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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第13回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第13回

「シューゲイザー」。数あるロックの派生ジャンルの中で、カルトな人気を保ち続ける物の一つである。
91年にMy Bloody Valentineが「Loveless」を発表して以降、世界中にマイブラフォロワーが現れ、シューゲイザーというジャンルが広く知られた。
そんな中、00年代のニューゲイザームーヴメントの中で一際異彩を放ったバンドが居た。



Finelines / My Vitriol


イギリスの名門大学であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに通っていたソム・ワードナーとラヴィ・ケサヴァラムが出会い結成。
当初はケサヴァラムがドラム、ワードナーがそれ以外のパートを全て担当していたそうだ。
98年、たった二日間で録音した「Delusions of Grandeur」を発表するやいなや、すぐさまアンダーグラウンドシーンで火が付いた。
二人は、ギタリストのセス・テイラー、ベーシストのキャロライン・ヴェニスターをメンバーとして迎え入れ、99年にデビューシングル「Always Your Way / Pieces」を発表。
更に勢いを増したバンドはレーベルと契約。リリースしたシングルは立て続けにUKチャートを駆け上がる。
そして満を持して発表したのが1st album「Finelines」だ。

当時イギリスではシューゲイザーリバイバルムーブメント、所謂ニューゲイザーブームだった。
My Vitriolもその中の一つとして売りだされたのは事実だ。
だがしかし、彼らのサウンドは一口にシューゲイザーとは括れない、独特な味を持っていた。
UKロックが持つ暗くダウナーな雰囲気、シューゲイザー特有の美しさやフィードバックギターが、USオルタナティヴロックにおける荒々しさやポップさと見事に融合しているのだ。
マイブラ、Placebo、Nirvana等の良い所取りと言ってしまえば分かりやすいだろうか。
事実、ワードナーはカート・コバーンの影響を度々インタビューで口にしている。
そして何より、ワードナーが滅茶苦茶イケメンなのである。
若い頃のプリンスを彷彿とさせる中性的なルックス。男の私でも抱かれたいレベル。
当然イギリスでこのアルバムは大ヒット。
更に国内のみならず国外でも火が付き、リミックス版がアメリカでもリリースされた。
当然日本でも注目された彼等は、01年のサマーソニックで来日している。

これからのロック界を牽引するバンドになる、と誰もが思っていたであろう。
しかしその後彼等が新作を発表することはなく、活動をしているのかさえ分からない状態であった。
悲しいかな、よくある「一発屋」だったのか......。
誰もが諦めていた09年、突然の来日公演。
この8年間、たった一枚のアルバムを聴き続けたファンたちは涙した。もちろん私もその一人である。
解散してなかったのね......。きっとこれからまた活動してくれるのね......。
そう思った矢先、またしても何の音沙汰も無くなり、そのまま数年間の時が過ぎた。
もう駄目か......。今度こそ活動終了か......。
希望を失いかけたところに一筋の光!16年に「The Secret Sessions」を通販限定でリリース!ファン喚起!
やっとですか!まさかまた来日ですか!?
喜んだのも束の間、またしてもバンドは沈黙......。
かと思いきや何故か今年いきなり来日!しかも下北でワンマン!
ほんとこのバンド......、ツンデレか(笑)!!

それでも求めてしまうのは、この「Finelines」というアルバムが本当に素晴らしかったからに他ならない。
まさに、「惚れた弱み」である(笑)。

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