INTERVIEW
GALNERYUS
2017.09.22UPDATE
2017年09月号掲載
Member:Syu(Gt)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-ちなみにミュージック・ビデオってどの曲なんでしょうか?
Track.9の「ULTIMATE SACRIFICE」です。
-おぉ......これそのままフルで作るとすごいことになりませんか?
さすがに、12分は無理だってことになって(笑)。掻い摘んでというわけにもいかないので、途中までのMVになりました。
-「HEAVENLY PUNISHMENT」かと思ってました。
確かに、「HEAVENLY PUNISHMENT」も候補には挙がったんですが、泣きのメロディが一番出せてるのが最後の「ULTIMATE SACRIFICE」だったので。本当はフル尺で作りたかったんですけどね(笑)。
-アルバムの表題曲でもありますしね。YUHKIさん作曲の「RISING INFURIATION」ですが、YUHKIさんが今まで作った楽曲の中でもかなりキーボード・プレイヤー目線で制作された楽曲に仕上がってますね。
そうですね。イントロのリフとか、プレイヤー目線で見ると、すごくツボな感じのリフで。変拍子も挟みながら、ああいう感じっていうのは、僕には全然書けないリフなので、新鮮でしたね。
-語弊があるかもしれませんが、SYUさんがひとりでアルバム全曲作ってしまおうと思えば、できないことじゃないじゃないですか。でも毎回YUHKIさんの曲がアルバムに入っているというのは、ギタリスト目線では思いつかないような、自分にはないものを提供してくれるからではないでしょうか。
それは、すごくあります。キーボード・プレイヤーってギタリストとは音世界がまったく違うので、大きな感じで捉えてくれるというか。ギター1本で考えるのとはまったく違うアプローチになってくるし、理論的にも違うところもたくさんあるので。だから自分の曲とアプローチが分かれることで、聴いてる人にとってはいいアクセントになるんじゃないかと思います。あとはせっかく素晴らしい曲が書ける人なので、GALNERYUSでもたくさん書いていただきたいですね。
-YUHKIさんの作曲だと、作詞は小野さんとTAKAさんコンビになるんですね。
そう決まっているわけではないんですが、なんとなくそういう流れになってますね。僕自身が作曲したものは"自分が書きたい!"って気持ちがより強くなっているので、自分の楽曲では"すみません、これは書かせてもらっていいですか?"ってお願いしてしまうくらいで(笑)。それもあってYUHKIさんの曲に関しては小野さんとTAKAさんにお願いしました。
-なるほど。そしてアルバム最後のTrack.8「BRUTAL SPIRAL OF EMOTIONS」、Track.9「ULTIMATE SACRIFICE」という流れになっていくわけですが......。これまでも長尺の曲は出してますが、2曲連続で10分超え、さらに構成が分かれている組曲調の楽曲が続くアルバムは過去にはなかったですよね。
ないですね。何部構成という作りにすると、身構えて聴いてしまうとは思うんですけど、実際フタを開けてみたらすごくわかりやすくなってます。Track.8は前半の"怒り"セクション、後半の"バラード"セクションに分かれていて、Track.9に関しては全編泣きっぱなしで。リズミカルにTrack.8~9へと進めたなって感じではあります。とにかくこの2曲は歌詞から音のダイナミクスから何から何までこだわりにこだわり抜いてますね。"丹精込めて磨き上げた"というのは、まさにこのことを言うんだなってくらいにやりましたよ。
-そうですよね。"一番力が入っているのは組曲構成のラスト2曲ですか?"って質問を今まさにしようと思ってたところでした(笑)。
そうなんですよ(笑)。ほんとに、この2曲あってのアルバムです。もちろん、全ての曲が大事ではあるんですが、この2曲でどんだけ労力を使ったのかというのは、想像を絶するくらいですね。1曲のために、昼の1時に集合して朝5時までかかる、とか、そんなことを何回も繰り返した感じです。
-アルバム最後に、こういう長尺な曲を2曲並べて尻上りに盛り上がりを演出する構成は、やはりコンセプト・アルバムならではですよね。
そうですね。こうやってチャプターで分けることによって(※Track.8は3つ、Track.9は5つのチャプターから構成)、リスナーの聴き方も変わるじゃないですか。より大事なものになるイメージというか。そういうふうに聴いてもらいたいって思いも込めて、ひとつのトラックの中でチャプターに分けたという意味もありますね。
-この2曲に力が入ってるのは、本当によく伝わってきます。
最後のマスタリングはすごく時間がかかってしまいましたね。Track.8は前半と後半でマスタリングの仕方を大きく変えてもらわないといけなかったんです。最初は少しの違いだったので"もっとダイナミクスをつけたい!"って散々わがままを言わせてもらいましたが、おかげで素晴らしいものになりました。
-普通1曲の中でマスタリングの状態ってあまり変わらないものなのではないでしょうか。
普通はそうですね。なので"違うトラックとして捉えてください"ってお願いしましたね。
-エンジニアとしても、なかなかそういう依頼はないでしょうね。
難しいかもしれないですね。あるにはあるでしょうけどね。今は、最先端のデジタル機材がありますから、"ここから設定変えます"っていうだけでいけちゃいますからね。
-Track.8も好きですが、個人的にはやはりTrack.9がビビッときましたね(笑)。
いや、ありがたいです(笑)。