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INTERVIEW

Unlucky Morpheus

2020.04.23UPDATE

2020年04月号掲載

Unlucky Morpheus

Member:天外 冬黄(Vo) 紫煉(Gt/Scream) 仁耶(Gt) 小川 洋行(Ba) FUMIYA(Dr) Jill(Vn)

Interviewer:荒金 良介

-今作には琴と三味線の音色を入れているのも思い切ったアイディアです。これは打ち込みですか?

紫煉:そうですね。琴と三味線を入れることで一気に雰囲気が出るんじゃないかと。普段もオーケストレーションで楽器を折り重ねているし、常に対旋律が鳴っているような音楽を作ってます。今回は開けてなかった引き出しを見せた感じです。

-今作は神田明神ホールに引っ掛けて、楽曲は平 将門をテーマに据えようと?

冬黄:はい。歌詞は3曲とも平 将門にまつわる物語を描きました。私は歴史が苦手なので、平 将門に関する伝記を読んだり、平 将門について書かれた歌を調べたりしました。大きな骸骨の浮世絵で有名な歌川国芳の"相馬の古内裏"は、"瀧夜叉姫"の物語の挿絵なんですよ。その原作である"善知鳥安方忠義伝"のあらすじも読んだり、平 将門の大河ドラマもチェックしたりしてこの3曲の歌詞を書きました。こういうコンセプト作は15年に吸血鬼をテーマにした作品(2ndアルバム『VAMPIR』)があるんですけど......今作の作詞過程も楽しめましたね。夏に出るアルバムはまた西洋に戻るんですけど、和風のアプローチは紫煉的にはまたやってもいいの?

紫煉:うん、そうだね。

-"ヒストリカル・メタル"と僕は勝手に命名しているんですが、あんきもが新たなジャンルを切り拓いたなと。

冬黄:あぁ、歴史メタルですね(笑)。今回は平安時代だから、次は安土桃山時代とか?

一同:ははははは(笑)。

-「瀧夜叉姫」は今作の中で紫煉さんのスクリームから始まる曲調で、かなりヘヴィですね。

紫煉:そうですね、今回は全部ヘヴィな気がする。この曲は、あんきもの派生プロジェクトであるIcarus'cryでやっている曲をもとにリアレンジしたんです。「豪賊」は俺がヴィジュアル系バンドをやっていた頃の曲を再構築しました。いい曲だから、あんきもでリメイクしたいとずっと思っていたんです。後ろで、シーケンス・フレーズで琴と三味線を鳴らしているパートは、ギターのアルペジオが続く感じで、LINKIN PARKの「Breaking The Habit」のシンセと似たようなアイディアを使っていたんですよ。これを琴と三味線でやれば和っぽくなるんじゃないかと。今作は復活の曲が多いですね。

冬黄:平 将門と言えば再生と復活がテーマだからね。今思いついたけど(笑)。

Jill:私は全部聴いたことがない曲で、「豪賊」だけはヴィジュアル系っぽいから、テイストが違うなと思いました。

-では、「鉄皇」は新曲になるんですか?

紫煉:完全に新曲ですね。コンセプトが決まってからネタを出したから。

FUMIYA:複雑な足技を求められたし、ちょっとトリッキーなので、一番苦労しました。

紫煉:あんきもでDjent的なことをやってみたい気持ちがあったし、和とDjentは相性がいいんじゃないかと。たぶん誰もやっていないアプローチだと思う。VEIL OF MAYAが中東っぽいフレーズとDjentを交ぜているから、絶対にうまくいくと感じたんですよ。

仁耶:「鉄皇」、「豪賊」の2曲はギターのバッキングをいかにかっこ良く弾くかがポイントでした。特に「豪賊」はギター・ソロもないので、バッキングに魂を込めてレコーディングしました。バッキングは簡単なフレーズだからこそ、かっこ良く聴かせるのが難しいんですよ。「鉄皇」は特にDjent感のあるリフを意識しました。

-今作のレコ発ツアー("鮟肝 単独公演 玄音参詣")が5~6月とありますが、その中にモッシュ/ダイブ歓迎の"~暴れん坊の陣~"公演も控えてますよね。

冬黄:もともと東名阪の3公演しか予定してなかったんですけど、思いのほかチケットの売れ行きも良かったので、急遽東京でもう少しやろうと。"~暴れん坊の陣~"公演に関しては紫煉の思惑があるみたいで......。

紫煉:あんきもは基本、老若男女、幅広い層に聴いてもらいたいんです。ライヴのノリが激しすぎるとついていけない人もいるだろうし、そういう方も排除したくないんですよ。なので、ライヴで本気でがっつり暴れたい人たちの受け皿というか、この日だけは好きにやってよ! というライヴも用意したくて。自分もライヴで暴れるシーンで育ってきたので、今日はそういう日ですよっていう。

冬黄:具体的にこういう行為はOK/NGというのは紫煉のブログに詳しく書いているので、熟読して参加してほしいですね。"~暴れん坊の陣~"公演は私たちも楽しみなんですよ。言っても、そんなにみんな暴れないかも(笑)。

紫煉:それが心配なんだよね。一発俺がダイブする必要もあるのかなって。俺、高校の頃にCHILDREN OF BODOMのライヴに行って、ライヴ後に自販機で500mlのペットボトルを一気に2本飲んだんですよ。Tシャツは絞ったら汗がドボドボ出てきたので、物販で買わざるを得なかったという。最低限そこまでやってほしい(笑)。

-それぐらいの気構えで暴れてほしいと。

紫煉:その分Tシャツは多めに用意しておきます。

-神田明神ホール公演はファンにはたまらない内容になりそうですね。

冬黄:今回の衣装は私がかなりプロデュースしているんですよ。今までのアーティスト写真の中で一番気に入ってます。MV「瀧夜叉姫」も実際に能をやる舞台をお借りして撮影させてもらったんです。なんちゃってではなく、和について固めた作品なので、早くライヴをやりたいですね。

紫煉:言い忘れていたけど、「豪賊」はみんなでタオル回しではなく、手ぬぐいを回したいなと考えているんです。その手ぬぐいは物販で用意したいと思います。

冬黄:あと、神田明神ホールでは畳をフロアに敷くことを謳っているので、お客さんにはみんな靴を脱いでもらいます。畳をわざわざ敷くんですよ。その畳も100枚ぐらい買いました。

-それはすごいですね。前代未聞です!

冬黄:我々もMVで足袋を履いていたので、みなさんも足袋を履いてもらえたらなって(笑)。

紫煉:足袋は履かなくてもいいけど、楽しみにしてもらえたらなと思います。