－それこそ、The BONEZは英語詞ですべてはわからないというのがあったとしても、さっき言ってたキャッチーさってその無条件に興奮する、高揚する、心を掴むところにも通じますね。

JESSE：アートはキャッチーであることは前提だと思うしね。

T$UYO$HI：絶対にね。

JESSE：だってバンクシーはポップかって言ったらポップじゃないけど、めっちゃキャッチーじゃん。何か訴えるものがあるというか。今回の「Love song」のMVとか、ZAXはドラムピカイチだし全然かっこつけていいのに、めちゃくちゃ汚れなことをできるのって、なかなかできないと思うし。PTPだったらあれは許されないもんね。

ZAX：まぁ、ああいう感じはないからな（笑）。

JESSE：ライヴのときに、自分はMCを準備せずに向かうんだけど、ツアーを回ってるとある程度言うことが決まっていっちゃうじゃないですか。ここはいいこと言わないとって思うほど空回りしたりするんだけど、いいことなんて、ひと言で十分なんですよ。たくさん言ったところで誰にも響かなかったりするので。だからなるべく会場を見て、その日のお客さんを見て話すんです。バンドも似てると感じていて。自分らがかっこいいバンドでいようってずっと考えてたら、地に足つかなくなって、ダサくなっちゃうと思う。うちらは楽しいことが大事で、みんなが笑顔なことが大事で、ちょっと言い合いになっても絶対に笑いで終わるようにするし、間違ったらちゃんとごめんなって言うのは大前提にあるし。この間も大阪で、こいつ（ZAX）がベロベロになって俺にオラーって喧嘩売ってたけど、朝方6時には肩組み合って帰ったとか。

T$UYO$HI：（笑）

－今これをできる関係性っていうのがいいですね。

JESSE：チームワークがめちゃくちゃいいかも。イッシーも、2行くらいだけど、ZAXがどこどこに行ったよって言うメールを送ってきてくれるんですよ。俺にこれを送るってことはZAXのこと心配してるんだなとか。

T$UYO$HI：そのとき、俺は先に帰っちゃったからね。酔っ払ってたし大丈夫かなっていうので、ZAXが向かったバーの人にも、"ZAX酔っ払ってるから気をつけて"って送っておいて。

－ケアが手厚い（笑）。

T$UYO$HI：そこでもし取り返しのつかないことが起きちゃって、やっぱり俺が行けばよかったとかなりたくないんですよね。楽しいし、ありがたいことに今はやりたいことがやれているから、これを続けたい。やれないことが一番怖いというか。そういうのって一瞬でなくなるときはなくなっちゃうから。

ZAX：そうやな。はい、気をつけます。

T$UYO$HI：はははは（笑）。

－このあと、47都道府県を回るわけですから、ケガなく無事に終えられることを祈ってます。改めて、こうした今のバンドの状態、4人のムードがアルバム『Yours』にパッケージされましたが、このコロナ禍でもライヴで演奏してきた「We are The BONEZ」が、ラストに収録されたことも感慨深いですね。

JESSE：最後にくるところにエンドロール感が出ていて。いろんな曲があってこれを最後に聴いたときに、やっぱりハッピー・エンディングなんだなっていうのを、「We are The BONEZ」を最後に置くことですごく感じられる。1曲目の「Love song」は誰かを愛してないとできないことだし、「Rusted Car」も俺らの車は錆びてるだけで壊れてねぇぜ、一緒に旅しようよとか、「You and I」もそうで、全部誰かに対して歌ったものがあって、最後の最後で「We are The BONEZ」という、ようやく俺らのこと、みんなのことを紹介する曲がきて。最後の1曲だけで、この唯一無二の物語を演じられているのが俺ら4人なんだぜってなっているのが最高だなって思ってます。