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INTERVIEW

キバオブアキバ

2017.11.16UPDATE

2017年11月号掲載

キバオブアキバ

メンバー:さとし(Vo) みつる(Ba)

インタビュアー:杉江 由紀

好き放題に、伸び伸びと。9月より女性ヴォーカリスト さとしを軸とした新体制へシフトしたキバオブアキバにとって、この機に発表するEP『あげてけ!ぽじてぃ節』は、今後へと向けた所信表明的作品となったようだ。どこまでもポジティヴで、果てしなくおバカで、際限なくラウドロックで、呆れるほどにハジけているこの新生キバオブアキバならではの世界観は、言わば楽しんだ者勝ちなものでもあるはず。老若男女に親しまれる全年齢対象バンドとして、ここからより力強く羽ばたいていくことになるであろうキバオブアキバは、まさに今こそ改めてチェックしておくべき存在であるとあえてここで断言しておこう。"新しき牙"いざ見参!

-9月より新体制となったキバオブアキバにとって、初の音源となるEP『あげてけ!ぽじてぃ節』がこのたび完成しましたが、現体制となってまだ2ヶ月ほどであることを考えると、かなり早い段階で今作品が出ることになりませんか。

みつる:実は、ふとし(※前任ヴォーカリスト)が9月に卒業すること自体は結構前から決まっていたことだったんですね。しかも、僕らの場合はそんなに多くライヴをやるバンドでもないので、新体制になった時点で何かしらの作品をリリースしておかないと、ファンの方たちが"どうなっていくの?"と不安に思うのかな、ということを懸念したのもあって、今年の春くらいから水面下ではすでに今回のEPに向けて動き始めていたんですよ。体制が変わったとしても、僕らとしてはこれからもガンガンやっていきますよ、ということをこの段階で改めて提示しておきたかったわけです。だから、そういう意味ではふとしが卒業するって決まったこと自体が、今回の音源制作のきっかけになった、というところも正直ありました。

-だとすると、この新体制に切り替わったことにより、旧体制時と比べて曲作りの手法が変わったり、音作りに具体的な変化が生まれたりしたところもあったのでしょうか。

みつる:そこはたしかに、僕らとしても最初は悩んだところでしたね。結局、僕たちにとってのルーツっていうのはヘヴィ・メタルになるので、体制が変わったからといってそこを変えてしまうのは、絶対に違うだろうというのはあったんですよ。とはいえ、以前は基本的にふとしのシャウトが入るということを前提に曲作りをしていたところがあったので、今のスタイルになってからは完全に"さとしのヴォーカルをフィーチャーしたメタルを作ろう"という考え方で、そこに向けての試行錯誤をしていくことになったんです。

-つまり、ヴォーカリスト さとしさんの担うべきものが以前よりもかなり増えたということなのですね。

さとし:まぁ、そういうことにはなりますね(笑)。前は、ふとしさんとふたりでやっていましたけど、ここからに関してはキバオブアキバのヴォーカリスト=私、ということになってしまうので。でも、逆にそこはあんまり考えすぎないようにしています。

みつる:ただ、歌のこと以上に今回ちょっと大変だったのは、歌詞の面だったんですよね。以前はすべてふとしが詞を書いていたわけですし、あの独特な歌詞の内容も込みでキバオブアキバの音楽性というものが成り立っていたところがあるんですけど、やっぱり歌詞は歌う人が書くのが一番だと僕なんかは特に思っているので、今回のEPではさとしに書いてもらいました。

-「餅べーションUPジャパン」をはじめとして、今作には面白くて楽しい歌詞の曲があれこれ詰まっておりますね。これらは、さとしさんがキバオブアキバの唯一無二なバンド・カラーを踏まえて書かれたことになるのでしょうか。

みつる:いや、バンドの色に寄せた、というよりはさとしって変に"おませさん"なところがあるんですよ(苦笑)。だから、何も意識しないで歌詞を書くとだいたいが等身大ではないものになってしまうんです。実際はそんなんじゃなくておバカさんなのに、妙に澄ました感じになってしまうみたいな(笑)。

-さとしさん、みつるさんがめちゃくちゃディスっていらっしゃいます(笑)。

さとし:でも、実際そういうところはあるんですよ。キバオブアキバに加入する前に、ソロでシンガー・ソングライターをやっていたころは、わりと"そんな感じ"でしたから。でも、キバオブアキバに入ってから気づいたんです。"あぁ、実は私ってこんなにバカっぽいところがあったんだ!"って(笑)。そういう意味では、今回の歌詞はみんなに教えてもらった素の自分みたいなものが反映されているんじゃないかと思います。そして、メンバーのみんなからたくさん意見をもらいながら何回も何回も書き直して、ようやくこの作品を完成させることができました。

みつる:流れとしては、さとしの書いた詞をメンバーみんなでプロデュースしていったような感じだったんですよ。結果的に、さとしの持っているいい部分を今回はなんとかうまく引き出せたと思いますね。

さとし:ここまで突き抜けられたのは、ほんとメンバーのおかげです!

-なお、先ほどは今作について"さとしのヴォーカルをフィーチャーした曲を作ろう"と考えたというお話がありましたが、練りに練った歌詞やヴォーカル・ラインをヘヴィなバンド・サウンドとを両立させていくうえで、特に重視したことはなんでしたか。

みつる:前は別にメロディありきで作るということはしていなかったので、ぶっちゃけ楽器がどれだけ好き勝手やっていようが、シャウトさえ乗っかってしまえば成立していましたからね。かといって、そこに甘えていたつもりはないですけど、今回みたいにメロディありきで曲を作っていかなきゃならないとなったとき、あまりにも裏でガチャガチャやってしまうと、どうしても歌の邪魔になってしまうんですね。でも、僕たちはそれでもガチャガチャしたい人たちなんですよ(笑)

さとし:あははは(笑)。

みつる:要は、そこのバランスをいかにとっていくか? というのが難しかったです。でも、そこも今回はうまくいきました。それぞれみんながやりたいことをやりつつ、歌も立てるということに成功したんです。

-その場合、成功の秘訣はどんなことに起因しているとお考えでしょう。

みつる:うちの場合、キバオブアキバとは別に個々で作曲や編曲や演奏の活動をしているというバック・グラウンドがまずはあるんですよ。たとえば、やっくん(Gt)は同人界隈で活躍していたりとか。そなー(Gt)は、ジャニーズさんの楽曲でギターを弾いていたりしますし、僕もいろいろと作編曲の仕事をさせてもらっているので、それなりに学んできたことも多いし、視野を広く持てているところもあるんだと思うんですね。これがもし、メタルだけが好きで、メタルだけをやってきた人間の集まったバンドだったとしたら、"こう"はなっていなかったかもしれないです。他とは違うちょっと変わった成り立ちのバンドだったところが、ここにきてより活きてきました(笑)。