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INTERVIEW

coldrain

2014.06.11UPDATE

2014年06月号掲載

coldrain

Member:RxYxO (Ba) Katsuma (Dr) Masato (Vo) Sugi (Gt) Y.K.C (Gt)

Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)

-詳細に入っていきます。前作のTrack.1の「The War Is On」はダークでミドル・テンポの楽曲からアルバムがスタートしましたが、今作はcoldrainど真ん中なTrack.1の「Aware And Awake」からスタートしていますね。前作とは考え方を変えて曲順を考えたのではないでしょうか。

Masato:今作の曲順は30分のライヴの感覚ですね、最後の曲(「House Of Cards」)は違いますけど。本当にこれしかない曲順だと思ってます。作る時に"何曲目の曲"って考えながら作ってるわけではないけど、6曲でき上がった時に"この曲を推したい"じゃなくて1番きれいな並び方を意識したので、聴いててすごい好きな並びだし、必然的な曲順だったんじゃないかなって思います。

-すごく自然な並びですよね。6曲ですが物足りなさも感じず、気持ちよくリピートできます。あと気になったのがTrack.2の「Evolve」という曲名ですが、ワンマン・ライヴのタイトルと同じタイトルを付けたのは何か意図があるのですか?

Masato:ワンマン・ライヴをやるってなってた時に"EVOLVE"って言葉にハマッてたのかもしれないですけど、歌詞を書いてる時にもその言葉が自然に出てきました。だからそんなにリンクしているわけではないですし、ワンマンをやる前からその曲はあったんですよね。でもワンマンの"EVOLVE"を経て、今俺たちが立ってる場所を考えた時にすごくあてはまる曲名だなって思ったし、歌詞にもすごい使いたかった言葉だったんですよね。

-coldrainの生き様を表した歌詞であり、タイトルですよね。coldrain自身について歌っていますよね?

Masato:そうですね(笑)。別に「coldrain」ってタイトルでもいいかなってぐらい。

-なるほど。Track.5の「March On」はすごく新しいと思いました。1曲の中に振り幅が相当激しい曲ですね。2分30秒辺りのエッジが効いてるパートもインパクトがありつつ、最終的に起承転結のある1つのショート・ストーリーのようなドラマを感じました。

Y.K.C:こういった曲をやりたいという気持ちは1stの頃から持ってて、ただその1曲をライヴでどう表現できるかを考えると、壮大な曲になればなるほどお客さんは聴き入ってしまってライヴにうまくはまらないというか......そういうやりたいけどやれないというジレンマはあったんです。でも『THE REVELATION』の収録曲で"ライヴでどうなるかな?"って考えてた曲がいっぱいあったんですけど、そういう楽曲がうまくライヴとして昇華できていったんで、さらにアーティスティックな曲を作っても今のcoldrainなら表現できるんじゃないかなって思ったんです。ですのである種ループ・ミュージック的な感覚で作ってみたんですけど、その中でCメロでこういう展開をしてるってロック・バンドらしくていいかなと思います。ちょっと大人な曲があってもいいかなってところですね。

-みなさんがそれぞれ1番気に入っている曲ってどれでしょう?

Katsuma:デモを聴いた段階で新しいな、どういう曲になるのか完成するまで楽しみに思ってたのは「March On」ですね。すごい深みも感じますし。昔みたいなストレートな部分がありつつ、なおかつ深みを増していて新しいタイプの曲になったと思います。

Sugi:僕は「You Lie」ですね。デモの時点でイントロから光るものを感じていて、曲自体の力強さと、Masatoのヴォーカルのエモーショナルな部分が印象的というか。coldrainがこの1曲に集約されているような感じがします。

-アグレッシヴに振り切るわけではなく、エモーショナルな方向にだけ振り切るわけでなく、良い意味で1歩引いた美しさがある大人な曲だなと思いました。

Sugi:僕、大人なんで(笑)。Katsumaのドラムもすごい好きで、今までフィルはシンプルな感じだったんですけど、「You Lie」はフィルが多いのが全然わざとらしくはなくて、曲のエモーショナルな雰囲気に乗っていてすごい気に入ってます。

RxYxO:僕も気に入ってるのは「You Lie」ですね。さっき言ってたみたいに自分たちの今までのエモーショナルさがさらにネクスト・レベルに上がったというか。こういう曲は個人的に好きだったのですが、今までだとやろうとしても武骨になってしまうというか。ベーシストという立ち位置としてもバンドとしてもこういう表現ができるようになったことは自分も満足してますね。

-大きなインパクトで斬新な目新しさを売りにする曲ではありませんが、進化というよりcoldrainを深化させたという点で新しい曲だと感じました。

RxYxO:ディープな感じの渋さというか、エモーショナルさ。分かりやすいわけじゃないけど滲み出る感じ、ですね。

Masato:僕は制作中に好きな曲が変わっていったんですけど、制作が終わってからよく聴いているのは「Fade Away」ですね。実はデモの段階ではそんなに好きじゃなかったんです。ただ録っていくなかで自分のパート含め全楽器にcoldrainらしさが詰まってるなって感じたし、一貫して勢いがある曲ですね。テンポ感も感じられるし、それが必ずしも押し通した勢いではなく楽曲そのものが持っている勢いだし、自分の歌でいえばキーを下げているのに勢いを持った曲に聴こえるっていうのは今までの代表曲に通じる部分があるんです。昔よくHOOBASTANKとかLOSTPROPHETSとか聴いてた時にシングルではなくてアルバムで7、8曲目辺りの後半に入っている、"なんだかんだでめっちゃ好き!"みたいな曲の感じがして。シングルが1番好きって言いたくないから、あえて好きって言う曲みたいな(笑)。

RxYxO:それ、すげぇ分かる(笑)。

Masato:その感じがすごい好きで、でき上がるまで自分がそれを分かってなかったからこそリスナー目線で聴けるのかなって思います。

-実際に曲を作ってるY.K.Cさんはどの曲がお気に入りですか?

Y.K.C:個人的には「House Of Cards」が1番好きですね。Masatoの歌が1番俺が聴きたい声してるんですよね。自分のバンドの歌い手を愛せるサウンドをしているし、さらにあの曲はドラムが少ししか入ってないんですけど、そのドラムもKatsumaと2人でスタジオに入っていろいろ試行錯誤しながら録りました(笑)。フレーズがどうこうじゃなくて、呼吸感で勝負した曲なんで、作り手として頑張ったというより、どっちかというとプレーヤーとして頑張った曲なんです。こういう表現ができて、質感として人を感じる、あれだけエレクトリックなサウンドの中で人間を感じることができる、こういう曲をミニ・アルバムに収録できたってことが成長に繋がっていると思います。気に入ってるのでよく聴いてますね。