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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第26回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第26回

激ロック読者の皆様、明けましておめでとうございます。
しかし我々はコロナ禍という未だ明けない闇の中を暗中模索し続けている。
こんな時代、娯楽の一つである音楽やライブが人々の生活から忘れられていくのではないかと不安に思う事がある。
ましてやこのコラムを愛読してくれているのは音楽ファンの中でも相当ニッチな層だ。
恐らく周りと音楽の趣味が合わない事だろう。
数少ない同士達よ、本年度も大衆に刺さらないであろうこのマニアックなコラムを宜しく頼む。


Experiments In Mass Appeal / Frost*


イギリスで数々のヒットソングを産み出したプロデューサーでキーボーディストのジェム・ゴッドフリーが「俺、ポップスばっか作ってますけど、やっぱプログレ好きなんすわ......」と言ったとか言わなかったとか......。
トッププロデューサーの権力を存分に振りかざし(たかどうかは定かではないが)、
ギタリストに「Arena」「Kino」等の活動で知られるネオ・プログレ界の旗手 ジョン・ミッチェル、ベーシスト&ドラマーに「IQ」等で知られるジョン・ジョーウィット&アンディ・エドワーズという英プログレオールスターズ的な面子を集め結成された Frost*は2006年に「Milliontown」でデビュー。
鍵盤をフューチャーした壮大で美しいサウンドにえげつない程の変拍子とバカテクプレイ。
26分越えの曲もあったりと、まさに英プログレの集大成!
もちろん世界中のプログレファンからも大絶賛。
しかし、ちょろっとツアーやった後にゴッドフリーが「俺、ちょっと用事あるんで......」的な感じで速攻で解散(笑)
と思ったら翌年「俺、Frost*の曲作ってるぜ!」的な事を言いだすゴッドフリー。
「何なん、このおっさん......」と正直私は思った。
だが大幅なメンバーチェンジを経て2008に年リリースされた「Experiments In Mass Appeal」を聴いて私は腰を抜かした。
前作よりも更に洗練された、正に「プログレッシヴ・ロック」の未来がそこにはあったのだ。
おっさんとか言ってゴメン......。
ドリームシアターの様な、少々メタル要素のあるプログレが好きな方は前作の方が好みかもしれないが、私はメロディと浮遊感が大幅にアップしたこの作品の方が断然好きだ。
改めて英プログレを掘り起こすきっかけにもなった。
今まで「プログレはどうも取っつきにくくて......」なんて思っていた人は騙されたと思って一度この作品を聴いてみて欲しい。世界の見え方が変わるかもしれない。
ちなみにその後ゴッドフリーが「いやー、身体しんどいすわ」的な感じで無期限活動休止。
流石にもう無理かと思っていたが2016年、予想外の新譜リリース。
私は喜びを噛み締めながら思った。「何なん!このおっさん!」と。

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