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LIVE REPORT

GALNERYUS

2020.01.10 @新木場STUDIO COAST

Writer 荒金 良介

約3時間にわたるヘヴィ・メタル・ショーは、GALNERYUSの現在地と集大成を同時に突きつける内容となった。[GALNERYUS 15th Anniversary ~Radiance~"WAILING IN THE FLAMES OF PURGATORY" TOUR]と付けられた今ツアーは、昨年メジャー・デビュー15周年を迎え、同年10月に最新12thアルバム『INTO THE PURGATORY』を発表したこともあり、そのレコ発も兼ねたダブル祝福的な意味合いも含んでいる。そのファイナル公演は新木場STUDIO COASTで行われ、熱心な観客が大挙して詰めかけていた。

19時5分、インスト曲「PURGATORIAL FLAME」を序章にして、「MY HOPE IS GONE」から大仰なリフと疾走するビートで観客を制圧。Masatoshi "SHO" Ono (Vo)は、重厚な演奏と鮮やかなコントラストを描くクリスタル・ヴォイスを響かせる。続く「FIGHTING OF ETERNITY」もライヴで一段と映え、中盤における長尺のインスト・パートは鳥肌モノ。また、YUHKI(Key)とSYU(Gt)のソロ・パートを設けながら、お互いに激しく絡み合うアンサンブルも聴き応え十分であった。"次の曲でみんなと歌いたい!"とOnoが言うと「GLORY」へ。スリリングなギター・ソロや掛け声コーラスも相まり、場の熱は急上昇。そして、「NEVER AGAIN」に繋ぎと、最新作を曲順通りに完全再現(ラスト曲「ROAMING IN MY MEMORY」除く)する流れで、これは作品に絶対的な自信がなければできないことだ。前々作『UNDER THE FORCE OF COURAGE』、前作『ULTIMATE SACRIFICE』と2作連続でコンセプト作を作り上げた彼らだが、最新作は通常のオリジナル作に戻った。けれど、前2作で培った構築美や物語性は最新ナンバーにも生きており、フック抜群のリフやフレーズ、目くるめく曲展開、怒濤のインスト・パートは他の追随を許さない凄味に満ちていた。その中でMVにもなった「THE FOLLOWERS」は、ド頭からDREAM THEATERばりのプログレ風味の演奏、そこにOnoによるオペラ唱法を取り入れた新境地と言える曲であった。サビの歌メロは豪快に突き抜け、タッピングを交えたTAKAのベースも大きな聴きどころとなり、GALNERYUSにしか鳴らせないダークなメタルを叩きつける。そのあとは華麗な鍵盤を導入したバラード「REMAIN BEHIND」をプレイ。まさにOnoリサイタルといった雰囲気で、その繊細な歌心に多くの人が感動していた。ラストはポジティヴな光りを放つ「THE END OF THE LINE」で締めくくり、第1部は終了。

しばし休憩を挟んだのち、第2部に突入だ。"まだまだ行くぞ!"とOnoが煽ると、「STRUGGLE FOR THE FREEDOM FLAG」から凄まじいダッシュをかける。さらに、邪悪なリフで迫る「FATE OF THE SADNESS」、Ono、SYU、TAKAのフロント3人がヘドバンして観客を焚き付けた「MY LAST FAREWELL」と、第1部に引けを取らない熱気が渦巻く。最後は勇壮なメロディに胸を焦がされる「THE PROMISED FLAG」で大団円。さらに、アンコールに応えて「ANGEL OF SALVATION」、「DESTINY」と名曲群を連発し、アスリート並みの強靭な運動量でフロアを沸かせ続けた。熱量、技術、パフォーマンスが三位一体となったGALNERYUSは、向かうところ敵なし状態と言っていい。これからも天井知らずの進化を続けていくだろう。

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