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INTERVIEW

The BONEZ

2015.03.25UPDATE

2015年04月号掲載

The BONEZ

Member:JESSE (Vo/Gt) T$UYO$HI (Ba)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-そのタイミングでは曲作りの方が大事だったと。

T$UYO$HI:そのタイミングでのそういう気持ちを曲に封じ込めたかったかな。そういういい意味で今まで一緒にやってきたバンドにケツ叩かれてる感じだったし、言ってしまえば俺たちはまだ新人バンドだけどまたライヴに誘ってくれたりとか、そういうことに対してちゃんと応えたいって気持ちはありましたね。

-『Astronaut』は本格的にツアーを行ったりという経験をまだ積んでいない段階で作った作品で、『Beginning』はツアーを回ってフェスにも出てと、バンドとしての絆を深めてから作った作品なので、まったく異なった環境での作品だと思うのですが、いかがですか?

T$UYO$HI:『Astronaut』のときはまだNAKAがいなかったですからね。レコーディングではZUZUが弾いてたから。

JESSE:「Place of Fire」がNAKAが初めてレコーディングで弾いた曲だから。「Place of Fire」も結構前に感じるけど、前って言っても去年だけど......。本当に去年がすげぇ濃くて。

T$UYO$HI:だって『Astronaut』って去年発売でしょ? 信じられない、まだ1年って(笑)。

JESSE:去年は俺らにとって実りのある年で、2013年まで自分らまだまだ先が見えてなかった。リハがあればみんなと会えるってワクワクして、それだけで十分だった。ミュージシャンとして、バンドマンとして高いところが見えてるかって言ったら正直そこまでではなかった。ただ目の前で一緒にやってるヤツが大切で、その時間を大切にしたくて。で、去年は『Astronaut』をリリースして、その少し前の2013年10月にNAKAが入って。12月にはPay money To my Painのライヴがあって、Kのことがあったので自分らが進みたくてもまだ進む時期じゃないっていうのもたしかだったし。いきなりみんな揃ったタイミングでフル・スピードで走り出したわけでもないから。
今回の『Beginning』はNAKAが持ってきた曲もあり、T$UYO$HIが持ってきた曲もあり、俺とZAXで作った曲もあり、4人で作った曲もあるんで誰が作ったとかもはや関係ないんですよね。それを受け入れられる、飲み込んで自分たちのものにする、そのスピードがものすごく速い。悩むときも多少あるけど、ものすごく贅沢な悩みばっかりですね。ファンがいて、仲間がいて、チームがあって、その中で自分たちはどうしたいかってことなので。今回のミニ・アルバムもそうだし、次のアルバムもどういうのがいいかって自分らでも探してる最中だから。
『Beginning』ではヴォーカリストとしてのチャレンジをしていて......ラップだって「Hello Monster」の最後の4小節ぐらいしか入れてないんですよね。ラップって寝ていてもできるくらい、誰にも負ける気がしないんですよね。特にバンドでラップやってるヤツには絶対負ける気がしない。でも歌に関してはメロディに感情を注入できるよう上手くなるまで辛抱いただけますか、ってところから始まって。今回それをチャレンジしてみて、じゃあフル・アルバムはどうなるんだろう?って。今までやってきたゴリゴリのパンク、ラップ、グランジの中から、自分でもフル・アルバムでそれらをどう調理するのか楽しみですね。

-すでに次のアルバムを見据えてるんですね。

JESSE:次のアルバムを見るために作ったミニ・アルバムでもあるかな、俺は。

-そういう意味でも『Beginning』というタイトルなのでしょうか?

JESSE:タロット・カードの13って死神の"DEATH"なんですけど、終わりと始まりの両方を意味するカードなんです。ウチらにとっていろんなことがあって、Kが亡くなり、ZUZUが辞めて、NAKAがまた加入して(笑)。本当にタロット・カードの死神が合うバンドで。T$UYO$HIとZAXと同じステージに立つなんて、思ってなかったし。俺はT$UYO$HIとバンドを組むっていうより、ずっと一緒に対バンしてたい、お互い"どうだ、俺のバンドは!?"って言い合う仲だと思ってたから。Kのことが気になって初めてclubasiaで観たとき、ZAXも気になって"なんだ、このドラマー!?T$UYO$HI、こんなドラマーとやってていいな!"って、このリズム隊楽しそうだって思ったんです。そういうことって "RIZEも負けてらんねぇな"って当時モチベーションになりましたね。だけどKが亡くなって"どうするんだ!?"ってなったとき、1番美しいのは"残ったヤツらがどんな形であれまだ演奏してること"だと思うんですよ。だから死を、終わりを経験しても、なぜかウチらにとってはそのカードが再生に変わってる。だからもしかしたら次のアルバムが誰にも理解できないものになって、ウチらだけ満足してるかもしれない(笑)。そうはならないと思うけど、もしそうなったとしてもウチらはきっと我が道を進むんだろうなと思います。なんだかんだ言ってウチら優しいから人をちゃんと巻き込めるものを作ると思うけど(笑)、唯一無二のものは作りたいですね。

-ご自身でもおっしゃってましたが、今作はほぼラップを封印してネクスト・レベルに進もうとしてる作品だと感じましたが、それを支える楽器隊としもそういう部分を意識して作っていたんですか?

T$UYO$HI:正直なところグルーヴものにラップが乗ってる音楽をやるのであればそれはRIZEで聴けるし、そうじゃない新しいJESSEが出てくる曲が作りたくて。JESSEの引き出しやキャパなら全然こういうの歌えるじゃんって思って。もちろん俺が曲作ってもメロディは全部JESSEが作ってるから、そこはJESSE任せなんですけど。とにかく俺はバンド・メンバーなんだけど、 "こういうJESSEが見たい""こういうドラムを叩いてるZAXが見たい"っていう目線で作ってる部分があるんですよね。

-先ほどのJESSEさんの話をうかがってると、まだ満足しきれていない、悔しい部分もあるのかなと思ったのですがいかがですか?

JESSE:これが完成形、これが俺の理論だって思ってやるならまだ悔しさが残るけど、実験の状態でここまでできたなら悔しさはまったくない。でも俺は18年間ずっとラップし続けてきて、それが俺の特技だけど、ラップと歌っていう自分がやったことないことはまだできてない。今はラップと歌をはっきり分けちゃってるけど、それが馴染むようになればいいなって思いますね。歌の中に1小節だけいきなりラップとか、ラップの中に1小節だけすごくいいメロディが入るとか。そういうのを自由自在に操れるようになるにはまだ修行が必要だなって思うけど。