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INTERVIEW

鬱P(おはようございます)× ゆよゆっぺ(GRILLED MEAT YOUNGMANS)

2017.12.06UPDATE

2017年12月号掲載

鬱P(おはようございます)× ゆよゆっぺ(GRILLED MEAT YOUNGMANS)

ボカロPとして、ラウドでハードコアなサウンドの先駆者的な存在である鬱Pを中心に結成したバンド"おはようございます"が、初の全国流通盤となる『前田EP』をリリースする。バイオグラフィで"日本語詞とすごい音が特徴"のラウドロック・バンドと称するように、メタリックで変幻自在なサウンドと、熱くパワフルな歌声やシャウトが入り乱れる重量感がありつつ、ライヴでは即シンガロングが起こりそうなキャッチーさも用意されている心憎い曲が並ぶ。肉体的な曲だが、長くクリエイターとして磨いてきた審美眼がふんだんに発揮された。今回はリリースを記念して、鬱Pと、ボカロPとして動画サイト時代からしのぎを削ってきたゆよゆっぺを迎え、それぞれの音楽について語り合ってもらった。

おはようございます:鬱P(Ba)
GRILLED MEAT YOUNGMANS:ゆよゆっぺ(Vo)
インタビュアー:吉羽 さおり
Photo by 上溝恭香

-ふたりは知り合ってどのくらいになりますか。

鬱P:ネット上に記録が残っているのは、2008年とか。

ゆよゆっぺ:当時、ボーカロイドで楽曲を作る人たちのコミュニティーSNSみたいのがあったんだよね。

鬱P:いや、それよりもさらに前に、最近フォロワーから"これがもしかして初コンタクトですか?"っていうmixiのスクリーン・ショットが送られてきて。その日付が2008年の9月とか10月とかってなってたから、10年近く前ですね。そのときはまだ高校生で。

-高校生のころからの付き合いだったんですね。

ゆよゆっぺ:そのあとにさっき言ったボーカロイドのサイトで、お互いの曲がアップされたらすぐに聴けるような状態になって、こういうことやっている人がいるんだなって。使っている機材の情報とかも載っていて、意見の交換所もあったので、そこでちょいちょい親交を深めてはいたのかな。

鬱P:そうだね。

ゆよゆっぺ:そのあと、"THE VOC@LOiD M@STER"という同人誌即売会があって。ボカロの楽曲を自主制作してきた方々が集まって手売りでCDを売っていくところなんですけど、そこに僕も出るようになって。且つ、鬱Pも出ていたんです。でも、初めて会ったのはそこじゃなかった気もするな。

鬱P:初めて会ったのは、出ていたときじゃなくて、ふたりとも一般参加で行っていたときだと思う。

ゆよゆっぺ:そうだ。こういう世界があるんだなってもの珍しく見てたら、そこに鬱Pも来ていて。"よろしくお願いします"っていう感じだったかな。第一印象は、思ったよりも怖くないなっていう感じだった(笑)。

-それは音の印象があったから?

ゆよゆっぺ:当時出している曲が尖っていたから。まずい人なんじゃないかっていう不安も抱えつつ、話してみたら大丈夫で。そこから交流するようになったんじゃないかなと思います。

鬱P:僕のゆっぺ(ゆよゆっぺ)さんの第一印象は、それまでSNSでやりとりはしていたので、ある程度想像はしていたんですけど、やっぱり同人誌即売会はバンドのイベントとはちょっと違うので、こんな普通のバンドマンっぽい奴もいるんだなっていう印象でしたね。他にもいろんな人に挨拶していたんですけど、そういう人とは全然雰囲気の違う人が紛れ込んでるみたいな。

-当時すでに、ゆよゆっぺさんはバンド活動もしていたんですか。

ゆよゆっぺ:バンドは高校生のころからずっとやっていました。ちょうどボーカロイドを始めて、楽曲をみなさんに聴いてもらえるようになったあたりから、人間関係がうまくいかなくなって、いったんバンドはお休みしようってなったのが、よりボーカロイドに入っていくきっかけでしたね。そこで、いろんな人と出会って。鬱Pもそのひとりです。

-鬱Pさんが音楽を始めるきっかけは、バンドとボーカロイドではどちらが先でしたか。

鬱P:僕もバンドが先ですね。中学生くらいからやっていて、高校3年で受験があるので、その4月くらいに高校生のころのバンドの最後のライヴが終わって。でも、そんなに真面目に受験勉強をやっていなかったので、ひとりでもできることないかなって探しているときに"そういえば動画サイトでボーカロイドっていうのが流行っていたな"って思ったのが、2008年の4月とか、5月だったんです。当時、高校生だったし、まだそれほどDTMがメジャーではなくて、DTMソフトも今よりも高かったんですよね。

ゆよゆっぺ:今の10倍くらいしたね。

鬱P:なので、最初はフリー・ソフトとボーカロイドのみでやってましたね。

ゆよゆっぺ:そういう時代もありましたね。

-そういうふうにひとりで音楽を作って、発表/発信していくこと自体には、抵抗はなかったんですね。

鬱P:もともとネットにどっぷり浸かっていたというか、そういうところはあったので。

ゆよゆっぺ:僕自身はインターネットに慣れてなかったので、インターネット上での人付き合いの仕方がイマイチわからなかったんですけど、そのなかで、わりと意気投合できたんですよね、鬱Pって(笑)。同じ観点というか、近しいものがあるんだろうなというのが話の中から見えて。

-年代的にも同じくらいというのは、大きいですかね。

鬱P:そうですね、年齢は僕がひとつ下なんです。そのときって、さっきも言ったんですけど、DTMがメジャーではなかったので、周りは年上の人が多かったんです。いわゆるMIDI世代の人が多かったので、同い年くらいの人は珍しかったんですよ。後々、同い年くらいの人が──ハチ(米津玄師)君とか出てくるんだけど。

ゆよゆっぺ:そう。鬱Pはボーカロイド界のメタルの礎を築いたひとりなんですよ。

-ヘヴィなサウンドのボーカロイドというのはなかなかいなかったんですね。

ゆよゆっぺ:いなかったですね。初音ミクのキャラクター性もあったし、僕の尊敬しているlivetuneのkz御大はポップな曲を書いていたり、supercellのryoさんがしっかりと世界観を持った楽曲を書いていたりして、キャラクターがどんどん広まっていって。僕たちは、それに逆行していっちゃったんですよね。キャラクターに反抗していったタイプで。

鬱P:そのくらいのときは、初音ミクというキャラ重視の作品が主流で。後々になって、ハチさんとか、作っている人の方が重視されるようになるんですけど、それは2009~2010年くらいの話なので。

ゆよゆっぺ:当時は、カオスな時代でした。同じ動画サイトの中で、やってることは一緒なんだけど、考え方が全然違うっていう。

鬱P:まったく違うジャンルが同じランキングで切磋琢磨してるというのは、なかなかない状況ですよね。