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LIVE REPORT

the GazettE

2018.07.19 @三郷市文化会館

Writer 杉江 由紀

この新たなる門出をもって、the GazettEはバンドとしての本質部分により磨きを掛けていくことになるのだろう。

前作『DOGMA』以来、約3年ぶりのアルバムとなる9thアルバム『NINTH』を先だって発表したばかりの彼らが、このたびはこれまた約3年ぶりとなる全国ツアー"the GazettE Live Tour18 THE NINTH / PHASE #01-PHENOMENON-"を、7月19日に三郷市文化会館にて行われたライヴを皮切りにしていよいよスタートさせたのだ。

"お前ら、会いたかったぜ! アルバム・ツアーは約3年ぶりということでね。気がついたら前の『DOGMA』のときから結構時間が経っちゃっていたので、とにかくすげーこのツアーを楽しみにしてました。基本的に今回は『NINTH』に入っている新曲ばっかりの内容だから、最初のうちはまだどうやって動いていいかわかんない、とかみんなもたぶんあるんだと思います。まぁ、でもそこは俺らも同じなわけ(笑)。だけど、俺がちゃんと引っ張ってくからさ。お前ら、ちゃんとついてこいよ! 俺たちでこのツアーを、ヤバいツアーにしてこうぜ!"

新譜『NINTH』で描かれていた世界を提示していくためのツアーとだけあって、初日となったこのライヴから、彼らはほぼアルバムの曲順を踏まえながらそのパフォーマンスを展開していくことに。2017年春に迎えた結成15周年の節目を経たうえで、the GazettEの本質と本性を改めて具現化することに成功した『NINTH』のクオリティ同様、ライヴの面でも彼らは初日からいきなりthe GazettEのthe GazettEたる所以を、威風堂々とした姿勢で我々に対し明示してみせたのである。......とはいえ、実のところ彼ら自身は初日ならではの感覚というものもどうやら得ていたらしい。なぜなら、ライヴ中盤においてフロントマン RUKI(Vo)はこのようなことをのたまっていたのだった。

"いいよ、いいよ、なんかその感じ。あのさぁ、まだみんなもちょっと新曲だとぎこちないじゃん(笑)。でもこれが、ツアーの終わりの方になるといつもみたいに大暴れになっていくんだろうね。だからこそ、今は今でこの空気を楽しもうよ"。"なにしろ、ここから始まっていくツアーに向けてのノリを最初に作っていくのはまさに今日みたいなところもありますから。ここでまずは勢いをつけて、そのあとのツアーに繋げていこうと思っております。大丈夫。「どうやってノったらいいのかな?」とか、「久しぶりに動いてる5人を間近で観たな」とか頭でいろいろ考える前に、一緒にこの場でライヴを作っていきましょう! いけるか? 気合入れてこいよ!"。

あくまでも『NINTH』を前提としているツアーではある一方、完全にアルバムと同じ曲並びで構成されているというわけではないが、初日の演奏を聴いた印象としては「裏切る舌」における戒(Dr)のドラミングのキレのよさや、「その声は脆く」で葵(Gt)が見せた繊細なギター・ワーク、「BABYLON'S TABOO」でのREITA(Ba)によるいい意味でエグいベース・プレイや、「ABHOR GOD」の中で麗(Gt)が聴かせていた先鋭的でエッジーな音像、「UNFINISHED」の泣きメロにRUKI(Vo)がより鮮やかな躍動感を加えて聴かせていた場面なども含めて、ライヴバンド the GazettEのポテンシャルは『NINTH』収録の楽曲たちを、ともすれば音源以上に大きく花開かせていたと言っていいと思う。

"まずは、この時間を俺たちとここにいるお前たちが共有できていることに感謝! まぁほら、今日は久しぶりのツアーじゃない? だから、ほんとならお前たちの顔でもゆっくり見ながらじっくりライヴをやっていこうかなと最初は思ってたわけ。でも、いざ始まってみたらそんな余裕はないよね(笑)。そして、改めて思いました。今まで何本もツアーをやってきたし、どれだけの本数のライヴをやってきたかもわかんないけど、初日っていうのはやっぱり特別。「久しぶりでキツいな」とか、「あれ、そんな感じのノリなの?」とかいろいろ感じるし(笑)。これまでもそうだったように、ここからまたたくさんのライヴをやっていくうちに、きっと変わっていくことがたくさん出てくるんだと思います。ほんとにライヴって生きものだよね。『NINTH』はもともとライヴを想定したアルバムとして作ったものですし、このツアーが終わりに近づくころにはメチャメチャもっとかっこ良くなっていることでしょう。今回の『NINTH』を作ってみて、自分たちでは「今が一番最高にいい」って感じているので、ツアーに関しても今回を今までで一番いいツアーにしたいと思ってます! 一番激しくて最高にアツくてヤバいツアーにしようぜ!"。


この夜、アンコールにてRUKI(Vo)がこう述べたあとには、なかなかに懐かしい「舐~zetsu~」など、『NINTH』から以外の楽曲も数曲ほど聴かせてくれたthe GazettE。それでもやまぬ歓声に対しても、ダブル・アンコールというかたちで華々しく「LINDA~candydive Pinky heaven~」で初日を締めくくってくれたのだが、何よりその際RUKI(Vo)がステージに残した言葉に彼らの気持ちはすべて凝縮されていたのではなかろうか。

"今日は初日でしたが、このあとのツアーがとても楽しみになるライヴでした。ここから長いツアーになっていくけど、よろしくお願いします!"。

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