LIVE REPORT
鎖国~えのん~ vol.1
2009.05.08 @新木場STUDIO COAST
Writer 吉野 将志
BLESSED BY A BROKEN HEART
国内外から終結した兵たちによる異種格闘技戦「鎖国~えのん~ vol.1」。開演10分前、ライヴ会場へ足を運ぶと、当日雨が降ったことも相まって、すでに熱気がフロアを支配。そんな熱々のフロアに、アルバム『Pedal To The Metal』のイントロに合わせて、ジャケット写真通り(期待通り?)のバリバリ80'sファッションを身に纏いながらメンバー登場。 「やっぱりね(笑)」的な響きをかき消すように、アグレッシヴなドライヴ感のあるリフでゴリ押しの「She Wolf」。アルバム通りの曲順もあってか、サビでは「シーウルフゥ~」とシンガロング、初っ端からダイヴが発生するなどと、初来日に関わらず掴みは上々のよう。半ケツ丸出しのヴォーカルのTonyが「トウキョー」と叫べば、会場から大歓声。会場はすでに彼らの術中にはまっている様子。続いて、「Show Me What You Got」、「Carry On」など立て続けに演奏。古き良き80年代にモダンなエッセンスを塗したメタル・サウンドに、エレクトロ・ポップ/ニュー・レイヴまでを独自にミックスしたユニークな彼らのサウンドは波紋のように会場のキッズに届いていく。ベースのTylerがベースを置き、マイクを手に取り、なにやら企んでいる様子。そこにまるでクラブに響くピコピコサウンドに合わせて、TonyとTylerがダブル・ボーカルで会場を煽る煽る。会場全体がジャンプジャンプ!そして、ラストは名曲「Move Your Body」でダンス・ダンス・ダンスで昇天!! 彼らが受け入れられたのは、インパクトのある見た目やユニークなサウンドだけでなく、おそらく一緒に楽しもうとするそのサービス精神にあると感じたライヴであった。ヴォーカルのTonyは、ステージに向かってくるダイヴキッズすべてに対してハイタッチするわ、まるで飛び込み選手みたいステージダイヴをかまして会場をわかせ、しまいには名曲「Move Your Body」ではビーチボールを会場に持ち込むなどなど、小ネタ満載で、最後まで人を惹きつけるライヴであった。BRING ME THE HORIZON
イギリスはシェフィールド出身のデスコア・バンド、BRING ME THE HORIZON初来日公演。直前まで不思議なほどフロアは静寂に包まれていたが、一人、また一人とステージに姿を現す度に歓声が巻き起こる。バスドラが会場に深く響きわたると自然に手拍子発生。フロアの鼓動も加速していく。そして、ついにカリスマ降臨。ヴォーカリスト、Oliver Sykesが登場し、「Diamonds Aren't Forever」が始まるやいなや、歓声は怒号に変わり、最前列はすでにもみくちゃに!!そして周りに目をやると、すでにモッシュ・ピットが3つもでき、そこでキッズは発狂乱舞。演奏開始5秒でモッシュ・ピットが3つなんて見たことも聞いたこともない。音響のためかOliverの絶叫ヴォーカルがあまり聴こえない、またリズム隊のタイミングが少しズレたりと多少のブレは否めなかったが、もちろんキッズはそんなことはお構いなしである。
「The Comedown」では後半のモッシュ・パートの直前で曲を止めて、WALL OF DEATHを要求。まるでモーゼの神話のように観客の間に舞台が用意され、Oliverのカウンド・ダウンに合わせて、一斉にハーコーモーーーシュ!!まさにその様相は、天下一武道会である。続いて、「Football Season Is Over」、「Sleep With One Eye Open」と演奏された後、「古い曲をやるぞー」と一言。「Pray for Plagues」である。まさか、演奏されるとは思っていなかっただけにフロアからは大歓声。ダイヴしてステージまで近づいてくるキッズにハイタッチ、そして、Oliver自身もダーイヴ!!しかもダイヴしながらの絶叫!!これにはファンも負けじと発狂したに違いない。ラストはお決まりの「Chelsea Smile」で締めくくり。
演奏面で多少不安定なところを残しつつも、モッシュやダイヴが絶えない、素晴らしいライヴとなった。SUMMER SONIC09の参戦も決定しているので、こちらも楽しみである。
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