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INTERVIEW

キバオブアキバ

2017.11.16UPDATE

2017年11月号掲載

キバオブアキバ

Member:さとし(Vo) みつる(Ba)

Interviewer:杉江 由紀

-さとしさんの抜け感のあるヴォーカルで、キャッチーなメロディ・ラインが描かれていくなか、ザクザクバキバキドカドカと容赦のないヘヴィ・サウンドが轟く構図は、なんだかとても痛快ですしいい意味で大変ポップです。

みつる:前は歌詞の面でいうと、日常の中で感じるちっちゃな怒りとかを大げさに描いたようなものがわりと主体だったんですけどね。でも、さとしは全然そういうタイプではないんですよ。彼女は、そんな怒りとか普段から感じないで生きているみたいなんです。なんなら、あまりにも怒らなさすぎで僕らの方が"いや、そこは怒れよ......"ってなるくらいに相当のほほんとしているんで(笑)、そういうさとしの書くバカでポジティヴな歌詞と、それを見越したうえで作ったメロディがすごいハマったんだと思います。まさに、この盤のタイトルどおりの"あげてけ!ぽじてぃ節"になりました。

-"名は体を表す"とは、このことですね。軽妙な言語センスが素敵です。

みつる:このバンドは、実際そうなれているかは別として、海外に向けても発信していけるようになりたいと常々思っています。それもあって、前回もそうでしたし、今回もちょっと日本っぽさを意識したジャケ写になっているんですね。おまけに、今回はイメージ的にとてもおめでたい雰囲気もあったので、そこと"あげてけ!ぽじてぃ節"というタイトルもすごくシンクロしたんです。デザインの中に入っている鶴もおめでたい鳥だし、ここから羽ばたいていくという意味も実は込めたんですよ。それと、タイトル的に"ぽじてぃ節"という言葉を使ったのは、昔さとしが民謡をやっていたことがあるのも影響してます。

-さとしさんは、お子さんのころに民謡をやっていらしたのでしょうか。

さとし:はい。5歳のころから、10年間くらいやっていました。

-どうやら、そのころの経験が今に活きている点もありそうですね。

さとし:あります、あります。今でも、歌い方に民謡をやっていたことが滲んでいるところはおそらく微妙に残っているんですよ。

-それこそ"さとし節"がそこにはあるのかもしれません。

さとし:未だに演歌とかも歌っていると楽しいし、気持ちいいですからね。伸び伸びとした節回しの歌は今も大好きで、今回の『あげてけ!ぽじてぃ節』の曲たちも、これまで以上に伸び伸びと歌えました!

-さとしさんの朗々とした歌い上げっぷりは、実に痛快です。

みつる:そう聴こえたんだとしたら、狙いどおりです。伝わって良かったな(笑)。

さとし:ありがとうございます、すごく嬉しいです(笑)。

-それにしても......この各曲のテーマやモチーフが、どのように生まれていったのかが非常に気になります。例えば、「O.S.I」は"お医者さんにいこう"の略となっていますが、これは何をきっかけに想起したものだったのですか?

さとし:曲をもらったときに、サビのメロディを聴いていたら"お医者さんにいこう"っていうフレーズが急に浮かんじゃったんです(笑)。そこから、前後を書いていったらこういうかたちになっていました。

-前半は、なんだかサタニック・メタルのようなおどろおどろしさを含んだ歌詞なのに、いきなりサビでは明るくポジティヴに"お医者さんにいこう"と呼び掛ける展開になっているところが、なんともシュールかつ秀逸です。

みつる:1曲の中にギャップがあった方が面白いですからね(笑)。

-ちなみに、この曲の前には「おばかの館」というみつるさん作曲のインストゥルメンタルも収録されていますが、こちらは最初から「O.S.I」へと続く序章として考えられたものだったのでしょうか。

みつる:いや。むしろ、これは6曲目の「SHINKIBAレボリューション」との関連性を持ったものなんですよ。EPの最後と最初が繋がっているんです。おバカの世界へようこそ、的な意味合いのインストです。

-なかなか巧妙な作りです。そして、そんな「SHINKIBAレボリューション」をEPのラストに持ってきたのにも、これは何か理由がありそうですよね。

みつる:ふとしが卒業したことで、わりと多くの人たちから、今は"キバオブアキバはひとつのパーツを失った"みたいに思われているところがあるような気がするんですよ。「SHINKIBAレボリューション」は、そんな今だからこその"そうじゃねーし。ここから、もっとアゲてくよ!"というメッセージを、僕らなりに表したものなんです。