫌いにはなりたくなくて。流行っててもピンとこなかったら聴かないし、ピンときたら聴けばいい。他に選択肢がないからそれしか聴かないんじゃなくて、他にも選択肢はあるけど俺はこれが好き!っていう自分でいたい。The BONEZもそうでいたい。

JESSE:バンドって本来そうあるべきだと思うんだけど、"じゃあ俺は赤、じゃあ俺は黒"ってみんな決めてからバンドやってる気がして。いいじゃん、別に決めなくても。すべてのバンドって本当は唯一無二なはずなんだから。

T$UYO$HI:ちょっとつまんないよね。

JESSE:スタイルって嫌でも決まっていっちゃうから。だったら最初からあえて決めてやるよりも、決まっていくまでときを待つ。で、The BONEZは決まるまで待ってたらこういうバンドになってた。最初にインタビューしてもらったときに、WEBだと文字をカットせずに全部載ったじゃないですか? あのときThe BONEZが翌年どうなるか、予想できてた部分とできてなかった部分があるんじゃないのかなって。それはやっぱ俺らもだし、それがバンドの面白さなんじゃないかな。最初THE SMASHING PUMPKINSの『Gish』を買ったときに、ヴォーカルが天然パーマだなんて思いもよらなかったし(笑)、ベースが女性で、ギターが日系人だなんて全く思わなかったし、ヴィジュアル先行じゃなく音先行っていうか、The BONEZもそうなれてる気がする。『Astronaut』のツアーの物販は全部自分たちでやって、さらに在庫管理から発注まで全部自分たちでやっていて、普通だったらライヴだけに集中してればいいと思ってたんだけど、それはただの贅沢で、全部把握してこそバンド・ライフだと思うんですよ。いくらRIZEやPay money To my Painのメンバーだって売れないときは売れないし、人が入らないときは入らない。前に広島でも中3ぐらいのすっげぇ若いヤツが汗だくで物販に来て、"最初のバンドのヴォーカルさんですよね? 名前なんていうんですか?"って聞かれて、"JESSE"って答えたら、"へぇ、めっちゃかっこよかったよ!"って言われて(笑)。JESSEって言ってももう知らない子がいるんですよ。俺のことを知った人が多いのは「ピンク スパイダー」のころぐらいだと思うんですよ。「Why I'm me」は2000年だし、ドラマの"池袋ウエストゲートパーク"に出たのも2003年だし、「ピンク スパイダー」は2006年だし、何回か日の光を浴びて、"RIZE"、"JESSE"だって広まったとはいえ、もう俺はRIZEのJESSEだから人が来るってまったく思ってないんですよ。その中で再度無名な俺になってることが第2のチャンスなの。ここでまた"あいつヤバくない!?JESSEってヤツらしいよ、The BONEZっていうらしいよ!"って言わせられる気がしてる。普通だったら以前の栄光を掲げて"俺RIZEのJESSEだから!"って思わせ続けてやるんだろうけど、前の俺は知らなくていいから今の俺を見てファンになってくれればいい。その自信はすごくある。SiMやcoldrainとかと対バンすると、キッズから"兄ちゃん、かっこよかったっすよ!"とか言われて(笑)、すごく嬉しい!

T$UYO$HI:16歳ぐらいの子だったら知ってるはずないもんね。

-その若さだとRIZEのJESSEだと知らなくて、逆にフラットな目線で見てるでしょうしね。

JESSE:俺がもしRIZEのJESSEを売りにしてたら、満足してないのかもしれない。"俺は前にZeppもソールド・アウトしてるのに、なんでQUATTROでやってんだよ"みたいなヤツだったら。そういう人もいるし、それが悪いとは思わないけど。でも俺からしてみたら機材をセッティングするところも、"ほら、演奏だけじゃなくて自分の機材は自分でセッティングしたくなったろ? 自分の機材は自分でイジるってかっこよくね?"って見せてるところなんですよね、The BONEZでは。しょうがないから自分らでやってるんではなくて、そこすらかっこよく見せるんですよ。で、キッズがただ人前で演奏するだけじゃなくて"よし! エフェクターをゲットしたからどう使おう?"って自分でやっていくことを伝授できてる気がする。

-Track.2の「Place of Fire」はNISSAN X-TRAILのCMでも使用されているのでファン層がさらに広がりそうですね。

JESSE:すごいよね。ウチの娘の学校の友達の親はRIZEもThe BONEZも知らないけど、日産のX-TRAILのCMの曲ってわかると"あの曲そうなんですね!"って(笑)。

T$UYO$HI:やっぱテレビの影響力はでかいね。ライヴハウスに通ってる人じゃない、一般層の人にはテレビってわかりやすいツールなんだなって。俺も息子の参観日があって、初めて隣のクラスの親が知ってたよ。"石川さんのお父さんってスタイリストなんでしょ?"って話になって、"違うわよ、表に出る方よ!"って(笑)。"The BONEZって知らないの!?"、"え!The BONEZなの!?あれでしょ、RIZEとPay money To my Painの!"ってお母さんたちが話してたり(笑)。

全員:(爆笑)

JESSE:だから日産のCMのおかげで、点と点が繋がった人はいるかもしれない。

-そういうCMにもラウドなのに自然にスッとハマるサウンドはThe BONEZの強みですよね。

T$UYO$HI:アイコンじゃないけど、そこまで音楽知らない人にやっぱりバンドってかっこいいって思ってもらえる窓口っていうか、アンダーグラウンドのカリスマになりたくないというか。広い間口の人に聴いて欲しいし、もちろん音楽好きな人にも聴いて欲しいけど、そこだけにかっこいいと思われればいいと思ってこのバンドはやっていない。

-CM用に無理にポップな楽曲にしたわけではないのに、The BONEZの楽曲がそういうCMにハマってしまう、でもヘヴィにロックしているバンドだっていう点は唯一無二ですね。

JESSE:面白いですよね。他とは比べられないバンドをやろうって狙ったわけではないのにThe BONEZみたいなバンドって今日本にもアメリカにもイギリスにもいないと思うんですよ。ウチらは逆に、みんなに受け入れられるようなものにしたいよねって言いつつ、まったく違うものになってる。ウチらの経験値の強さだと思う。

T$UYO$HI:ちょっと独特なポジションにいますよね。