INTERVIEW
GALNERYUS
2017.09.22UPDATE
2017年09月号掲載
Member:Syu(Gt)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-いい刺激になってますね。そして、11作目となる今作『ULTIMATE SACRIFICE』ですが、前作に続き2作連続でのコンセプト・アルバムとなりましたね。これにはビックリしました。
前作の『UNDER THE FORCE OF COURAGE』制作時から、次のアルバムは続編にしようって考えてたんです。
-そうだったんですね。
これまでは、基本的に1年ごとにアルバムを出してきてたんですけど、今回はアルバムのリリースの合間に映像作品や僕のソロのリリースもあったんで、年を跨いで制作しないと完成させることができなかったんですよね。そういったなかで少し気持ちの切り替えが必要なところもあって。もし前作から1年スパンでのリリースだったら、恐らくもう少しクオリティが下がってしまったと思うんですよ。なので今回は考える時間がすごく大事でしたね。
-たしかに今までのリリース・スパンから考えると長いですよね。
そうですね。ただこれでもパツパツな感じだったんですよ(笑)。
-それはやはりコンセプト・アルバムだから、ということも関係してるのでしょうか?
大いにありますね。重大な責任を伴うってことで。普段どおりのアルバムをリリースするというような構え方じゃないんですよね。ストーリーを構成していったり、構成どおりに話が進まないといけなかったり、辻褄がすべて合うようにしていかないといけないんで。統一された世界観は非常に重要な要素になってくるので、1ミリでも妥協してしまうと、素晴らしい作品ではなくなってしまうと思い、しっかりと時間をかけて作りました。
-なるほど。ちなみにストーリーを読ませていただいたんですが、この先もまだ続きますよね(笑)?
まぁ、明らかに続くように感じますよね(笑)。
-ちなみに今作のジャケット・デザインは、前作とは異なる方を器用されていますね。
そうですね。まさかの素晴らしいタイミングで高橋ツトム先生が決まって。僕の要望を軽く伝えてお願いしたら、ラフ画を送ってくださったんです。そしたらラフ画の状態ですでに凄まじい破壊力で。"もうなんにも言うことないです! これでお願いします!"って(笑)。それで、ノリノリで描いてくださってできあがったものが、このジャケットです。
-最近のGALNERYUSのジャケットの傾向とはちょっと違う感じになりましたよね。どちらかと言えば初期のころに近いというか。最近のジャケットは派手目なものが多かったですが、今作は非常にダークですね。
『VETELGYUS』(2014年リリースの9thアルバム)は若干異なりますけど、小野さんが加入してからはドラゴンとか女神とか、そういう世界観が多かったんですが、今回は馬とか闘いという世界観を継承してる点では初期に近いかもしれません。
-さて作品の中身に関してですが、男性のナレーションが入るプロローグ的な「ENTER THE NEW AGE」から始まりますね。
ライヴのオープニングに流すようなイメージで作ってます。聴いた人がとにかく奮い立つような感じの曲にしたかったので、"1時間があっという間だった!"というような、最初の掴みをしっかり勝ち取れるような感じの曲にしました。
-ちなみに、ブックレットに歌詞とは別に小説が書いてありますが、こちらもSYUさんが書いたものですか?
そうです。僕が書いてプロデューサーの久武さんに校正してもらいました。もう、夜な夜なiPhone握りしめて(笑)。真っ暗にしてグワーッと考えないと、少しでも気が散ると変な文章になっちゃうので。そんな感じでしたね。
-普段ファンタジーものなど小説は読むのでしょうか?
活字が苦手なんで(笑)、小説はあまり読まないですが、海外ドラマや映画はひたすら観まくってます。
-ファンタジー作品ですか?
そうですね。"ロード・オブ・ザ・リング"とか、そういうファンタジー作品は好きですね。中世ヨーロッパを題材にした作品はずっと観てきてるので、そういう話を作ることは得意ですね。そういった積み重ねによって、よりディープな世界に入っていけるのかなって。前作よりも自然と言葉がいっぱい出てきたというのは、そういうことなのかなと思いますね。
-なるほど。では今作は楽曲だけでなく、小説の部分もパワーアップしているということですね。
そうですね! 文章を並べていくことって、本当に難しいことだと思うので。やっぱりリズミカルに書いていかないといけないし。その点では以前よりもずっと書けるようになってきてますね。成長を見てください(笑)。
-(笑)書いてて楽しいんじゃないですか?
楽しいですけど、すごく精神的に搾り取られるところがあるので大変ではありますね。その分やりがいはありますが。
-楽曲を作る大変さとは、また違う感じですか?
同じような感じですね。やっぱり自分で読んだときに気分が上がっていくものでないと、それを楽曲にも反映できないので、文章を作ることも曲作りの一部だと思っています。
-なるほど。小説を書くことと曲作りは、近いものがあるんですね。
そうですね。作曲とよく似た感じですね。
-意外でした。そこは全然違うって言われるかと思ってました。
僕の中では、作曲のときの頭の使い方と似てるというか、ほぼ一緒なんです。思い浮かばないと進まないっていう(笑)。