INTERVIEW
Crossfaith
2017.07.28UPDATE
2017年08月号掲載
Member:Kenta Koie(Vo) Kazuki Takemura(Gt) Hiroki Ikegawa(Ba) Tatsuya Amano(Dr) Terufumi Tamano(Prog/Vision)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
ダンス・ミュージックのノリが強くあるので、今までのメタル的なヘヴィで勢いある感じとは違う角度からの、尖ったビート感を楽しんでいただけるんじゃないかと
-メンバー自身"ここを聴いてほしい"っていう部分はあるかな?
Koie:ネイティヴの友達にナレーションを入れてもらったりと、今回はそういう細かい部分にも力を入れていて、より場面が想像できるような演出をしっかり入れてますね。
Teru:サウンドクルーっていうでかいスタジオでプリプロしたときに、いろんなシンセを借りることができたんです。なので、古い昔のものから最新のものまで手当たり次第にいろんなシンセを借りて、今まで使ったことのないような音色を出せたので、そこは聴いてほしいですね。
Koie:ライヴを録るのと一緒で、アナログ・シンセをTeruがプレイして、それをそのまま録音してっていう。やってるときは楽しそうでしたよ(笑)。
Tatsuya:ダンス・ミュージックのノリが強くあるので、今までのメタル的なヘヴィで勢いある感じとは違う角度からの、尖ったビート感を楽しんでいただけるんじゃないかと思ってます。
Hiro:「OMEN」(2011年リリースの2ndアルバム『The Dream, The Space』収録曲)以降僕らにはエレクトロの曲をバンドでミックスするスタイルがあって。今回はさらにTeruのシンセが強いものになってます。ベースを換えたタイミングっていうのもあるんですけど、自分のベースの音も、もうちょっと攻めてもいいんやろうなっていうことで、今回結構歪ませたサウンドになってます。
-うんうん、たしかに変わったよね。以前よりベースの音が主張してるなって。
Hiro:はい、個人的にはいい感じでいけたかなって。
Kazuki:ギターに関しては今回、過去一の音になったという自信があります。音のこだわりで言ったら"いかにシンプルにカッコいい音を鳴らすか"っていうのが前々からの自分のテーマでもあったので、今回それがすんなりハマったというか。僕もギターを換えたり、機材を換えることによっての音の変化や、求めてた音がそこで鳴ってくれるかとか、エレクトロ・サウンドの中でそういうのが重要だなと思うので。今回はそういうラウドロックに寄りすぎないダンサブルなサウンドメイキングもできたんじゃないかなと思います。
-シンセの存在感があるから、あまりぶつかってもいけないし。
Kazuki:そうですね。お互い住み分けができてるんじゃないかとは思いますね。
-この曲はホントにかっこいいし、正直、前作より上だと思いました。
Koie:ありがとうございます!
-ちなみに「FREEDOM」がリード・トラックっていうのは最初から決めてたのかな?
Koie:「FREEDOM」をリードにしていこうっていうのがレコーディングの半ばで決まって。曲が持ってるテーマの近未来感も、これから俺たちが直面していくであろう部分に一番近いというのもあったので、1曲目はこれにしたいなと。
-Track.2の「Rockstar Steady」もシングル向きだけど、歌詞の方向性から考えても「FREEDOM」の世界観の方がすごくCrossfaithらしいよね。 このまま「Rockstar Steady」の話題に突入するけど、The BONEZ / RIZEのJESSEをヴォーカル、ラッパーに迎えたことにはちょっと驚いた。この曲の歌詞や楽曲もJESSEのキャラクターにすごくマッチしてるけど、自分の中でCrossfaithがJESSEを迎えるという想定がなかったというか。
Koie:「Rockstar Steady」の歌詞を書いてるときに考えていたことなんですが、この10年くらい世界的にロックが下火なわけじゃないですか。俺たちは一番多感なときにロックのバブリー感というか、ギラギラした感じを聴いて育ってきたんですが、俺たちが10年間バンドをやってたら、そういうバンドがどんどん減ってきて。それに対して、俺たちのサウンドでもう一度勢いのあった時代のロックを呼び起こすというか、現状に対して"どうなってんねん!"って歌詞にしようって決めて。それで、ゲスト・ヴォーカルを考えたときに、現役バリバリでしかも昔からスタイルを曲げずにやってる人って考えたら、もうJESSE君しか出てこなくて。JESSE君がThe BONEZを始めてから、対バンしたりライヴ会場で会ったり、実際ライヴを観る機会もぐっと増えて。そのときのJESSE君のロック・スター感は、フロントマンとして群を抜いてるなって感じてました。JESSE君って俺らより10歳くらい年上なんですけど、自分がかっこいいって思ったバンドに対しては年齢とか関係なく対等に接してくれるんです。さらに、自分が培ってきたものはきちんと見せてくれる、本当にいい先輩だなって思います。
-なるほど。この曲は楽曲から、それとも歌詞から?
Koie:曲が先にあってそれに俺が歌詞を乗せて、"こういうテーマでこういうことを歌ってほしい"ってJESSE君に投げました。
-JESSEがゲストだから、ミクスチャー/ラップコアな楽曲だと思ったら、ギター・リフやベースラインにミクスチャーのエッセンスを感じることは感じるけど、軸となる部分はTHE PRODIGYやHADOUKEN!を思わせるエレクトロ、ダンス・ロックだよね。
Koie:そうですよね。
Teru:この曲はすごくミックスも悩んで。もっとPENDULUMみたいな割り切ったハイファイみたいなドラムの音にしようかとか。いろいろ試行錯誤のうえで、今のこの形がベストかなって判断しましたね。
-まんまTHE PRODIGYとかHADOUKEN!のようなサウンドになったわけじゃなくて、ギター・リフなど楽器隊もしっかり主張してるし、Crossfaithサウンドとして成立してるのはさすがだなと。
Koie:自分たちがちゃんと通ってきてるからこそ"こんなんもできるんや"っていう。そういう飛び道具的なものもありつつ"Crossfaithはひとつの型にはまらない"ってことをより鮮明に打ち出せた作品になったと思います。