MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

AA=

2016.05.04UPDATE

2016年05月号掲載

AA=

Member:上田 剛士(Ba/Vo/Prog)

Interviewer:吉羽 さおり

-「BATTLEFIELD TvsNK」(Track.7)、「BATTLEFIELD TvsZ」(Track.11)はライヴでも披露していた曲で、ライヴのドラマーでもある金子ノブアキ(RIZE)さんとZAX(The BONEZ / Pay money To my Pain)さんと、ノイジーなデジタル・サウンドとの激しいセッション曲となっています。こういったタイプの曲も、アルバムに入れようと考えていたんですか。

基本的に、ライヴにおいて変化球は投げたいなと思っていて。もともとはそういう発想で作った曲だったんだけど、面白かったので、じゃあ録ってみようよという話になりアルバムに入れました。ドラマーふたりのキャラクターの違いが、よりわかるようになっています。ドラムのパートについては、それぞれ自由に叩いてもらっているんですけど、この違いがAA=のドラマーふたりの違いなんですよね。曲の解釈も違ったりして。

-まさにふたりのドラマーとしての面白さが際立った曲ですね。

そうなんです。一緒にやっているこっちはそういうのがよくわかるんだけど、ライヴだけ観ているとなかなかわからないと思うんですよね。だからこの違いはすごくわかりやすいんじゃないかな。

-全体的な歌詞のテーマは、AA=が始まったときから変わらない視点がありますね。今を切り取っていくというリアルなものになっています。

時代を切り取る感じですね。そのときに自分が思うことが歌詞になっていくのが強いと思います。

-今の時代を切り取って咀嚼して吐き出していくものですが、それは怒りや熱量の高いものであって、これを書いて伝え続けていくのは、エネルギーを要することです。それでもなお、音楽に込めたい思いとはそういうリアリティであったりするんでしょうか。

そうなっちゃいますかね。作っているとそうなっていくというか。

-こういうふうに強いメッセージが常に歌に埋め込まれているのは、上田さん自身の音楽的なルーツがそうさせるのか、それとも音楽の姿勢がそういうものでありたいということなんでしょうか。

もともとパンク出身だから、そういうものが好きで基盤になっているんだろうなとは思います。別に、常にメッセージを込めようと思っているかと言うと、そうではないと思うんだけど、自然とそうなっていくんですよね。曲に関しては、作ることが好きなんですよ。わりとポンポンと、何もなくても作っていたいタイプなんです。逆に言葉/歌詞を書くとなると、そこに思想的なものが文字で表れてくるので。そちらの方が、ときとして難しかったりはします。

-音も鋭いだけに、そこに言葉を乗せるのはとてもデリケートなことですね。

言葉は言葉でとても強いものなので、そうですね。

-『#5』を制作するうえでの大きなテーマはどういうものだったのでしょうか。

時代的な話で言えば、今は世の中が変化していく、いろんなものが変わっていく時期だと思うし、ちょっと危ない時期でもあると思うんですね。これは、"日本が"とか"今の政権が"とかだけではなく、世界的にそういう感じになっていて。それはすごく、自分の中の今回のテーマになっていると思います。

-薄い氷の上を歩いているような危うさはとてもありますね。

たぶん、何年後かに2016年や今の時代を振り返って見たときに、このときがキーポイントだったねと言える年になりえる感じがあります。今をどう生きていくのかというのは、大事なことなんだろうなと思いますね。

-こうしてアルバムの曲が並んだときに、最初にリリースされたJ.M.さんとのコラボ曲「→MIRAI→(ポストミライ)」の"#5ver."(Track.12)が後半にきて、最後に「Shine 輝」(Track.13)という曲で終わります。最初にリリースされたのが、未来へと向かう曲だったというのは、とても面白いですね。もともとはCM曲というのが、制作の発端になった曲ですが、それがアルバムのストーリーとしてもハマっていったのでしょうか。

そうなんですよね。コラボの3曲をアルバムに入れることは、ぼやっとしか考えてなかったんです。アルバムを意識して作った曲ではなかったんですよね。それでも、曲を並べたときに、アルバムとしてとてもまとまりのある形になったなとは思いました。こういう作り方をしたことがなかったので、面白かったですね。今までは常に、アルバム単位で曲を考えてきていたので、"こういう流れでこういう曲がアルバムに必要なんじゃないか"ということをふまえての曲作りだったんですが。今回は、この3曲ありきのアルバムなので、そういうところでは、また違ったアルバムの発想になりますね。あとはライヴでやっていた"BATTLEFIELD"の2曲があったので、それをどう入れるかというのも考えたんですけど。そのわりには、ちゃんと"アルバム"になったなという感じですね。

-激しく、鋭いエッジのあるサウンドで攻めた作品の中で、「→MIRAI→ (ポストミライ)_#5ver.」と「Shine 輝」が最後に並んだことで、これからを感じさせるものもあります。そうは言っても、今作ではAA=の持つメロディアスな部分が、これまで以上に抑えられているように思いましたが、それはこのときのモードのようなものですか。

そうですね、そういうメロディアスな曲のアイディアはあったんですけど、今回は違うかなと思い、手はつけなかったです。それをいろいろやりだすと、自分の中でいつものアルバム作りと変わらない気がしちゃって。今回はせっかく、こうやって全然違う進み方をしてきているので、ちょっとチャンネルが違ったんでしょうね。逆にそれがAA=らしくなった感じもします。