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LIVE REPORT

DOPEDOWN / おはようございます / キバオブアキバ

2018.07.17 @下北沢LIVEHOLIC

杉江 由紀

水も滴るいい男ならぬ、汗も滴るいいバンドたちが、今宵は下北沢にこぞって集結することとなった。題して、"LIVEHOLIC 3rd Anniversary series Vol.9×乾く暇NIGHT Supported by 激ロック"。シーンの中でも、特に活きのいい超個性派バンドたちが揃っていることをそのまま表すかの如く、なんとこの日のチケットは完全ソールド・アウトとなっており、開演前から場内は大変な活況ぶりを呈することに。

そんななかにあって、まずこのイベントの火蓋を勢いよく切って落としてくれたのは紅一点のヴォーカリスト、さとしを擁するキバオブアキバだ。"全年齢対象メタル・バンド"を自称するだけあって、キバオブアキバの楽曲はメタメタしいだけではなく、親しみやすいキャッチーさを持っているところが大きな特徴で、「毎日がeveryday」や「おやかたさまランナー」など、タイトルからして面白いものも多い。また、昨年秋にリリースされた現体制での初アルバム『あげてけ!ぽじてぃ節』に収録されていた楽曲たちがすべてこのライヴで演奏されていた点も、このバンドの"今"をありありと感じられるところだった。
なお、6曲目の「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」では、共演バンドである"おはようございます"からフロントマン 鯖(Vo)がサプライズ・ゲストとして乱入し、さとしとのツイン・ヴォーカルを披露するというひと幕もあり、場内が沸きに沸いたことは言うまでもないだろう。この夏はライヴ活動を控えて水面下での制作期間に入るというキバオブアキバだが、またかっこ面白い新曲たちを携えて彼らが前線に復帰するのを期待していたい。

続けて登場した"おはようございます"は、過剰なくらいにアッパーな「睡眠学概論」や、場内中にオーディエンスによるクラップが鳴り響いた「前田」と、冒頭から飛ばしたライヴ・アクトを展開。"みなさん、もうすでにぐっちゃぐちゃですね! 個人的にこういうフロアは大好きなんですけど、ただ僕らの方では人の体調までは管理できませんので(笑)。そこは個々でちゃんと気をつけてくださいね。でも、こうして今もここにいるっていうことは、みんなもっとぐちゃぐちゃになれるということでよろしいんですよね? こんなにパンパンのフロアでも、縦ノリだったらできるでしょ!"と、MCでさらにこのような煽りを入れてきたのは、ベーシストである鬱Pだ。
数々の粋なオリジナル曲たちはもちろんのこと、いわゆるボカロ曲としても著名である「骸Attack!!」でもフロアをより激しい興奮のるつぼへと化してみせた彼らのライヴ・バンドとしての力量は、相当なものと見受けることができた(ちなみに、近いうちにこの曲は"おはようございますVer."としての音源化が予定されているとのこと)。
来たる9月5日には全国流通盤としては2作目となる『Design EP』を発表し、そのあとには全国ツアー"NIPPON IS JAPAN TOUR"、東京においては9月9日に新代田FEVERでのライヴも予定しているというおはようございます。彼らの邁進ぶりは、ここからさらに加速していきそうだ。

そして、いよいよこの夜のトリとして3番目に登場したのはDOPEDOWNの面々。DOPEDOWNは、もともとニコ動界隈で活躍していたKOOLが、2016年秋よりヴォーカリスト 吾龍として率いるようになったバンドである。ここだけの話をすると、ライヴ前に筆者に渡されていた関係者用セトリには"外音、バキバキ、ゴリゴリで"という、PAスタッフヘの指示が大きな文字で書き殴られていた。故に、彼らが発する音はどれもまさに激ロック然とした轟々たる響きに満ちていたことは言うまでもない。
"あっつ! 本日は「乾く暇NIGHT」ということですが、みんな大丈夫? 乾いてない?"。
極めて刺激的な音像と、吾龍の放つソウルフルな色合いを含んだヴォーカリゼーションが交錯して絶妙な味わいを醸し出していた「MASK」、ヒップホップのニュアンスを巧みに取り込んだ「Anthem of Mavericks」の2曲が終わったところで、このように観衆へ問い掛けた吾龍の言葉に対して、フロアの女性から"もうビショビショ?"という声が返ってきた際に、すかさず吾龍が"あ。それ、もう1回言ってもらってもいい?"とデレた表情を見せていた一瞬があったことも、念のためここに付記しておこう(笑)。
とはいえ、また演奏が始まれば一気にDOPEDOWNのラウド且つダイナミズムに溢れた音たちがあたりを埋め尽くすこととなり、ラスト曲として演奏された彼らにとっての始まりの曲である「不退転」に至るまでの間、文字どおりDOPEDOWNは我々に渇く暇を一切与えぬ熱量マックスのライヴを堪能させてくれたのであった。 かくして、それぞれに近年のネット・カルチャー土壌から育ってきた3バンドが繰り広げた本ライヴ。方向性はあれこれと違えども、いずれも超個性派の3組がここからもシーンを騒がせてくれることになるのは間違いなさそうだ。

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