LIVE REPORT
"革命ロジック2024" 激ロックステージ
2024.05.19 @下北沢RéG
Writer : フジジュン、内堀 文佳 Photographer:Kanda Yukiya
下北沢LIVEHOLICが主催した、下北沢のライヴハウス10店舗を舞台としたサーキット・イベント[LIVEHOLIC presents. "革命ロジック2024" supported by Skream! & 激ロック]。ここではジャンル不問且つ、ライヴ最強のアーティストが集結した、下北沢RéGを舞台とする"激ロックステージ"の熱戦をレポート!
昼12時、激ロックステージのトッパーとして登場したのは、5人組ボーイズ・ユニット BLVCKBERRY。熱心なファンのペンライトの光と歓声に迎えられて登場すると、「SiX RAVENS」で勢い良くライヴをスタート。キレのあるダンスで魅せると、和テイストのトラックにクールなラップがカッコいい「TOXiC」で男っぽい一面を見せたり、メンバー紹介ソング「BANZAI!!」でキュートさを見せたりと、短いなかに緩急つけたステージで沸かせた5人。ラストに披露した「僕らの未来図」は、"新しい時代を自分たちの手で作り上げていく"という強い意思で明るい未来に光を照らす、"革命ロジック(LIVEHOLIC presents. "革命ロジック2024" supported by Skream! & 激ロック)"のオープニングにぴったりの楽曲だった。
続いての登場は、ゆうと(Ba)が病気療養中だったため、3人での出演となったHOWL。ステージ下手に真宵(Vo)、上手によっぴ(Gt)が構え、真宵の美しく切ない歌声から「アンダーテイカー」で始まったライヴは物足りなさを感じさせるどころか、各々が魅せるアグレッシヴなパフォーマンスが貴重に映る。「シャーデンフロイデ」でよっぴがフロアに降りてギターを弾き倒し、会場中が手拍子を合わせてと、序盤からカオティックな盛り上がりを見せた会場。「生きてるだけで褒められたい。」で互いを褒め合い一体感を生むと、「スペオキミュージック」でフロアを沸かし、"誰でも参加できる曲持って来たぞ!"と「VERNALIZE」を放ち、大きな盛り上がりを生む。HOWLの意地とプライドと底力が見えた、素晴らしいステージだった。
血濡れ衣装のメンバーが暗闇でスタンバイするステージに、ゴミ袋を被った八咫 烏(Vo)が登場。ド頭の演出から観る者の心を掴むと、1曲目「『親指探し』」で激しく妖しく禍々しい自身の世界観へと一気に引き込んだヒッチコック。奇抜な見た目や演出だけでなく、ヘヴィで巧みな演奏と美しいバンド・アンサンブルと、圧倒的な存在感を放つヴォーカルで初めて観る人も魅了した彼らのステージ。「『赤いクレヨン』」で会場中が願いを捧げたり、ファンが振付を合わせる姿も含めてライヴ世界を演出し、会場はワンマンさながらの盛り上がりを見せる。公演時はリリース前だった新曲「カルテ2『 サリド×マイド』」に最新型のヒッチコックも見える、短いながらも濃厚なアクトだった。
「東京BAD STREET KING」で華やかに幕を開け、堂々としたステージングとキャッチーな楽曲で満員のフロアを沸かせたTHE MADNA。軽快なラップで始まる「SPLATTER」で会場を揺らすと、"ヴィジュアル系代表、THE MADNAです!"と涼太(Vo)が挨拶。"ヴィジュアル系らしく踊っていこうぜ!"と始まった「グロテスク」に踊って回って飛び跳ねて、「GiANT KiLLiNG」のミクスチャー・サウンドで沸かせて、ヴィジュアル系の無限の振り幅と可能性を見せてくれた。"何々ロックとかどうでもいいんだよ、テメェらのロックを見せてくれよ!"と吠えて始まったラスト「OUTLAW」は魂を込めた全身全霊の歌と演奏に観客も全力で応え、激ロックステージに爪痕を残した彼ら。"見たか、これがTHE MADNAだ!"の叫びに、ヴィジュアル系の誇りを見た。
SEに歌と演奏を重ね、「テーラーメイド」でライヴをスタートしたKUROENA。大賀廉人(Vo)の華のあるヴォーカルや、中毒性あるメロディと曲調に酔いしれる観客に、廣田梨駆(Gt)が突き刺すようなギター・ソロを放つ。けーた(Ba)のチョッパー・ベースとkoya(Dr)の軽快なダンス・ビートで始まった「ソレガイイ」と続き、初めて観る人も巻き込んだ合唱が起きる。ワンマン以外のイベントへの出演は今回が初というKUROENA。彼らのライヴを観るのは初めてだったが、演奏力の高さとライヴ運びの巧みさにすごく驚かされた。想いを込めたバラード曲「あなたでよかった」から、"誠心誠意、魂を込めてこれからも音楽をやり続けます"と宣言して、デビュー・シングルであり代表曲「わかんないや」を披露。渋谷WWWのワンマンも控えた勢いと可能性に満ちたステージを観ながら、"あの日、KUROENAを観た"と自慢できるほど大きくなってほしいと思った。
"始めようぜ、「革命ロジック」!"とRude-α(Vo)が告げ、痛快なセッションと即興ラップで始まったBubble Babyは、ド頭からヴァイブス最高潮。"大どんでん返し食らわしに来ました"と始まった「TOKYO摩天楼」で本格スタートすると、グルーヴィな演奏とRude-αの巧みなフロウで、フロアをブチ上げる。MCでこのバンドが音楽を手放した過去のある人間で結成されたことを語り、熱い想いを込めた「後悔してやらねぇよ」を届けると、"Say Ho!"の煽りに観客が拳と掛け声を上げて応える。ライヴが進むごとに人が集まり、熱気を増していくフロア。ラストは"それぞれ悩みを抱えてる人がいると思います。でも同じようにもがいてるヤツがここにいるから"と告げ、「この道の果てで」を披露。Rude-αが真摯に届けた、"死ぬな生きろ 必死こく姿に胸を張れ"のメッセージが胸を刺した。
SEからそのまま繋げて「Never Grow Up」でスタートしたWHISPER OUT LOUD。TK(Ba)と崎谷勇人(Support Dr)が刻む、すっと身体に染み込むビートの上で、Kanato(Gt)のギターと同期が作り出すアンビエントな雰囲気ときらめき。そこに囁くような歌から熱くアジテートするヴォーカリゼーション、美しいファルセットまで自在に使いこなすMotokichi(Vo)の声が乗ることで、楽曲の世界観が増幅する。そんな音の波に合わせて心地よく身体を揺らすオーディエンスを「Magic」で今度は縦に跳ねさせ、フロアの動きをまるで魔法のように操っていた。爽やかさと温かさを持った「STEP」から、楽器隊の演奏がストレートに響く新曲「Take Control」、低音のパンチが効いた「27club」を畳み掛け、ラストは「Memories」でフィニッシュ。そのエモーショナルなアンサンブルは、観客ひとりひとりの記憶に深く刻みつけられたことだろう。
昨年の"革命ロジック"に加え、この日の前週に開催された、(下北沢)LIVEHOLICと同じく激ロックエンタテインメントが運営するセレクトショップ GEKIROCK CLOTHINGの店舗オープン10周年企画にも出演したMARKET SHOP STORE。リハーサルからすでに幕越しにステージ上とフロアでコミュニケーションを取り合い、本編開始前から互いに気合は十分。早速、コールが耳に残る「ピグマリオンランド」やハーモニカの音色がアクセントになっている「ライファー」でかっ飛ばしていく。楽器隊もシンガロングに参加した「ボールドピリオド」では、オーディエンスが拳を掲げてくるくる回したり、走り回ってサークル・ピットを作ったりして、疾走感溢れるサウンドで昂った感情を爆発させる。「SCISSOR」でのツーステは、リハーサルでもプレイされたからかキレと揃いっぷりが壮観。ラストの「メス」まで、バンドも観客もアクセル全開で楽しみまくる30分となった。
正午に開幕した"革命ロジック"も気がつけば21時の最終盤、ついに"激ロックステージ"のトリを飾るCODE OF ZERO Xの出番だ。1曲目「READY FOR ACTION」から、ラウドに響くデジタル・サウンドとバンド・アンサンブルのコンビネーションの上で、0C(Vo)がキュートな声でクールにリリックを紡ぎ、その唯一無二の存在感を放っていく。「QAdream (English Version)」は電子音やオートチューンがかかったヴォーカルでダンサブルな面が強調されていた一方で、「Deep Above」はギターの音色が主張していて、"ヘイ!"というコールやリフトも発生するなど、ロックな要素が押し出されていたのも印象的。その後もエレクトロな華やかさと生演奏の熱さを併せ持った楽曲たちでフロアを跳ねさせ、踊らせ、本ステージ最後の曲となったアンコール「MAKE ME REAL」まで、場内のテンションは一度も勢いが緩まることなく急上昇し続けていった。
本誌 激ロックと姉妹誌のSkream!を有する激ロックエンタテインメントが運営する下北沢LIVEHOLIC主催のサーキット・イベント"革命ロジック"。第2回開催となる今回から登場した"激ロックステージ"では、各アーティストがその名の通り"激しいロック"を様々に表現するライヴを体感することができた。次回開催時にはどのようなラインナップとなるのか楽しみにしたい。
[Setlist]
■BLVCKBERRY
1. SiX RAVENS
2. NATURAL BORN ERRORS
3. TOXiC
4. BANZAI!!
5. Wake up CHARISMA!!
6. Bon Voyage
7. 僕らの未来図
■HOWL
1. 失楽園
2. 求愛行動
3. シャーデンフロイデ
4. 極楽浄土
5. アンダーテイカー
6. VERNALIZE
7. スペオキミュージック
■ヒッチコック
1. 『親指探し』
2. 『天使』
3. 『赤いクレヨン』
4. 『バク』
5. カルテ2『 サリド×マイド』
6. 『君。』
7. 『ましら』
■THE MADNA
1. 東京BAD STREET KING
2. ビューティフルワールド
3. SPLATTER
4. グロテスク
5. GiANT KiLLiNG
6. 禁断の夜のアリス
7. OUTLAW
■KUROENA
1. テーラーメイド
2. ソレガイイ
3. ユメローグ
4. あなたでよかった
5. わかんないや
■Bubble Baby
1. TOKYO摩天楼
2. Player
3. 後悔してやらねぇよ
4. Violet
5. Sleepy Forever
6. この道の果てで
■WHISPER OUT LOUD
1. Never Grow Up
2. Magic
3. One More Time
4. STEP
5. Take Control
6. 27club
7. Memories
■MARKET SHOP STORE
1. ピグマリオンランド
2. ライファー
3. ボールドピリオド
4. [sub]リミナル
5. メタモルフォーゼ
6. SCISSOR
7. メス
■CODE OF ZERO X
1. READY FOR ACTION
2. QAdream (English Version)
3. Deep Above
4. S/O/G
5. Human-Emo
6. out of control
En. MAKE ME REAL
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