おはようございます：鬱P（Ba）
GRILLED MEAT YOUNGMANS：ゆよゆっぺ（Vo）
インタビュアー：吉羽 さおり
Photo by 上溝恭香

－『前田EP』は初の全国流通盤として、キラー・チューンだらけで、パンチのある曲ばかり並んだEPとなりましたね。

鬱P：なるべく一気に聴けるくらいの曲数にしたかったんですよね。だから、今までもフル・アルバムではなくて、全部ミニ・アルバムで出していて。

ゆよゆっぺ：メタルの難点として、曲数が多ければ多くなるほど聴けなくなっていくというのはあるから、つらくなっちゃうんですよね、どうしても。途中で1曲飛ばそうって人も出てきちゃうので。

鬱P：また、枚数を重ねれば重ねるほど、ライヴは時間に限りがあるから"ライヴだとこのアルバムは2曲目しかやってないね"みたいな人もいるしね。それよりは、曲ができたら即リリースみたいな感じで。もともと、動画サイトのときはそういうやり方だったし。

ゆよゆっぺ：そのバランスもすごく良くできてるなと思います。飽きさせない工夫が、このEPの中でいっぱいあって。声しかり、フレーズしかりで。まず一番に目を引くのは、曲のタイトルですよね。

－とても気になるタイトルが並びますね。

ゆよゆっぺ：「SYSTEMATIC IROMONO HARDCORE」とか「SFおじさんと女の子」とか。（笑）。とりあえず聴いてみようってなるじゃないですか。そういう入り口をちゃんと作っているし、音楽の玄人に対しての、聴き込ませる要素もしっかりしているんですよね。且つ、初めて聴いた人には飽きさせない面白さが楽曲の中でたくさんあるし。ライヴでもちゃんと乗れるという。各曲でパラメーターがあるとしたら、バランスが良くて。今日もずっと聴いていたんですけど、悔しいですね。何回、悔しいって言ってるんだろう（笑）。すごく、システマティックさを感じるんです。

－緻密さ、繊細さですね。

ゆよゆっぺ：じゃないと、『前田EP』のような作品はできないかなっていうのは思っているし。すごく大きな意味でのプロデュース力に長けまくってるんだろうなとは思いました。

－この「SYSTEMATIC IROMONO HARDCORE」はなんのことを歌ってるんだろうと思ったら、音楽のことではなくて、お笑いのことを歌った曲ですね。

鬱P：そうですね。基本それは、お笑い芸人の話で。且つ自己紹介的なノリもあるという感じで。

鬱Pは、音楽でも人としても、キャッチーさや"抜き"を作るのが本当にうまい。それが楽曲に表れているんだと思う（ゆよゆっぺ）

－おはようございますとしてのポイントとなるのは、"我ら「Funny」では無い「Interesting」です"ということですかね。

鬱P：タイトルとかはふざけることもあるんですけど、中身はちゃんと書いているので。あまり芯に関係ないところでふざける、というバランスでなるべくやっていますね。曲名はふざけてるけど、曲とか歌詞は作り込む。あとライヴ本編とは関係ない、イベント名とかフライヤーでふざけるとか。

ゆよゆっぺ：すごく耳が痛いですね。僕は全部ふざけちゃうから（笑）。

鬱P：それはそれで全部ふざけるという芯があるじゃない。

－そこはキャラクターの違いじゃないですか。

ゆよゆっぺ：そういうシステマティックさに僕はすごく憧れるし、ちゃんとしたプロデュースができてるなと。自分のバンドのメンバーさえもキャラクターが立ってるのがいいなと思うんです。それを前に出してるのが、今回のEPじゃないかなって思いますね。

鬱P：でも、最初に"おはようございます"というバンド名に決めて、何曲か作り始めたときはまた違ったんです。もっとふざける方向に振り切る感じになるかなと思っていたんですけど、そのころ（2014年）に比べてコミカルな感じを打ち出しているバンドが増えたなと思ったので、同じ土俵で戦っても仕方ないな、っていうのはあった。

ゆよゆっぺ：頭いいんだよな。

鬱P：それで、内容はしっかりした方向にしようという。それは俺の中では、80～90年代に出てきた人たちをイメージしていた気がする。電気グルーヴだったりユニコーンだったり。ユーモアがあるけれど芯もあるので、玄人にもすごく好かれるというか。

－かっこいいもので真っ向勝負というのは、あまり自分の肌に合わないところなんですか。

鬱P：聴いたりするのは好きなんですけど、作るのは、肌に合わないというか、向いてないんですよね。

ゆよゆっぺ：今日の格好からも読み取れると思うんですけど、なんか、こう、1割だけポケットモンスターがいるというかね（笑）。そういう"抜き"を作るのが、本当にうまいんですよ。音楽でもそうだし。人としてもそうで、真剣な話をしてるなかでも、ちょっとしたユーモアがあったり、Twitterでも、すごい怒ってるなと思っても、ユーモアがあってそれが許せてしまったり。そういうところが好かれる理由なんだと思うし、それが楽曲に表れているんだと思いますね。

"COUNTDOWN JAPAN 17/18"

12月28日（木）、29日（金）、30日（土）、31日（日）
幕張メッセ国際展示場1～11ホール、イベントホール
※ゆよゆっぺの出演日は12月30日（土）となります
（DJ'TEKINA//SOMETHING a.k.a ゆよゆっぺとして出演）
http://countdownjapan.jp