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DISC REVIEW

サリドマイド

思春期時代から心を病み続けたひとりの女性が、環境や人間関係に翻弄され、それでも幸せを掴もうと命を授かるが、授かった命さえ、彼女の前には不運という形で示された。それでも彼女は......。時系列はバラバラながら1曲ごとに詰め込まれた女性の心情をひもとくと、そこからは不幸や不運という言葉だけでは語り切れない、彼女の寂しくも破滅的な生き方が見えてくる。そんな女性の生き様を、時に暴力的なほどにダークでラウドな楽曲に乗せて、時に悲壮感や切なさを覚えるゴシック・メロウな曲調に乗せて表現。凪いだ歌や、乱れ狂うような暴欲的な音が、感情が錯綜するように次々と飛び出してくる。まさにヒステリックな女性の心情を音と言葉で描き記した作品だ。 長澤 智典