COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第24回
私はモンスターやゾンビ、ピエロのような所謂ハロウィン的な見た目が好きで、良い歳して未だにこんなメイクをして音楽をしている。
Ozzy Osbourne、Alice Cooper、KISS、Marilyn Manson、Wednesday 13、Slipknot、etc......。
ルックスや音楽の世界観で影響を受けたアーティストを挙げればきりがない。
メイクをするバンドに抵抗を持っている人が多いのは理解している。
だが、一つ扉を開けたらそこには新たな世界が広がっているのだという事を是非知って頂きたく、今回はその扉にぴったりなアーティストをご紹介。
Astro-Creep: 2000 / White Zombie
ちょっと洋ロックに詳しい人ならロブ・ゾンビという名前を聞いた事くらいはあるのではないだろうか。
音楽家でありながら映画監督やテレビタレントとしても活躍し、執筆活動までしてしまう、才能の塊の様な男、ロブ。
彼の名が世の中に広まったのが「White Zombie」というバンドの存在だ。
1985年のニューヨークにて、ロブと、当時ロブの恋人だったショーン・イスールトを中心に結成。
活動初期はBlack Sabbathをノイズロックにしたようなサウンドで、正直聴く人を選ぶバンドだった。
だが1992年、アルバム「La Sexorcisto: Devil Music Volume One」が各方面から非常に高評価を受ける事となる。
ヘヴィー&グルーヴィーでありつつもメロディーや歌詞はキャッチー。ロブが大好きなホラー映画のサウンドサンプルが各曲に散りばめられ、独自の世界観を見事に演出していた。
そして前作の路線を更にパワーアップさせたメタル史に残る傑作「Astro-Creep: 2000」を1995年にリリースし、全米で250万枚以上を売り上げるヒットを記録。更にはロブ自身が監督を務めたMVでMTV Video Music Awardsを受賞。
名実ともにスターとなったロブはソロ活動を開始し、1998年にソロ初アルバム「Hellbilly Deluxe」をリリース。
しかしこのアルバムが大傑作すぎて「Astro-Creep: 2000」を超えるヒットを記録してしまった結果、ロブはこう思ってしまったようだ。
「バンドじゃなくてええやん」と......。
そんな訳でWhite Zombieは解散してしまったのであった。
このバンドが音楽シーンに与えた影響は大きく、日本ではhide氏がいち早く彼等のサウンドを取り入れていた。楽曲で言うと「DOUBT」や「Bacteria」辺りが特にその色が濃く出ている。
実際、hide氏が海外で組んでいたバンド「zilch」のライブにショーン・イスールトがベースで参加していて、インタビューでは「hideのボーカルはとても好き」と答えている。
ちなみにロブはめちゃくちゃ常識人。
彼の歌詞は悪魔やゾンビ、ドラキュラこそ歌えど、決してMother fxxkerなどとは歌わない。
親子供に聞かせても問題のない、数少ないメタルアーティストである(と私は思う)。是非家族で聴いてほしい。
ただし、見た目は超怖いので覚悟するように。
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