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INTERVIEW

Unlucky Morpheus

2022.04.26UPDATE

2022年04月号掲載

Unlucky Morpheus

メンバー:Fuki(Vo) 紫煉(Gt/Scream) 仁耶(Gt) Hiroyuki Ogawa(Ba) FUMIYA(Dr) Jill(Vn)

インタビュアー:荒金 良介

-「Welcome to Valhalla」は北欧神話というテーマを掲げた新しいタイプの曲調ですね。

紫煉:アラビアンなイメージで俺は作ったんですけど......ヴァルハラはヨーロピアンなメタルにおいて、テーマ的に決まってくるし、ヴァイキング・メタルっぽいものになるから。

Fuki:アラビアンな曲調なのに、私が北欧をテーマに歌詞を書いてしまって(笑)。異国情緒だけを切り取って、これは日本じゃないと思ったんです。サビの繰り返しのフレーズにハマる単語がないかなと思ったら、"Valhalla"という単語を思いついて、そのまま北欧神話で突っ切ったら、紫煉の意図しない国がテーマになったという。

紫煉:メタルの王道の流れとはまた違うから、まぁいいやって(笑)。非現実的な世界という意味では共通しているから。

-ライヴでもいいフックになる楽曲だと思います。

紫煉:遅い曲がいい加減欲しかったんですよ。バラード以外、そういう曲はなかったから。

仁耶:あんきもらしさで言えば、一番あんきもらしくない曲だと思います。攻めてる曲だなと。

FUMIYA:ドラムに関しても詰め込んでなくて、間を大事にしている曲ですね。最近の自分のプレイも足すよりも引いたほうが現状やっていることが際立つから。あと、一番ウチらっぽくないし、この曲はお客さんの反応が気になりますね。

小川:こういう曲がライヴで意外と盛り上がるから。

Jill:私も今作の中では異色だと思っていて、アラビアンな音階や半音で上がる妖しげなフレーズもたくさんあって楽しそうなので、早くライヴでやりたい曲ですね。

-「誰が為に」は歌謡メタル的な色合いが出ているなと。

紫煉:『瀧夜叉姫』(2020年リリースのEP)を作って、神田明神ホールでライヴをやる計画があり、それは延期のままなんですけど。せっかくなら和風の曲を増やして、いつかライヴでやれたらいいなと思ったんです。「夢幻」もそういう感じだけど、この曲もあんきも内で和風をやってみようと考えました。今までにない8ビートだし、豊洲PITのライヴが終わったあとにすぐ作ったんですよ。豊洲の準備期間によくBOØWYを聴いていて、俺も8ビートをやりたいなと。全然違うけど、俺なりにBOØWYの「BAD FEELING」をやりたくて(笑)。

小川:その説明を聞いても、まったくわからなかった。

仁耶:ギター・リフはたしかに言われたらって感じですね。

Fuki:『瀧夜叉姫』で和に振り切ったので、この曲ではそこまで難しい言葉を使わずに書きました。デモを聴いたときにかっこいいけど、切ない印象を受けたので、忍者をテーマにしています。忍者は上様の命令を受けて、愛する人と別れなければいけなかったり、悲しい運命を背負っているので......。

Jill:「夢幻」もそうですけど、この曲は爽やかな和という感じで、風がそよぐ感じをイメージしました。

FUMIYA:テンポが緩やかなので、フロア・タムをふたつ使って、大太鼓感を出しているんですよ。和風=和太鼓というイメージだから、太鼓っぽさは出ているかなと。

-アルバム名の"進化"という言葉に込めた思いというと?

紫煉:毎回、進化しなきゃ! という気持ちはあるので、わざわざ言わなくてもいいかなと思ったんですけど。まぁ、「"M" Revolution」の歌詞にも出てくるし、今回は新しいチャレンジ的な曲も多いから。あと、ジャケットも写真を使ったり変化も大きいので、あえてそういう言葉を使ってもいいタイミングかなと思いました。

-今作はいい意味で聴く人によって好きな曲が分かれそうですね。

Fuki:そうですね。みんな好きな曲を発表しようよ? 私が一番好きなのは「The Black Death Mansion Murders」です、「Wer ist Faust?」からの繋がり含めて。

小川:「アマリリス」、「誰が為に」あたりかな。ライヴだと、「Welcome to Valhalla」とか......変化球ばかりですけど。「アマリリス」は8ビートで、あんきもでは少数派の曲ですからね。個人的に8ビートは好きで、ベースでも遊んでますから。ライヴも楽しめそうだなと。

仁耶:ギタリスト的に挙げるなら、「"M" Anthem」、「The Black Death Mansion Murders」、「Serene Evil」あたりなんですけど、いちリスナーとしていいなと思うのは「夢幻」ですね。押し引きが巧みで、ヴァイオリンとかダイナミクスが豊かで、ラスサビの前にオーケストラが立ち上がってくるところとか、メタルとはまた違う迫力があるなと思います。

FUMIYA:「Serene Evil」ですかね。僕の性癖みたいなもので、クサメロでツーバスを踏んでいるときが命を燃やしている瞬間だから。

Jill:ヴァイオリニスト的に持ち味が出るのは「アマリリス」なんですけど、個人的に好きなのは圧倒的に「Welcome to Valhalla」です。アラビアンな妖しさがかっこ良くて、みんなで初めて合わせたときも、そこで"Valhalla"って言うの、クソかっけー! って。

一同:ははははは(笑)。

Jill:あと、「Wer ist Faust?」は自分の持ち味を遺憾なく発揮できた曲ですね。

紫煉:「"M" Anthem」かな。あんきもを引っ張って盛り上げてくれる曲になってくれるといいなと。

-最後になりますが、3月に発売済みのBlu-ray&CD『"XIII" Live at Toyosu PIT』についても、話を聞かせてもらえればと思います。

小川:あの豊洲PIT公演は最高傑作だと思う。映像も音もそうだし、よりバンドっぽくなったと思いますね。お客さんもたくさん入ったしね。

仁耶:見どころは全部で、その心はこのコロナ禍において、バンドをやめちゃう人もいて......。そのなかであんきもが豊洲PITという規模感まで到達できたことはすごいことだなと。逆境をハネのけて、この作品ができたことを踏まえて、観てほしいですね。

FUMIYA:すべての活動において、ドラマー史上最高傑作です。僕自身、身体を壊しながらやっていて、そのなかでベストなパフォーマンスができましたからね。自分の生き様のすべてを込めたので、無理してでも観てほしいです。

Jill:あんきも史上最大規模のワンマンで、みんなで作り上げたライヴでしたからね。ライヴ前から配信してみんなとの距離を縮めて、その着地点が豊洲PITだったので、お客さんと一緒に作りあげられた日だったなと。

Fuki:作品として世界中の誰に見せても、あんきもかっこいいでしょ? と胸を張って言えるものになりました。例えるなら、手塚治虫の作品で最も人の心を動かした代表作と言えば"火の鳥"だと思うんですけど、あんきもが何十年か経ったあとに何が代表作? と問われたら、この作品と言われるのかもしれないですね。現時点で最高の映像作品ができたと思います。

紫煉:映像にすることを念頭にライヴをやったから。いろんな事情でライヴに来られなかった人にも観てほしいし、みんなに楽しんでほしい作品です。あんきもを知っている人全員に届けるつもりで作ったので、ぜひ頭から最後まで通して観てほしいですね。